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■文科省、動物体内での人の臓器作製を容認 基礎研究に限定 [健康ダイジェスト]

 文部科学省の専門委員会は24日、動物の受精卵に人の細胞を注入した細胞の塊(胚)を動物の子宮へ移植し、人の臓器を持つ動物を作製する研究を条件付きで容認する方針をまとめました。
 国の現行指針は、子宮に戻す行為も禁じています。子ブタの体内で育てた人の膵臓(すいぞう)が移植に使えるかを確かめたり、人の細胞を備えたマウスを創薬に生かしたりする基礎研究に道を開きます。
 専門委員会の方針では、研究計画を実施機関と国がそれぞれ審査し、科学的合理性と社会的妥当性が認められれば「基礎研究に限って容認することがあり得る」としました。年内に指針改正に関する報告書をまとめ、内閣府の了解を得て、来年度中に指針を改正する予定です。
 現行指針は、動物と人の細胞が混ざった「動物性集合胚」の培養は最大14日に限定し、子宮に戻すことを禁じています。人の臓器を持つ動物の誕生は、想定していません。
 ただ専門委員会は、国内外の科学的な知見などから、人の手足などを持った極端な動物が生まれる可能性は極めて低いと考えられると判断。薬の開発や病気の原因解明などに利用できる可能性があるとして、臓器の一部を人の臓器に置き換えた動物などの作製を認める方針に傾きました。
 膵臓ができないようにしたブタの受精卵に、人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)やES細胞(胚性幹細胞)などを注入して、人の膵臓を持った子ブタを産ませ、1型糖尿病の治療に使う研究などが、可能になるとみられます。
 当面、安全性などの観点から、作製した臓器の人への移植は認めません。今後、脳や神経細胞、生殖細胞の作製や、霊長類を使った研究の是非を慎重に検討します。

 2017年10月25日(水)

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■1年間の延命に差額500万円以上で下げ 厚労省、高額新薬と既存薬を比較へ [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は25日、高額な新薬の公定価格(薬価)に「費用対効果」を反映させる新たな制度で、既存の薬と比べ1年間の延命に500万円以上多くかかる場合は薬価の引き下げ対象とする方針を固めました。
 医療費抑制策の一環で2016年度から試行的に導入しており、効果に見合わず割高だと評価された薬については、2018年度の薬価改定で価格を引き下げます。具体的な引き下げ幅など詳細は、年末に公表します。
 25日に開かれた中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)で提案しました。医療保険財政が改善され国民負担の伸びを抑えることにつながりますが、製薬業界からは「新薬開発が遅れる恐れがある」「導入は限定的にすべきだ」などの反発が予想されます。
 高額な新薬が医療費を押し上げている現状を踏まえ、厚労省は2018年度から、費用対効果を薬価に反映する制度の本格導入を目指しています。2016年度からは、がん治療薬「オプジーボ」やC型肝炎治療薬の「ソバルディ」、「ハーボニー」、「ヴィキラックス」など13品目に限り、試行的に導入しています。
 費用対効果の評価は、新薬を使って完全に健康な状態で1年間延命するためのコストを、同じ病気の治療で使う既存薬と比べ価格に反映させる仕組み。例えば、オプジーボでは医療費が患者1人で年間約1400万円に上るとされますが、これまで使われてきた他の肺がんの薬と価格や効果を比較します。
 厚労省は、1年延命に支払える金額に関する過去の意識調査(2010年実施)で、半数の人が485万円と回答した点に着目。すでに同様の制度を導入し、日本と生活水準が近いイギリスの評価基準も参考にして、比較対照する既存薬よりも500万円以上多くかかったら新薬の価格を引き下げることとしました。逆に、既存薬より効果が高く、費用も低く抑えられる新薬の価格は引き上げることを検討します。 

 2017年10月25日(水)

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■西日本を中心にインフルエンザ患者が増加 ワクチン接種時期の相談を呼び掛け [健康ダイジェスト]

 インフルエンザの流行期を前に、西日本を中心にインフルエンザの患者が増え始めており、今年はワクチンの製造量が昨年の使用量を下回る見通しであることから、各医療機関では子供や高齢者などに対して、接種する時期をかかりつけの医師などと早めに相談するよう呼び掛けています。
 国立感染症研究所によりますと、10月15日までの1週間に全国およそ5000カ所の医療機関から報告を受けた1医療機関当たりのインフルエンザの患者数は、沖縄県で4・14人と夏場から高い状態が続いているほか、長崎県で0・50人、山口県で0・35人などと西日本を中心に増え始めており、全国の平均は0・17人となっています。
 また、保育園や幼稚園、それに学校の学級閉鎖は9月4日から10月15日までに、沖縄県で12、東京都で10、千葉県で6となるなど全国の学級閉鎖は73となっています。
 厚生労働省によりますと、今シーズン、国内で製造するインフルエンザワクチンは合わせて2528万本と、昨シーズンに実際に使用された2642万本よりも114万本少なくなる見通しで、ワクチンの供給が需要を下回る時期があると予測されていることから、製薬会社の製造作業の一部を前倒しで行うなどして需要に追い付かない事態を避ける方針です。
 インフルエンザは例年、11月末から全国的な流行が始まるため、厚労省は医療機関に対し、13歳以上の人へは1回の接種を徹底することや必要以上のワクチンの発注をしないよう通知したほか、各医療機関は子供と高齢者、それに呼吸器などに病気がある人を中心に、早めにかかりつけの医師と相談して接種する時期を相談するよう呼び掛けています。
 東京都足立区の和田小児科医院では、インフルエンザワクチンの接種についての問い合わせが昨シーズンより多くなっているということです。25日は、診療時間が始まるとともに子供を連れた母親などが次々と訪れて、嫌がる子供をなだめながらインフルエンザのワクチンを注射器で肩に接種していました。
 医院では当面、予約されたワクチン接種の希望に対しては不足することはないということですが、発注した量がすべて納品されていないため、希望する人には必要性が高いかどうかを聞いた上で、緊急性の高くない人には「ワクチンが十分に入荷する時期まで接種を待ってほしい」と呼び掛けています。
 また、13歳未満の子供は1カ月以上の間隔を空けて2回の接種が必要とされていますが、保護者に対しては2回目の接種をワクチンの在庫がそろう12月にしても、例年の流行のピークには間に合うため必要以上に心配する必要はないとしています。
 和田小児科医院の和田紀之院長は、「子供への2回接種の間隔は4週間ピッタリである必要はなく、それ以上、期間を空けても問題はない。また、高齢者は免疫の持続期間が若い人に比べて短いとされているので焦って早く接種するのではなく、流行がピークを迎える1カ月程前に接種するほうが効果は高いと考えられる」と話しています。
 その上で、「万が一ワクチンを求めて複数の医療機関に重複して予約をすると、ワクチンの見掛けの需要が実際よりも高くなってしまい、結果的に必要な人に届かなくなる恐れもあるので重複した予約は絶対にせず、健康な成人については落ち着いてワクチンの供給が安定するのを待ってほしい」と呼び掛けています。
 インフルエンザのワクチンは、インフルエンザの予防と重症化を防ぐためのもので、60歳以上の一定の病気がある人と65歳以上の高齢者に対しては費用の一部を国が負担して受けることができるほか、そのほかの人も任意で接種を受けることができます。また、免疫が十分に発達していない生後6カ月から13歳未満の子供に対しては、2回接種することになっています。
 ワクチンは、国がさまざまなタイプのウイルスの中から4つのタイプを決め、製薬会社が混合したものを製造しますが、このうち1種類のタイプのワクチンで十分な量が製造できないことがわかり、厚労省は急きょ、別のタイプに切り替えました。このため製造が遅れ、製薬会社4社が製造するインフルエンザワクチンの本数はおよそ2528万本と、昨シーズンより製造数が265万本少なく、昨シーズンに実際に使用された数を114万本下回る予測です。
 厚労省の見通しでは、11月にかけて出荷量が徐々に増えますが、11月下旬から12月の上旬にかけて、供給が需要を下回るという予測があることから、製薬会社の安全性の検査を前倒しで行うなどして、需要に見合う量が出荷できるよう対策を始めているとしています。

 2017年10月25日(水)

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■用語 急迫性尿失禁 [用語(か行)]

[トイレ]急な強い尿意を催し、トイレに間に合わずに尿が漏れる状態
 急迫性尿失禁とは、急な強い尿意を催し、トイレにゆく途中やトイレで準備をする間に、尿が漏れる状態。切迫性尿失禁とも呼ばれます。
 この急迫性尿失禁は、自分の意思に反して勝手に膀胱(ぼうこう)が収縮する過活動膀胱が主な原因です。過活動膀胱の症状は、我慢できないような強い尿意である尿意切迫感と、昼夜を問わない頻尿です。
 普通、膀胱が正常であれば400~500mlの尿をためることが可能で、尿が250~300mlくらいになると尿意を感じて排尿が始まりますが、過活動膀胱では100ml前後の尿がたまると膀胱が収縮するために、突然の尿意を催して、我慢できなくなるのが特徴です。膀胱が正常であれば、尿意を感じ始めて10~15分ぐらいは我慢できることもありますが、過活動膀胱ではそれも難しいとされています。
 この過活動膀胱を主な原因として起こる急迫性尿失禁は、せきやくしゃみ、運動時など、腹部に急な圧迫が加わった時に尿が漏れる腹圧性尿失禁と区別されていますが、実際は、切迫と腹圧の2つの要因が重なって失禁に至ることもあり、混合性尿失禁と呼ばれます。
 過活動膀胱の人はとても多く、日本では40歳以上の男女のうち8人に1人は過活動膀胱の症状があり、その約半数に急迫性尿失禁の症状があると報告されています。近年40歳以下でも、過活動膀胱の症状に悩まされている人が大変多くなってきています。
 女性が過活動膀胱になる最も多い原因は、膀胱と尿道を支えている骨盤底筋群や骨盤底を構成する靱帯(じんたい)が弱まる骨盤底障害です。骨盤底筋群や靱帯が弱まってたるむと、膀胱の底にある副交感神経の末端が膀胱に尿が十分にたまらないうちから活性化して、突然強い尿意が出るようになるのです。
 女性は若い時は妊娠や出産で、また、更年期以降は老化と女性ホルモン低下の影響で骨盤底障害になりやすいので、男性よりも多くの発症者がいます。男性の場合も、老化や運動不足で骨盤底筋や尿道括約筋が衰えることによって過活動膀胱になることがあります。
 また、男女ともに、脳と膀胱や尿道を結ぶ神経のトラブルで起こる過活動膀胱も増えています。こちらは、脳卒中や脳梗塞(こうそく)などの脳血管障害、パーキンソン病などの脳の障害、脊髄(せきずい)損傷や多発性硬化症などの脊髄の障害が原因となります。
 過活動膀胱のほか、急迫性尿失禁は膀胱炎、結石などによって膀胱の刺激性が高まって起こるものもあります。
 尿失禁は恥ずかしさのため医療機関への受診がためらわれ、尿パッドなどで対処している人も多いようですが、外出や人との交流を控えることにもつながりかねません。次第に日常生活の質が低下することも懸念されます。症状が続くようであれば、泌尿器科を受診することが勧められます。
[トイレ]急迫性尿失禁の検査と診断と治療
 泌尿器科の医師による診断では、一般的に、初診時に問診を行い、尿失禁の状況、出産歴、手術歴、婦人科疾患の有無、便秘の有無などを質問します。急迫性尿失禁の主な原因となる過活動膀胱かどうかを調べるための過活動膀胱スクリーニング質問票(リンク)や、過活動膀胱の症状の程度を調べるための過活動膀胱症状質問票(OABSS)という簡単な質問票を、診断のために使うこともあります。
 問診以外には、膀胱の状態を調べるための検査を行うこともあります。急迫性尿失禁の症状があるからといって、必ずしも過活動膀胱とは限りませんので、ほかの疾患の可能性も含めて確認するための検査です。初診で行う検査は、主に腹部エコー検査(残尿量の測定)、血液検査、尿検査など比較的簡単な検査で、過活動膀胱の検査には尿流測定、パッドテスト、ストレステストなどもあります。
 泌尿器科の医師による治療では、膀胱の収縮を阻止し、副交感神経に働く抗コリン剤(ポラキス、BUP−4)、または膀胱壁の筋肉である排尿筋を弛緩(しかん)させるカルシウム拮抗(きっこう)剤(アダラート、ヘルベッサー、ペルジピン)を用います。抗コリン剤を1~2カ月内服すると、過活動膀胱の80パーセントの発症者で改善されます。
 次の治療では、できるだけ尿意を我慢して、膀胱を拡大するための訓練をします。毎日訓練すると、膀胱が少しずつ大きくなって尿がためられるようになりますので、200~400mlくらいまでためられるように訓練します。排尿間隔を少しずつ延長させ、2時間くらいは我慢できるようになれば成功です。尿道を締める筋肉の訓練も必要です。
 難産を経験した女性、40歳を過ぎた女性で、時に急迫性尿失禁と腹圧性尿失禁が重なる混合性尿失禁を起こしている場合、尿道、膣(ちつ)、肛門(こうもん)を締める骨盤底筋体操が割合効果的です。肛門の周囲の筋肉を5秒間強く締め、次に緩める簡単な運動で、仰向けの姿勢、いすに座った姿勢、ひじ・ひざをついた姿勢、机に手をついた姿勢、仰向けになり背筋を伸ばした姿勢という5つの姿勢で、20回ずつ繰り返します。
 朝、昼、夕、就寝前の4回に分けて、根気よく毎日続けて行うのが理想的です。3カ月以上続けても効果のない場合には、手術が必要となる可能性が高くなります。
 骨盤底筋の強化を目的として、電気刺激によって骨盤底筋や尿道括約筋など必要な筋肉を収縮させる電気刺激療法もあります。また、腟内コーンという器具を腟内に15分程度、1日2回ほど保持し、それを徐々に重たいものに変えていくことで骨盤底筋を強化し、症状を軽減する方法もあります。
 重症例や希望の強い場合などには、手術による治療を行います。尿道括約筋の機能が低下している場合には、尿道の周囲にコラーゲンを注入する治療や、尿道括約筋を圧迫するように腹部の組織や人工線維で尿道を支えるスリング手術、日本ではあまり行われていない人工括約筋埋め込み術などがあります。

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