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■新しい出生前検査、医療機関が開始を延期 学会の要請に応じる [健康ダイジェスト]

 妊婦の血液で胎児のダウン症が高精度で分かる新しい出生前検査について、国立成育医療研究センターなどの医療機関は、早くとも11月中旬以降に開始する方針だと発表しました。
 アメリカ生まれの新しい出生前検査の導入に当たっては、東京都の国立成育医療研究センターと昭和大の医師が発起人になり、北海道大、宮城県立こども病院、東京大、慈恵医大、横浜市大、名古屋市大、兵庫医大、呉医療センター、長崎大、鹿児島大の、全国12医療機関の医師で研究組織が発足。臨床研究に向けた動きが始まっています。
 これに対して、日本産科婦人科学会は、学会で作成を進めている検査に関する指針が完成するまで、検査の実施を自粛してほしいという考えを示し、医療機関側は応じる方針を明らかにしました。
 日本産科婦人科学会は新しい出生前検査について、妊婦の血液を調べるだけで胎児にダウン症など3種類の染色体の異常があるか99パーセントの確率で判定できるとされるものの、すべての妊婦を対象にすると、誤って異常と判定する頻度が高まり精度が大幅に落ちてしまうと指摘。
 そして、検討中の指針では、診断を確定するには従来の羊水検査などを改めて受ける必要があることや、対象となる妊婦の年齢などを示したいと説明しています。
 学会は早ければ12月15日に、検査の対象者やカウンセリング態勢を定めた指針を作る方針で、11月13日にはダウン症などの患者団体や一般の人に参加を呼び掛けて公開シンポジウムを開き、外部の専門家を交えた検討委員会で策定中の検査に関する指針の骨格を示して意見を募ることにしています。
 学会の小西郁生理事長は、「限界についても正確にカウンセリングして冷静に受けてもらう必要がある。染色体異常がある子供が生まれた場合、社会は尊重し支援する必要もある」と述べた上、「強制力はないが、シンポジウム開催後か、指針ができるまでは検査を始めないよう(医療機関に)要請し、了承を得た」と述べました。
 医療機関の検査の開始は当初「9月にも」と伝えられていましたが、早くとも11月中旬以降にずれこむ見通しです。
 新しい出生前検査は子宮に針を刺す羊水検査などと違って、流産の恐れが全くなく、負担も小さいため、急速に普及する可能性があります。背景には、染色体異常の頻度が上がる35歳以上の高齢出産の増加もあります。一方、判定の結果によっては人工妊娠中絶につながる恐れがあります。

 2012年10月9日(火)




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