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■厚労省、アレルギーの病気克服へ初の提言 患者数を10%減らし、死亡する患者をゼロに [健康ダイジェスト]

 アトピー性皮膚炎や花粉症など、国民の半数が発症しているとされるアレルギーの病気を克服するため、今後10年間の研究の方向性を示した初めての提言を厚生労働省の特別研究班がまとめました。
 アレルギー患者の数を10%減らすことなどを目標に掲げており、厚労省はこれを基に検討を進めて、秋ごろをめどに具体的な戦略を決め、来年度から取り組みを始めることにしています。
 アレルギーは、体内に入り込んだ異物に免疫が過剰に反応することで起きる症状で、アトピー性皮膚炎や花粉症、食物アレルギーなど、国内の患者は2人に1人と急増しているとされ、日常生活に影響が出たり、場合によっては死亡したりするケースもあります。
 今回の提言の中では、アレルギーのメカニズムを解明して、予防や治療につなげるなどの「基盤研究開発」や、年齢によって症状が異なるアレルギーの特徴に合わせた診断や治療法を開発するなどの「重点研究開発」、それに患者の意見を取り入れて効果的に研究を推進するなどの「横断研究開発」の3つの柱を掲げています。
 そして、10年間で遺伝子や生活環境なども考慮した患者一人一人に合った医療を実現し、患者の数を10%減らすことや、食品や医薬品を原因として重いアレルギー症状を起こすなどして死亡する患者をゼロにすることを目指すとしています。
 研究班の代表を務める東京慈恵会医科大学の玉利真由美教授は、「アレルギーで悩む人は増えていて、今後10年をかけて、患者たちに研究成果が届く仕組みを作っていく必要がある」と話しています。
 厚労省の専門委員会が、2005年にまとめた報告書では、日本人の3人に1人ほどが、何らかのアレルギーを発症していると報告されていますが、2011年の報告では、およそ2人に1人と報告され、アレルギーの患者は急増しています。
 スギ花粉症を含むアレルギー性鼻炎は、国民の40%以上が発症していると考えられるとしているほか、アトピー性皮膚炎は小学生までの子供の12%前後が発症しており、食物アレルギーは乳幼児の5%から10%で症状がみられるとしています。
 また、最近ではあらゆる年齢層で重症の患者が増え、一般的には大人になると症状が緩和するケースが多いとされる食物アレルギーを大人になってから発症する人や、原因がよくわからないまま全身のアレルギー症状に悩む人など、患者の症状も多様化していると報告されています。そして、食品や医薬品を原因とした重いアレルギーの症状で、2013年までの10年余りでは、毎年30人前後の患者が死亡しています。
 厚労省は2015年に「アレルギー疾患対策基本法」を施行し、総合的な対策を推進しています。この法律に基づく基本指針に従って、昨年7月、地域にかかわらず、すべての患者が適切な治療を受けられるよう、アレルギー診療の拠点病院を設置して、医療体制を整備することを各都道府県知事に求めています。
 また、この基本指針では、アレルギー研究の中長期的な戦略の策定について検討を行うことも盛り込まれており、厚労省は今回の提言を基に、アレルギーや免疫に関係する病気について検討を進めて、具体的な戦略を策定します。

 2018年6月26日(火)

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