SSブログ

■インフルエンザ感染、9月では異例の高水準続く 沖縄県が全国最多 [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は29日、全国約5000の定点医療機関から18~24日の1週間に新たに報告されたインフルエンザの感染者数は3万5021人だったと発表しました。1医療機関当たりの平均は7・09人で、このデータを基に推計される、この1週間の全国の感染者数は約25万8000人。前週比1・01倍でほぼ横ばいですが、9月としては異例の高水準が続いています。
 23都府県で増加しました。医療機関当たりの感染者数が最も多かったのは沖縄県22・46人で、続いて千葉県15・14人、愛媛県14・07人、宮崎県14・00人、大分県が13・79人でした。少なかったのは青森県0・33人、岩手県0・89人など。流行の「注意報」レベルの10人を超えたのは9都県。
 休校や学級閉鎖などになったのは、全国で計1569施設でした。
 感染症に詳しい東邦大学の舘田一博教授は、「感染者の数は、前の週までは毎週、2倍近いペースで増えていたが、今回、横ばいとなった。爆発的な感染拡大の兆候はまだ見られていないが、季節外れの流行が起きないか推移を注視する必要がある」と話しています。
 一方、沖縄県は29日、インフルエンザの定点把握状況を発表。18〜24日の1週間に報告された1定点医療機関当たりのインフルエンザ患者数は22.・46人。同じ期間の全国平均は7・09人で、沖縄県が47都道府県で最も多く流行しています。県はインフルエンザ流行注意報を発表中で、感染拡大による学級閉鎖も広がっています。
 保健所管内別で最も流行しているのは八重山で39・33人、次いで那覇市で31・25人、宮古23・25人、中部19・94人、南部18・93人、北部8・60人。八重山と那覇市は「流行警報」発表水準の30人を超え、急拡大しています。
 沖縄県教育委員会によると、県内の公立小中高で17〜23日の1週間にインフルエンザ感染拡大のため学級閉鎖したのは小学校9学級、中学校10学級、高校10学級の計29学級。学年閉鎖は小学校6学年、中学校2学年の計8学年。学校閉鎖も高校で1校ありました。

 2023年9月29日(金)

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■赤ちゃんポスト、東京都内の病院が導入準備 内密出産も実施へ [健康ダイジェスト]

 親が育てられない乳幼児を匿名で預かる、いわゆる「赤ちゃんポスト」について東京都墨田区の病院が来年度の設置に向けて準備を進めていることがわかりました。今後、東京都や墨田区と具体的な協議を進めていくとしています。
 東京都墨田区の社会福祉法人「賛育会」は、産科などがある区内の「賛育会病院」にいわゆる「赤ちゃんポスト」を設置する方針を明らかにしました。
 運用の開始は来年度中を目指していて、妊婦が医療機関だけに名前や連絡先などを明かして出産する「内密出産」などの事業も実施したいとしています。
 貧困や虐待などを背景に予期しない妊娠や孤立出産の悩みを抱える女性が増え、赤ちゃんを遺棄する事件が相次いでいることなどを受け、数年前から検討を重ねてきたとして、今後、東京都や墨田区と具体的な協議を進めていくとしています。
 賛育会によりますと、設置が実現すれば医療機関としては熊本市の慈恵病院に続き、全国で2例目になるということです。
 賛育会は、「全国で痛ましい事件が相次いでおり、母親と赤ちゃんを守るセーフティーネットにならなければいけないと決断しました。このプロジェクトは行政の援助がなければできません。来年度中の開始に向けて今後も粛々と準備を継続してまいります」としています。
 東京都によりますと、今年5月に墨田区の賛育会病院側から区を通して連絡があり、これまでに数回、都や区、それに病院の担当者が参加して打ち合わせが行われたということです。
 この打ち合わせに際しては、病院側から来年度中に「赤ちゃんポスト」や「内密出産」などの事業を実施したいという考えや、行政との連携について相談したいという意向が示されたということです。
 都は、子供の戸籍の作成や、生活場所の確保などが課題になると病院側に伝えたということです。
 都の担当者は、「都は人口が集中しているため利用規模も大きくなる可能性があり慎重な検討が必要」とした上で、「病院側から具体的な事業計画が提出されれば、対応を考えていく」としています。
 いわゆる「赤ちゃんポスト」は、親が育てられない子供を匿名で受け入れるもので、日本では、16年前の2007年に、熊本市の「慈恵病院」に、「こうのとりのゆりかご」という名前で設置されました。
 医療機関が設置するものとしては現在も国内では唯一の「赤ちゃんポスト」となっていて、昨年度までの16年間で合わせて170人が預けられたとされています。
 一方、北海道では当別町の女性が昨年5月に「赤ちゃんポスト」の設置を公表していますが、道は医療提供体制が不十分だとして運用をやめるよう要請しています。
 都内でも、江東区の医療法人社団「モルゲンロート」は来年秋を目指し、区内に産婦人科を新たに開設した上で、施設にいわゆる「赤ちゃんポスト」を設置したいとしています。
 医療法人は現在、用地の取得を目指していて、江東区によりますと、今年5月、区長にあてて区内での用地取得に向けた支援を求める要望書が届いたものの、区は「一民間事業者の事業に直接的な支援を行うことは困難だ」と回答したということです。
 その後、「赤ちゃんポスト」の設置に向けた具体的な協議には至っていないということです。
 東京都の小池百合子知事は記者会見で、「子供の命が失われるということはなくさなければならない。東京は人が集まるところで困っているいろいろな人が東京を目指すことも想定して準備もしなければならないのではないか」と述べました。
 その上で、「墨田区とも連携して、預かる赤ちゃんを守っていく体制をしっかり整えないといけなくなるのではないか。現在、賛育会病院に詳細な説明を求めているところだ」と述べました。
 一方、小池知事は「『赤ちゃんポスト』という名称も少し考えたほうがいいのではないか。何かちょっと安易だが、『子殺し』につながるよりはいいと思う。どれがいいか悪いかも超えて、命を守るという点で重みも必要なのではないか」と述べました。
 東京と墨田区の「賛育会」は、東京都や長野県、それに静岡県で病院や特別養護老人ホーム、それに保育園などを運営する社会福祉法人です。
 墨田区にある「賛育会病院」は病床数199で、産科や婦人科、小児科などがあり、東京都の地域周産期母子医療センターにも指定されています。
 賛育会は、数年前から勉強会を開くなど検討を進め、昨年11月に正式に方針を決め、プロジェクトチームをつくり、準備を本格化させてきました。
 プロジェクトはいわゆる「赤ちゃんポスト」のほか、「内密出産」や妊娠SOS相談といった3つの事業が計画されていて、いずれも来年度中の運用開始を目指しているということです。
 東京都で事業を行う意義について賛育会は、現在「赤ちゃんポスト」を設置している、熊本市の「慈恵病院」には関東地方から訪れる人も多いため必要性は高いとしています。
 一方で、実施に向けた課題もあります。預けられた子供の養育を将来どうするかや戸籍の作成、さらに出産前後の母親の支援体制をどうするかなど、行政側との連携が不可欠です。
また、子供自身の「出自を知る権利」も課題とされています。
 熊本市の「慈恵病院」ではいわゆる「赤ちゃんポスト」に加え、2019年に「内密出産」を独自に導入していますが、預けられたり「内密出産」で生まれたりした子供の出自情報の開示をどのようにしていくか、熊本市と共同で検討を進めています。

 2023年9月29日(金)

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■水俣病訴訟、救済法対象外の原告全員を水俣病と認定 大阪地裁 [健康ダイジェスト]

 水俣病の未認定患者に一時金などを支給する水俣病被害者救済法で救済されないのは不当だとして、近畿など13府県に住む熊本県と鹿児島県出身の50~80歳代の128人が、国と熊本県、原因企業のチッソに1人当たり450万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、大阪地方裁判所でありました。
 達野ゆき裁判長は、原告全員の請求を認めて水俣病と認定し、国などに1人当たり275万円、合わせて約3億5000万円の賠償を命じました。このうち6人については、国と熊本県に責任が生じる1960年1月より前にメチル水銀を摂取していたとして、チッソにのみ賠償を命じました。
 救済法で対象外とされた未認定患者らの集団訴訟は熊本地裁で約1400人、東京地裁で約80人、新潟地裁(原因企業は昭和電工)で約150人が係争中。大阪地裁の判決が初の司法判断となりました。原告らを幅広く水俣病と認め、救済法の運用見直しを迫る形となりました。
 水俣病は1956年に公式確認された公害病で、熊本県水俣市のチッソ水俣工場から不知火海(しらぬいかい)に排出されたメチル水銀に汚染された魚介類を食べた住民らが発症しました。その後、進められた被害者の救済について、最終解決を図る目的で2009年に施行されたのが救済法です。
 救済法では、手足の感覚障害など一定の症状が認められた上、水俣湾を中心とする「熊本、鹿児島県の9市町」に居住歴があり、メチル水銀の排出が停止された翌年の1969年11月末までに生まれた人を対象としました。一時金210万円や医療費が支給され、申請は2012年7月末で締め切られました。
 大阪訴訟では、申請から漏れたり、期限を知らずに申請できなかったりした人が2014年9月以降、順次提訴しました。中学や高校卒業まで熊本県か鹿児島県で暮らし、汚染された魚介類を食べて感覚障害を発症したとし、精神的苦痛を受けたと主張しました。
 訴訟では、救済法が線引きする居住歴と年齢の妥当性のほか、不法行為から20年の経過で損害賠償の請求権が消滅する「除斥期間」が適用されるかどうかが争われました。

 2023年9月28日(木)

nice!(9)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■悪性度高い大腸がん、転移促進するタンパク質解明 京都大などの研究チーム [健康ダイジェスト]

 治療が難しく、転移しやすい高悪性度の大腸がんでは、がん細胞の周辺に多く含まれる特定のタンパク質が転移を促進していることを、京都大などの研究チームが突き止めました。このタンパク質は、骨髄で作られて腫瘍に集まる免疫細胞から多く分泌されていることも判明。このタンパク質の発生を抑えられれば、がんの転移を効果的に抑制する可能性があるとしています。論文は25日、イギリスの科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」電子版に掲載されました。
 このタンパク質は、悪性度の高い大腸がんのうち、がん細胞以外の「腫瘍間質」に多く含まれる「トロンボスポンジン1」(THBS1)。遺伝子操作でTHBS1を分泌しないようにしたマウスの大腸に、研究チームががん細胞を移植したところ、免疫細胞が活性化して転移が抑制され、生存期間が延びました。
 このマウスに、正常なマウスの骨髄細胞を移植したところ、THBS1が分泌されるようになり、再び転移が見られるようになりました。
 THBS1を作るのは骨髄でできる免疫細胞の一種で、大腸がんを取り巻く組織から出るケモカインという物質に反応して集まってくる一方で、がんを攻撃せず、逆に保護する動きをすることも判明。ケモカインの働きを抑える化合物を大腸がんのマウスに投与するとTHBS1が減り、がんの転移は大幅に抑えられました。
 研究チームの京都大大学院医学研究科、中西祐貴助教は、「大腸がんは転移すると生存率が低下する。THBS1を標的にした大腸がん治療法の開発だけでなく、ほかのがんの転移抑制にもつなげたい」と話しています。 
 大腸がんは国内では年間約15万人が新たに発症しています。内視鏡検査などで早期発見して取り除けば高い確率で治癒するものの、大腸がんの約2割は転移しやすいタイプとされ、治療の妨げになっています。

 2023年9月28日(木)

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:健康