■用語 精子膿症 [用語(せ)]
精液の中に多数の白血球が混ざっている状態で、精液が黄色く変色
精子膿症(のうしょう)とは、精液1mlの中に、血液の細胞成分である白血球が10万個以上混ざっている状態。膿(のう)精液症とも呼ばれます。
精液は約9割を占める液体成分の精漿(せいしょう)と細胞成分である精子によって構成されており、通常は赤血球や白血球などの血液の細胞成分は混入しないように作られています。精液の中に白血球が混ざると、精液が黄色く変色します。また、精子の運動率が著しく低下し、日常生活におけるパートナーの妊娠率が低下します。
精子無力症を合併しているケースでは、男性不妊症につながることもあります。さらに、白血球から分泌される炎症物質によって、精子頭部に含有されているDNAがダメージを受け、妊娠しても流産の原因になることもあります。
精子膿症になる原因は、クラミジアという微生物や、大腸菌、結核菌などの細菌への感染による精嚢腺(せいのうせん)、前立腺(ぜんりつせん)、尿道、精路などの炎症が一般的で、防衛機能である白血球が増加して精液の中に混ざることになります。
性交渉でクラミジアに感染した場合は、精子膿症を起こすとともに、初期の段階で排尿痛、残尿感、違和感を感じることがあり、さらに進行すると、精巣(睾丸〔こうがん〕)がはれたり、熱が出たりします。
細菌への感染による炎症は自然治癒することもありますが、精路全体が炎症を起こしている場合などは完治までに非常に長い時間がかかります。
精液が黄色く変色したまま放置していると、精子の運動能力が悪化していき、精子無力症を合併することもありますので、泌尿器科を受診することが勧められます。クラミジアに感染した場合は、パートナーも感染している可能性もあるため、一緒に受診することが勧められます。
精子膿症の検査と診断と治療
泌尿器科の医師による診断では、精液検査を行い、射出精液内に混入している白血球の程度を調べます。
泌尿器科の医師による治療では、抗生物質を1~2週間処方して、精子膿症の原因となる感染症による炎症を抑え、精液検査で精液の所見が改善したかどうかを確認します。尿道、精路などに洗浄液を通して洗浄することもあります。
ほかに不妊原因がない場合は、精液に混ざっている白血球の数値が正常値に戻れば、パートナーの自然妊娠も可能となります。
精液を検査して白血球の混入が著しい場合、精液を洗浄して人工授精や体外受精をする方法も行われますが、精子の運動能力が著しく悪化していて、胚盤胞(はいばんほう)と呼ばれる着床前の状態への到達率も低いので、受精率は非常に低くなります。
タグ:アンドロゲン不応症 精子膿症 精子死滅症 早漏 用語(せ) 用語(さ行) 用語 単純性疱疹(単純性ヘルペス) 勃起障害(ED) 性器ヘルペス症 セックス依存症(性依存症) 亀頭包皮炎 精巣腫瘍(睾丸腫瘍) 陰茎がん 血精液症 精巣炎(睾丸炎) 急性精巣上体炎(急性副睾丸炎) 慢性精巣上体炎(慢性副睾丸炎) 精巣上体炎(副睾丸炎) 精巣捻転症(精索捻転症) 精液瘤(精液嚢腫) 陰嚢水腫(陰嚢水瘤) 遺精 尖圭コンジローム 持続勃起症 前立腺結石 無精子症 副腎性器症候群 性腺機能低下症 精巣性女性化症候群 性交不能症 乏精子症 陰茎腫瘍 ペロニー病(陰茎形成性硬結症) 陰茎湾曲症 陰茎折症 仮性半陰陽 真性半陰陽 男性仮性半陰陽 移動性精巣 遊走精巣 逆行性射精 性器クラミジア感染症 カンジダ性亀頭包皮炎 ムンプス精巣炎 ウイルス性いぼ ボーエン様丘疹症 精子無力症 陰茎海綿体炎 慢性陰茎海綿体炎 性病 包茎 インポテンツ 半陰陽 停留精巣 前立腺炎 前立腺がん 軟性下疳 前立腺肥大症 精索静脈瘤 クラミジア感染症 性感染症(STD)
コメント 0