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■脳に血液中から薬を届ける超小型カプセルを開発 東大と東京医科歯科大 [健康ダイジェスト]

 血液脳関門の働きにより薬を届けるのが難しい人の脳に、血液中から薬を届ける超小型のカプセルを東京大学などの研究チームが開発し、 将来的にアルツハイマー病などの難治性脳神経系疾患の治療法の開発に役立つ可能性があるとして注目されています。
 人の脳は、血液と脳の間にある組織である血液脳関門の働きにより、栄養源となるブドウ糖などを除き、血液中の物質はほとんど入らないようになっており、アルツハイマー病などの治療ではどのようにして脳に薬を届けるのかが大きな課題になっています。
 東京大学と東京医科歯科大学の研究チームは、アミノ酸を使って直径が1ミリの3万分の1ほどのごく小さなカプセル(血液脳関門通過型ナノマシン)を開発しました。このカプセルの表面をブドウ糖で覆うと、脳の血管にある特定のタンパク質がカプセル内のブドウ糖と結び付いて脳の中の神経細胞に届けることができるということです。
 さらに、研究チームは、血中グルコース濃度(血糖値)が変化する空腹の状態だと、この特定のタンパク質が積極的にブドウ糖を届けることに注目し、空腹のマウスにこのカプセルを注射してこれまでの薬の100倍ほどの効率で脳の中の神経細胞に取り込ませることにも成功したということです。
 研究チームでは、カプセルの中に抗体医薬や核酸医薬など、高分子物質でできている先端医薬を入れれば、これまでにない治療効果が期待できるとしています。  
 東京医科歯科大の横田隆徳教授は、「認知症のほか、神経の難病や精神疾患の治療にも大きな武器になると思う」と話しています。また、東大の片岡一則特任教授は、「将来は体中の必要な場所に薬を送り届けるナノテクノロジーを開発したい」と話しています。

 2017年10月29日(日)

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■保湿用塗り薬「ヒルドイド」、医療機関での処方が急増 美肌目的の女性が利用 [健康ダイジェスト]

 アトピー性皮膚炎、乾燥肌、ケロイドなどの治療に使われる保湿用塗り薬「ヒルドイド」の医療機関での処方が急増していることが、健康保険組合連合会(健保連)の調査で明らかになりました。
 雑誌やインターネットで「美肌になれる」「高額な乳液より保湿力がある」「高級ブランドの美容液より効果がある」などと紹介されて広まり、公的医療保険の適用により低料金で入手できることから、化粧品代わりに求める女性が増えたことが背景にあるとみられます。
 ヒルドイドは医師の診断と処方せんが必要な薬で、薬局などで直接購入することはできません。主に皮膚科や小児科でアトピー性皮膚炎などの治療に活用され、乳幼児や高齢者にも処方されている低刺激の薬なので、敏感肌や荒れ性の人にも安心して使え、目元の小じわ対策や毛穴対策にも効果がある薬として、雑誌やインターネットなどで最近、紹介されています。
 健康保険を適用すると約200円~300円程度で、ヒルドイドを手に入れることができるといいます。初診であれば、薬代以外にも診察料、処方せん代、薬剤情報などの点数が加算されるので、トータルの支払額としては医療機関にもよりますが、約1500円~2000円ほどになるといいます。
 治療以外でのこうした処方は薬剤費を押し上げ、税金や保険料で賄う医療財政を圧迫。年間約93億円が無駄に支出されている可能性があり、厚生労働省は来年4月の診療報酬改定で処方量の制限など対策を講じる方針を固めました。近く、中央社会保険医療協議会で議論を求めます。

 2017年10月29日(日)

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