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■脊髄損傷の新治療法、慶大が臨床試験開始へ 薬の投与で細胞再生効果に期待 [健康ダイジェスト]

 交通事故などで脊髄が傷付いた患者に、神経を再生する働きのある新しい治療薬を投与し、その回復を図る初めての臨床試験を、慶応大学などの研究チームが6月下旬から始めると発表しました。
 臨床試験を始めるのは、慶応大学の中村雅也准教授(整形外科学)らの研究チームで、バイオベンチャー企業のクリングルファーマ(大阪府)と共同で行います。
 対象となるのは、交通事故やスポーツ外傷などで首の脊髄が傷付いて78時間以内の急性期で、比較的症状の重い患者。神経細胞を保護し、再生を促す働きのある「HGF(肝細胞増殖因子)」と呼ばれるタンパク質から作った薬を、腰から脊髄の周りの髄液内に5回注射し、リハビリなども実施して、半年後に手足の働きの改善の程度を調べます。
 国内では毎年およそ5000人が新たに脊髄損傷になっているとされますが、リハビリ以外に有効な治療法はなく、薬による治療が期待されています。
 HGFは血液中にあり、肝臓などの細胞を修復、再生させる力があります。神経細胞に直接作用し、細胞死を抑えるほか、血管を作ったり、細胞を再生したりする働きも期待できるといいます。
 これまでの脊髄を損傷させたサルの一種マーモセットを使った実験では、HGFを投与して8週間後に手で物をつかめるようになるなど運動機能の回復が見られたということで、研究チームでは今後2年ほどの間に、20歳以上75歳未満の48人の患者に対して、臨床試験を行いたいとしています。
 慶応大学の中村准教授は、「動物の実験では、かなりの手足のまひがあっても治療を行うと動き回れるまでになる。同じような効果があれば、重い脊髄損傷で寝たきりに近いような人が自分の足で立ったり、動かなかった手が動くようになる可能性もある」と話しています。

 2014年6月19日(木) 

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