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■ライバルや格言の利用法 [やる気を出す]

■元来、目で見るという行為自体が、集中力を増し、やる気を出す手段として、大いに有効なものなのである。■
 味覚、嗅覚、聴覚と同様、視覚を活用してやる気を喚起する方法もある。
 重要な会議が控えているとか、受験で面接試験があるなど、特に人前で話さなければならない時には、出掛ける前に、自分の姿を鏡に映すやる気喚起法が、効果を発揮するはずである。
 鏡に映る自分の情けない顔を目にすると、「そんなことでどうする。しっかりするんだ」と、自分で自分を元気づける気にもなってくる。
 その自分に対する元気づけ、勇気づけが、失敗への不安感や過度のマイナスの緊張を、「やってみるか」というプラスの緊張へと転換してくれるだろう。
 そして、自分の姿に力がみなぎってきたことを目で確認できた時、自信も生まれてくる。
 年配の男性の中には、「自分の顔や姿を眺めるのは、照れ臭い」という向きもあろうが、自宅の玄関に姿見を置いておいて、朝の出掛けなどに身なりを映してみるだけでも、十分効果はある。髪やネクタイでもちょっと直して、「さあ、やるぞ」と自分に声を掛けて、出勤するようにしてもいいだろう。
 同じ意味から、気に入っている自分の写真を常に持ち歩き、気分が乗らない時や、落ち込んでいる時に、取り出して眺めることも効果的。
 視覚的にやる気を出す手段は、長々と映し出されるビデオよりも、写真のほうが好ましい。喜んでいる自分や、自信がみなぎっている自分の一瞬を切り取っているのが写真だから、瞬間的に気分の高揚をはかり、緊張を呼び込むことが可能で、「これが本来の姿なのだ、太郎よ」と自らを激励し、やる気を出しやすいのである。
 自分の写真でなく、家族の写真などを元気の出る源、仕事の疲れを吹き飛ばし、発奮し直すシンボルの役割に利用してもよい。家族や恋人の顔を頭の中でイメージするだけでも、効果は認められるものだが、実際に写真や実物を見て視覚的に確認したほうが、より強い刺激となる。
 元来、目で見るという行為自体が、集中力を増し、やる気を出す手段として、大いに有効なものなのである。
■何か高級品を一つだけ持つという一点豪華主義も、自分に自信をつける方法として勧められる。■
 目で見ることができる小道具を用意する場合には、自分の「気」が和らぎ、元気が湧き出てくるようなものならば、何でもかまわない。
 恋人の写真や手紙、過去に楽しい思い出のあった品物を、机の引き出しの中に入れておき、集中力がなくなった時に取り出して見るのもいい。創造的な仕事に従事している人ならば、発想をかき立ててくれるような漫画のカットやイラスト、大草原を駆ける野生馬の群れのポスターなどを、壁に張っておいてもいいだろう。
 そのような物を見て、「よしやるぞ」と気合を入れ、やる気を出すようにしていけば、次第次第に、沈滞していた気分も盛り上がり、活力が湧き上がるような条件反射も起こってくる。
 この点、何か高級品を一つだけ持つという一点豪華主義も、自分に自信をつける方法として勧められる。
 誰でも洋服、ネクタイ、靴、指輪、ネックレスなど、何か一つくらいはいい物を持つことはできるはずで、自信を喪失しそうになった時に身に着けて、発奮し直すことができる。日常は縁のない高級な服を着た場合、人間は明らかに表情や動作が違ってくるもの。
 服に限らず、筆記具や腕時計、ライターなどの小道具でも、ただ着るため、使うためといった実用的な使い方だけではなく、自分自身に一種の気合を入れたり、プラスの心理効果をもたらす使い方もあるのである。
■尊敬できる人間、あこがれの人物がいたなら、その人の活躍している姿を見たり、思い出したりすることで、やる気を促すのもよい。■
 自分専用の写真や高級品を持つのもいいが、尊敬できる人間、あこがれの人物がいたなら、その人の活躍している姿を見たり、思い出したりすることで、やる気を促すのもよいだろう。
 今も昔も、野球選手、サッカー選手、プロレスラー、相撲取り、俳優、モデルなどスター、あるいはスーパースターという存在は、一般のファンにとっては尊敬、あこがれの対象という一面を持っているもの。こうしたスターでなくとも、身近に尊敬できる先輩や上司を見付けられれば、最善、最良かもしれない。
 仕事に気合が入らず、やる気が起きない時に、尊敬する人が働いている姿に接することによって、「自分も、もっと頑張らなくては」と意欲を新たにすることができる。
 そもそも、こうした尊敬される先輩や上司というものは、仕事ができる有能な人であることが多い。身近な存在なだけに、仕事ぶりを間近で観察することができる上、彼や彼女のまねをすることで、手際のいい仕事の進め方まで、知らず知らずのうちに身に着けられる。それがまた、自らの自信へとつながっていくだろう。
 運悪く尊敬できる先輩や上司が近くにいない場合には、立志伝中の人物を書物で探すという手段が、残されている。
 私の知人の場合は鎌倉時代の僧の日蓮や、江戸時代の副将軍の水戸黄門であったように、気に入った偉人、豪傑を選び出し、その人の生涯を徹底的に調べたらいい。
 危機に際して、どうしのいだか。失敗した時に、どう対処したか。落ち込んだ時には、どう立ち直ったか。自分の人生に照らし合わせてみると、大概、似たような困難な状況を通り抜けているはずで、その人の行動を手本にすればいい。
 偉人、豪傑と自分を同一化して見てみれば、自信もつくし、ファイトも出る。いつも手元にその伝記を置いておき、好きな文章を読み返すことで、やる気を呼び起こしてもいいだろう。
■やや実力が上と見なされる相手をライバルに据えれば、「負けたくない。負けるものか」と全力を尽くすから、仕事に身が入る。■
 ライバル、好敵手、よき競争相手を見付けて、自分に発破をかける手段に活用するのもいい。
 人間は誰でも、ライバル、好敵手が出現すると嫌でもやる気が出て、闘志に火が付く。彼や彼女だけには負けたくないと思い、負けた時の悔しさを予想して、自然と仕事や勉強に身が入るもの。
 ライバルは自然にできることもあるが、もしいなければ、自分で作り出せばいい。会社の同僚の中に、探してもいい。学生時代の友人で、今は別の会社に就職している相手を、標的に絞ってもいい。あるいは、全く別の分野で活躍している自分と同年配の人間を、勝手にライバルにしてもいいのである。
 また、ライバルというと、同年配で実力伯仲の相手を対象にしがちだろうが、決して拘泥する必要はない。同レベルの人間をライバルに選ぼうとすると、ついつい楽をしたい意識が勝ち、自分が勝てる可能性が高くて、やや安易な相手を想定しがち。
 やる気を出すには、そういう相手はふさわしくない。勝って当たり前の相手を対象にしたのでは、結局のところ、あまりやる気が出ないし、時に負けることがあったりすると、ひどいショックを受けかねない。
 自分より、やや実力が上と見なされる相手をライバルに据えれば、「負けたくない。負けるものか」と全力を尽くすから、仕事に身が入る。自分よりも現時点で上のレベル、なかなか勝てそうもない相手を選んでこそ、競い合い、さらに抜き去る気持ちが強まり、やる気も出るのである。
■自分自身を競争相手にすれば、どんな場所でも、どんな時でも、やる気を出すことができる。■
 他人と競争するのもいいが、いつもいつも他人とばかり張り合うのではなく、時には自分自身と競争するという方法もある。
 「彼に勝ちたい」というのは、どちらかというと周囲からの評価基準を重視したものであり、相手がいないと仕事への熱意が鈍ってしまいがちだ。いざ「気合を入れよう」と思っても、自分一人では入れられず、やる気が起こらないというのでは、真に心もとない。
 自分自身を競争相手にすれば、どんな場所でも、どんな時でも、やる気を出すことができる。
 別段、むずかしいことではない。ある仕事を五時間かけてやっていたとしたら、「明日からは、所要時間を三十分縮めてみよう」というような、今までの自分との競争でいいのである。
 つまるところ、人生は自分自身との闘いなのである。弱点、欠点を抱えた今の自分に対する競争心から、やる気を喚起するのが、最善、最良の方法ということになりそうだ。
 自分自身と競争しようとする人には、座右の銘を持つことがお勧め。
 世の中に、「継続は力なり」といった座右の銘を持っている人は多いもので、自分の好きな言葉、自分の信じる言葉が、気力がくじけそうになった時、まるでムチのように心に気合を入れてくれ、思いも掛けないやる気の起爆剤になってくれることがある。
 その言葉も、単に心で念じているのではなく、机の前に張り出したり、紙に書いて持ち歩くことで、よりいっそう心理的効果を高めてくれるものだ。
 例えば、ただ心の中で「必ず試験に合格してみせる」と決意していただけでは、自分を甘やかしてしまいやすいが、「必合格」と紙に書いて視覚化しておけば、見るたびにやる気が奮い起こされる。
 こういう座右の銘を壁に張っておく際には、言葉は語尾がはっきりとした、断定口調にするのがいい。強い断定口調は、自分に確信めいたものを与え、説得力につながっていく。
 この意味で、よく受験生の部屋の壁に「必勝」、「目指せ東大」などと書いた紙が張ってあるのは、やる気を鼓舞するための簡潔な言葉として、なかなか効果的な役割を果たしているはず。断定のもう一つの効用は、言葉が短くなり、一見して目に飛び込んでくるものになりやすいということだ。
 自分のやる気を喚起する言葉をいくつか持っていてもいいが、特別の一つを選んで集中したほうが、より効果は高い。




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■肉体の充実こそが根源 [やる気を出す]

■食事は腹八分目くらいにとどめておかないと、大事な仕事に臨んで、しくじることにもなりかねない。■
 ここまで、やる気を鼓舞するための各種の方法を述べてきたが、人間はいくらやる気を出そうとしても、肉体的条件が整っていなければ、意思だけではどうにもならぬことも、忘れないでもらいたい。
 「歯が痛い」、「目が悪い」、「頭痛がする」ような状態では、どうしてもやる気は半減してしまう。それほど、肉体と精神は密接に結び付いている。
 体調の悪い人に「身を入れて仕事をしろ」などと叱っても、それはもう仕事というよりも、難行苦行に近いものだろう。何はともあれ、病気や体の不調は治してしまう以外にないし、日常から自分の体調をよく心得て、肉体を十分に整えておくことも必要。
 どういう状態の時に、心身がすっきりして、仕事や勉強に打ち込めるかをつかんでおくことも、やる気を出す上で大切なのだ。
 悪い例を挙げれば、「腹も身の内」という暴飲暴食を戒める言葉を顧みず、「早飯も芸の内」とばかりに、よく噛みもせずに食事を詰め込むという人は、自分の体調のことを何も考えていない。
 満腹状態というのは、生理的欲求が満たされて、精神の活動が鈍くなっている状態でもあり、とても仕事に向かう瞬発力など生まれてこない。「では空腹がよいか」というと、これまた本能的に食餌(しょくじ)行動の欲求が起こり、集中力は出てこない。
 生理学的には、満腹時から空腹時に移る、程よいおなかのすき具合の時に、思考活動が高まるメカニズムになっている。食事は腹八分目くらいにとどめておかないと、大事な仕事に臨んで、しくじることにもなりかねない。
 そこで、食事の際には、適量の食べ物をよく噛んで食べることが、真に大切。よく噛めば、おのずと腹八分目の限度がわかってくる。腹八分、バランスのとれた物を少しずつ、食べることである。淡白に味をつけた小食をよく噛めば、真にそのものの味が出る。
 よく噛んで食べれば、腹いっぱい食物を押し込まずとも、少なめの量で栄養分が必要なだけ吸収されるものであるし、そのほうが胃に負担にならず無駄もないし、力も出るものである。
 加えて、よく噛んで食べれば、あごの筋肉の伸縮で大脳を刺激する信号が送られ、ストレス解消にも有効なのである。
■体調を整え、心身の健康を保つためには、夜は早く寝るということに理がある。心身が健康であれば、眠りは自然であり、自然な眠りによって健康も促進される。■
 私たち人間の頭脳について、朝起きてから二、三時間後くらいに活発に働き出すのが一般的だといわれるが、人それぞれの個人差もある。
 やる気の出やすいコンディションでいようと思うなら、起きてから何時間たてば、人の話を聞いたり、書類を見た時に正確に反応するかくらいは、自分で確かめておいたほうがいいだろう。
 会社によっては毎朝のように、朝礼があるところもあり、起き抜けで参加するのと、自分が一番いい状態で参加するのとでは、話を消化する量に大変な差が出てしまう。どうしても頭が働かないようなら、朝早く起きて軽い運動してから会社に出る、夜は絶対に十二時前に寝るなど、ライフスタイルを変えていく必要もあろう。
 ともかく、体調を整え、心身の健康を保つためには、夜は早く寝るということに理がある。心身が健康であれば、眠りは自然であり、自然な眠りによって健康も促進される。
 本来、夜は仕事をしないで体を休め、宇宙天地大自然に生かされているという自然の順序に任せて生きれば、誰でも、日が暮れたという宇宙の構造、仕組みからいって、眠気を催すのが当然である。眠気がきたら、その眠気がゆきすぎないうちに、その眠気に乗って眠る。これは、宇宙からのお誘いであると考えなければならない。
 眠りの時間は、生かしてくれるほうの親船である宇宙全体生命の中に融け込めば、一切の精神的な悩みも、肉体的な疲れも、みなこの中でゼロにしてくれる大変な時間なのである。
 人間が自分の努力で、精神的な悩みや苦しみ、沈んだ気持ちを転換しようとしても、簡単に自分で自分の気分を転換することはできない。その時に眠ることができたら、いっぺんに気分は転換する。だから、眠れないという人は、一番気の毒である。
 おなかがすいていれば食べ物がうまいように、眠れない人は昼間、懸命に働くことである。運動をすることである。疲れるまで体を使わなくてはいけない。
 「熟睡できないから」といって、睡眠薬や寝酒に頼っては、自然な眠りは得られない。習慣化すれば、体にも悪い。要するに、眠りの質が問題なのである。
■一カ月の三十日前後を幾日、理想的に眠れたかということで、その人の人生の勝負は決まる。その人のやる気や、価値や、幸福の度合いが決まる。■
 現代の日本では、人々の眠りの質が悪化する一方であり、不眠症の悩みを抱えている人々も多いようである。そこで、いくつか、不眠症の克服法を紹介しよう。
 食事の時間帯と量に、問題はないだろうか。就寝前に食べたり、食べすぎたりするのは、眠りの妨げになる。食事時間を早くするか、夕食を軽めにして朝食の量を増やす配慮が、ぜひ必要である。
 しかし、あまり空腹でも眠れないもの。その時は、温かい牛乳を飲むといい。牛乳には、神経の興奮を静めるカルシウムが豊富で、消化が早く、吸収率が高いという長所がある。牛乳中に含まれるトリプトファンというアミノ酸が、脳睡眠中枢を刺激して、自然に眠りを誘うという働きもある。
 次には、テレビや刺激的な音楽、読書なども、就寝の二時間前には避けるようにする。音楽は静かで、ゆったりした曲で、心が安らぐなら効果的。
 神経が高ぶり、どのように工夫しても眠れない夜には、無理に寝ようとせず、寝床の中で体を休めていればよい。仕事内容が精神労働のほうに片寄っていて、肉体が眠りを必要とせず、精神だけが疲労していると、眠いようで眠れないという現象が起こることもあるのだ。
 この時は、腹式呼吸、丹田呼吸が役立つ。息を腹から出すつもりで、ゆっくり、ゆっくり吐いていると眠れる。静かに瞑想するのも効果的である。
 夜は何を置いても、どんなに忙しくても、眠ることである。一カ月の三十日前後を幾日、理想的に眠れたかということで、その人の人生の勝負は決まる。その人のやる気や、価値や、幸福の度合いが決まる。これは、人生において最も基本的な重大問題である。
 ビジネスマンの場合、「とりわけ日曜日の夜が寝付けない」という調査結果も、見聞するところ。明日からの仕事を考える精神的重圧が災いしてのことであり、家庭で体を休めたはずの翌日、月曜日の集中度が、それほど高くなっていないのである。
 ビジネスマンの一週間の集中度調査によると、火曜日を最高に週末に向けて下がっていき、休みの前日になると少し元気を取り戻すという結果が出ている。
 ならば、仕事で大事な人に会う時のアポイントは、月曜よりも火曜に設定したほうがよいということになる。元気が回復する週末に、会う約束を設定するのもいい。
 では、「集中力や元気が出ない日には、どう対処すればいいのか」というと、歩くという簡単な運動を実行すればいい。先にも述べたように、朝や昼休みを利用して十五分ほど歩くことは、大脳に刺激を与え、全身の細胞を活性化し、気持ちを新鮮にさせるもので、やる気の出やすい肉体的環境を作るのに適している。




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■昼寝のリフレッシュ効果 [やる気を出す]

■■いつでも仰向けの大の字に体を投げ出し、体の中の圧力を大きな息で吐き出せば、たちどころに活力がよみがえる。■■
 昼寝も、集中力などのアップに貢献してくれる。近年、社員に昼寝を勧めている会社があるように、十分程度の仮眠でも、際立ったリフレッシュ効果が認められる。
 昼休みのオフィスを訪れると、昼食をとりながら書類に目を通している人がいるのも、決して珍しい風景ではない。食事に専念できないような人は、気分を一新して効率を高める、せっかくのリフレッシュの機会をわざわざ、放棄しているのに等しい。貴重な昼休みの時間をもっと、気分転換に活用しなければ、真に損である。
 一説によると、人間の注意力集中の最高限度は二十五分間だという。そうすると、二時間も三時間も集中して仕事をしなければならない場合には、時々、気分転換をはかり、肉体と精神のゆとりを持つことが、必要となってくるだろう。
 新鮮な気持ちで仕事を再開すれば、普通よりも上手に、時間もかからないでできることは、自明の理である。しかも、このような気分転換に必要な時間は、決して長い時間が必要なわけではなく、わずか五分か十分の時間を必要とするだけである。
 そこで、会社などで疲れた時に、くつろぎの姿で体を投げ出す、いわば、ごろ寝リラックス法といえるものを実行してもらいたい。
 ビジネスマンなら昼食時の休憩時間に、しっかりと食事を味わった後、仰向けに寝られる場所、例えば屋上の日の当たるところにビニールでも敷いて、ちょっと体を投げ出すのがよい。そのまま、息と呼吸をつないで、五分、十分、十五分、深呼吸をすれば、午前中の心と体の疲れ、緊張はみなとれてしまう。疲れをエネルギーに変換して、もう一度働く力とすることができる。
 家庭の主婦ならば、「少し疲れたな」と感じた時など、いつでも仰向けの大の字に体を投げ出し、体の中の圧力を大きな息で吐き出せば、たちどころに活力がよみがえる。心気は一転し、元気回復するだろう。
 この、ごろ寝リラックス法においては、体を投げ出して、そのまま眠ってもよい。昼食後、十分でも、二、三十分でも眠れば、一日が二日の価値になる。
 睡眠生理学的にいっても、二十分から三十分くらいの短時間の眠りは、体まで眠る深い眠りにはならない。大脳だけを休める睡眠だから、あまり夜の睡眠のじゃまにもならない。しかも、効率よく体の疲れをとり、自律神経の乱れを調整していくことが可能なのである。
■考えあぐねて壁に突き当たった際は、意識的にウトウトして、右脳で発想の転換をするのも、一つの方法である。寝た後は、よい企画が浮かびやすい。■
 ごろ寝は、罪悪ではない。昼寝も、決して罪悪ではない。『健康創造塾』を訪れられた方の中には、奇妙な弁のように思い、怠惰を奨励している不届き者と見なす方がおられるかもしれないが、アメリカの発明家・企業家として名高いエジソンに代表されるように、昔から立派な仕事をした人々には、居眠りの名人が多いのである。
 「昼食後の三十分の昼寝は、夜間の三時間の睡眠にも比肩する」といっている人もいる通りで、昼寝、居眠りは気分転換の特効薬といえよう。その上、脳の疲れを解消くれる大切な行為なわけである。
 仕事をしている際には、左脳を使うもの。寝ている際には、右脳の働きが相対的に活発になるもの。ウトウトしている状態などは、レム睡眠ではないのだが、夢と同じようなものを見る。ウトウトすると、右脳より先に左脳が休んでしまうからである。こうして右脳を使うと、直観、ひらめきが出てくることもある。
 考えあぐねて壁に突き当たった際は、意識的にウトウトして、右脳で発想の転換をするのも、一つの方法である。寝た後は、よい企画が浮かびやすいから、企業はもっと仮眠室を設けるべきだろう。
 果報を得んとする者は、まず体を投げ出して寝、自然に湧いてくる力の発動を待て、ということである。
 十分間、十五分間の眠りでも、すっきり頭がさえ、はっきり体が澄んで元気になるから、やる気も出る。勉強中でも、家事の最中でも、椅子などに寄り掛かって居眠りするより、体を投げ出して寝るがよい。体には、睡眠以上の妙薬はない。
 眠りを通して得られるリラックスは、生まれ変わることである。その時まで身に着けていた心の垢(あか)を洗い流して、意識や感情のしこりやこだわりをほぐして、吐き出し、生まれた時のままの自然作用、自然感覚、自然機能をよみがえらせ、そこから再出発すること。これが、リラックスの真意である。
 人間が意識でばかり物事を見ると、宇宙天地大自然の他力である「気」が、働いてくれない。大切な他力である「気」で生きることを知らない人は、自分の心が思うようにゆかないから、じりじり、いらいらする。じりじり、いらいらするということは、意識から感情になってくることで、決して人間の本質からのものではない。しかし、そういうことを繰り返していると習性となるから、注意せねばならない。
■呼吸は自律機能なので、放っておいても必要なだけ自然に呼吸するが、他の自律機能と比べて、意識によって大幅に操作できる。■
 じりじり、いらいらして頭に血が上った時には、息を吐くことを勧めたい。何か失敗して興奮した時にも、息を吐けばよい。
 人間は何か失敗をすると、必要以上に落ち込むか、気合が空回りして、一種の興奮状態になってしまう。もちろん、どちらの精神状態も次に何か事をやろうという時に、障害になってくる。
 やる気の高さは高すぎても、低すぎても駄目で、適正レベルにある時が、最も力を発揮できるのである。
 「ここ一番、さあ本番だ」という時に及んで、過度の緊張状態に陥ったならば、能力が最大限に発揮される適正レベルまで、緊張度や興奮度を下げてやらなければならない。そのための有効な方法が、呼吸法なのだ。
 人間誰もが日常的に経験しているはずだが、緊張すると生理的に呼吸が浅くなる。これを解消するために、ほとんど無意識のうちに深呼吸をしているのであり、もっと意図的に行えば、精神の緊張や興奮を調整できるようになってくる。
 精神をリラックスさせる代表的な方法として、西洋には自律訓練法があり、東洋には丹田呼吸法がある。両者に共通しているのは、深く、ゆっくり呼吸する点である。
 東洋の丹田呼吸法というのは、腹式呼吸法の一種で、坐禅の呼吸法の一つ。深く息を吸い込み、止める。少ししてから、ゆっくり吐き出す。吐き出す際には、「息は胸からでなく、腹からの排出である」と、素直に錯覚できるようになると理想的。排出する時、臍下丹田に力がこもると、快感を伴う。
 私たち人間の体は、炭酸ガスが多いところに苦痛を感じるようにできているために、丹田の力で下腹の血液が絞られて心臓にゆき、肺に送られて二酸化炭素を放出すると、一挙にガスが少なくなり、苦痛がなくなって、これが快感につながるのである。
 西洋の自律訓練法のほうは、目を閉じて深呼吸をしながら、「自分は気持ちが落ち着いている」と言い聞かせることによって、自分をコントロールしていく方法である。
 いずれの方法でも、自律神経の活動が正常になり、過度の緊張、興奮がほぐれてくる。呼吸は自律機能なので、放っておいても必要なだけ自然に呼吸するが、他の自律機能と比べて、意識によって大幅に操作できるものでもある。
 空手などの武道で、修行の開始前に正座して呼吸を整えるのも、肉体や精神をコントロールするためである。
■「ここで心を落ち着かせよう」とするには、息を吐いて、体内の圧力をなくせばよいのである。吐いたり、吸ったり自由に息ができないと、気詰まりがする。■
 ここ一番の大事な場面では、自分でも気が付かないうちに呼吸に変化が起きている。過度の緊張から呼吸が速く、浅くなり、のどが詰まったような状態になる。出る息は、一分間一リットルにも満たない。入る息も少ないのは、当然である。
 極端に浅い呼吸では、出る息、入る息とも少量だから、二酸化炭素の体外排除が少なく、同時に血中酸素も減少する。こうした血液の状態では、脳細胞の働きは低下し、考え方も不健全に陥りやすい。血中酸素の欠乏は、脳細胞にとっては危険でさえある。
 そういう時には、深呼吸をする習慣を付けること。呼吸を意図的にゆっくり、深く行うことで、緊張を解いていくのである。深呼吸で何回も、何回も大きな息を吐いて、心を平らかにすればよい。
 苦しい時や悲しい時にも、大きくため息をすれば、気持ちが楽になる。頭の圧力、胸の圧力、上半身の圧力をみな、ため息とともに体外に吐き出してしまうから、心が落ち着くのである。
 宇宙天地大自然の他力である「気」というものも、人間の下半身から上半身に上ってくるものだから、上半身を空虚にしておかねばならない。息を吐いて、吐いて、吐き抜けば、胸が真空になる。頭が軽くなる。心が落ち着く。「ここで心を落ち着かせよう」とするには、息を吐いて、体内の圧力をなくせばよい。
 吐いたり、吸ったり自由に息ができないと、気詰まりがする。やる気の「気」が、下半身から発動しない。息を吐いて、心身の体調を整え、楽に楽しく前向きに、人生を生きようではないか。




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