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■iPS細胞の心筋培養で新技術 慶大などが発見 [健康ダイジェスト]

 さまざまな体の組織になり得るヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)などから、心筋細胞を従来より効率よく低コストで大量に作製する方法を、慶応大と医薬品開発会社アスビオファーマ(神戸市)のグループが見付けました。米科学誌「セル・ステムセル」の電子版に、16日付で発表しました。
 重い心臓病を治療する再生医療用の細胞作製法として有望といいます。
 慶応大の福田恵一教授(循環器内科)と同社の服部文幸主任研究員らは以前、心筋細胞に多い細胞内小器官「ミトコンドリア」を目印に、他の細胞の中から心筋細胞をふるい分ける方法を発見。今回はそれを応用しました。
 他の細胞がブドウ糖(グルコース)を栄養とするのに対し、心筋細胞はミトコンドリア内の化学反応が主な栄養源で、ブドウ糖が不要とわかりました。そこで、iPS細胞やES細胞(胚性幹細胞)を育てるのに、途中からブドウ糖を取り除き、代わりに乳酸を加えた安価な培養液を使ったところ、純度98パーセントの心筋だけが生き残りました。
 がん化につながるiPS細胞やES細胞もほぼ残らず、この方法で心筋細胞を作ってサルの心臓に移植しても、がんになりませんでした。
 iPS細胞の実用化に当たっては、作製した細胞にほかの種類の細胞が混じらないようにする必要がありますが、今回の方法は、これまでよりもコストを抑えて、心筋細胞を効率よく確保できると期待されています。
 福田教授は、「細胞をふるい分ける高価な機械が不要になるのも利点。極めて単純な方法なので、心臓の再生医療が大きく前進するのではないか」と話しています。

 2012年11月17日(土)




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