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■ニコチンガムやパッチに禁煙補助の効果なし 米の研究 [健康ダイジェスト]

 禁煙を容易に行うためのニコチン置換療法で使用するニコチンガムやニコチンパッチ、ニコチンスプレーは、長期的に見て、独自に禁煙を試みる場合と同程度の効果しかないとする論文が、9日の英専門誌「タバココントロール」に掲載されました。
 掲載された論文によると、米ハーバード公衆衛生大学院の研究チームが、最近タバコをやめたマサチューセッツ州の成人787人を対象に、2001~02年、2003~2004年、2005~2006年の3回に渡って禁煙状況を追跡調査した結果、禁煙失敗率はニコチン置換療法(Nicotine Replacement Therapy = NRT)を受けた人では全体の約3分の1で、ニコチン置換療法を受けなかった場合とほぼ同じであることがわかりました。
 また、ヘビースモーカーでは、専門医の補助なしにニコチン置換療法を受けた場合の禁煙失敗率が、ニコチン置換療法を受けなかった場合の2倍であることも明らかになりました。この理由については、「ヘビースモーカーはニコチン置換療法を魔法の薬のようなものだと考えがちだ。そうではなかったと気付いた時には、禁煙をサポートしてくれる者が周りにおらず、結局失敗に終わってしまう」と説明しています。
 研究では、8週間というニコチン置換療法の推奨期間を守っている人がごく少数で、大多数の人は8週間未満でニコチン置換療法を終えていたこともわかりました。
 これまでの無作為化比較研究では、ニコチン置換療法は禁煙補助に効果的という結果が示されてきました。研究チームは今回の結果について、これまでの比較研究が一般の人が実生活を送るという設定においては不十分であることを示していると主張しています。
 ニコチン置換療法は、タバコ以外の方法で体内にニコチンを補充し、禁煙し始めた時に出るタバコを吸いたい、イライラする、眠いなどの離脱症状を一時的に軽減し、禁煙を容易にする方法です。喫煙によりニコチンを摂取した場合はニコチンは肺からも吸収され、即座に脳に到達しますが、ニコチン置換療法では喫煙時に比べて吸収速度が緩やかで、離脱症状を緩和するのに必要な治療域をカバーする程度の血中濃度を維持するよう設計されている、とされています。

 2012年1月12日(木)




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