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■動脈硬化症、善玉コレステロールが悪玉になる仕組みを解明 神戸大学 [健康ダイジェスト]

 心臓病などの予防効果があり「善玉コレステロール」と呼ばれる脂質粒子「高比重リポ蛋白質(HDL)」が、動脈硬化症患者の体内では抗炎症機能が低下し、反対に「悪玉コレステロール」と呼ばれる脂質粒子「低比重リポ蛋白質(LDL)」となるメカニズムを、神戸大学大学院医学研究科疫学分野の篠原正和准教授らの研究チームが明らかにしました。
 動脈硬化症だけでなく、炎症が原因とされる生活習慣病やがんの新たな予防・治療法の開発につながると期待されます。研究成果は、イギリスの科学雑誌「サイエンティフィック・リポート」オンライン版に掲載されました。
 HDLは、体内から余ったコレステロールを肝臓に送り返します。コレステロールが血管の内壁にたまると心筋梗塞や脳卒中の恐れもあるため、HDLは「善玉コレステロール」と呼ばれています。
 研究チームは、健康な人と動脈硬化症患者の血液を比較分析。超遠心分離法でHDLを取り出し、免疫細胞「マクロファージ」に接触させました。
 その結果、健康な人のHDLはマクロファージに取り込まれ、炎症を起こす「炎症性物質」の発生を抑制。血管にコレステロールがたまりやすくする炎症を出にくくしていました。一方、動脈硬化症患者のHDLは、自らが生み出す炎症性物質が悪さをしてマクロファージに取り込まれなくなり、炎症性物質の発生が続いていました。
 篠原准教授は、「悪さをする炎症性物質がHDLから出てくることで、生体を防御する“掃除役”のマクロファージが、炎症を強くしてしまう悪循環」と解説し、「炎症性物質をブロックする薬を応用すれば、HDL本来の抗炎症作用が取り戻せるはず」としています。

 2017年11月28日(火)

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