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■女性の自殺急増、8月は前年比4割増の650人 新型コロナウイルスの影響も [健康ダイジェスト]

 国内の女性の自殺者が増加し、8月は前年より4割増えたことが、明らかになりました。韓国も同様の傾向がみられたため日本の自殺対策機関は韓国の自殺対策機関に連絡、情報を共有し分析に役立てます。自殺傾向の分析で日本の機関が韓国の機関に意見を求めるのは、異例の事態。
 新型コロナウイルスによる事業者への営業自粛要請や失業など経済活動への影響が表面化した可能性も考えられます。
 警察庁によりますと、日本国内では、1~6月の全体の自殺者は前年同月よりも少なかったものの、7、8月になり増加。8月の自殺者数は全国で前年同月比16%増の1854人に上り、大幅に増加。
 特に女性の増加が顕著で、6月は前年同月比1・2%増の501人、7月は同14・6%増の645人、8月は同40・1%増の650人でした。特に30歳代以下の比較的若い世代の女性の自殺は昨年より74%増加し、1カ月間に193人が亡くなっています。
 韓国では、日本より先に同様の傾向が現れました。今年1~6月の女性の自殺は前年比7・1%増の1924人。3月は17・3%増、4月は17・9%増、6月も13・6%増となり、女性の自殺が深刻な状況となっています。
 関係者によると、自殺対策などを行う厚生労働大臣指定法人「いのち支える自殺対策推進センター」が8月中旬、韓国保健福祉省が設置する機関「中央自殺予防センター」の白宗祐(パク・ジョンウ)センター長へ連絡。日韓で女性の自殺者が急増している事態について、背景などを尋ね意見交換しました。
 日本国内では、新型コロナウイルスの感染が7月から再び増加傾向になり、8月7日に全国の感染者が1595人でピークとなりました。韓国国内のピークは、2月29日の909人でした。両国の自殺者の増加は新型コロナウイルスの感染が増加した時期と重なるため、新型コロナウイルスの影響による可能性も考えられます。
 韓国の現地報道は、新型コロナウイルスの影響で、非正規雇用など不安定な雇用の職業に就く女性の経済的困難が高まったほか、育児などの負担が増大したことなどが背景にあると指摘。日本でも同様の原因があるか、詳細な分析が進められます。
 自殺の問題に詳しい中央大学人文科学研究所の高橋聡美・客員研究員は、「全体として自殺者が増えているのは勤務先の業績が悪化して仕事を失うなど新型コロナウィルスの影響も考えられる」と話しています。
 特に30歳代以下の女性の自殺者が増えていることについては、「女性は病気などに不安を感じやすいことに加え子育てや家事などでストレスがあっても自宅にいることが多く、相談しにくい環境にあることも要因の1つではないか。また、友人と会えなかったり著名人の自殺に影響を受けたりするなど心理的な負担が増している恐れもある」と分析しています。
 そして、「国は相談体制の充実を図るとともに心理的な負担がどれほどかかっているのかを分析し対策を講じる必要がある」と指摘しています。

 2020年10月2日(金)

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