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■厚労省、がん新療法の薬を承認 楽天メディカルが世界初の光免疫療法を実用化 [健康ダイジェスト]

 楽天グループの楽天メディカル(アメリカ・カリフォルニア州)は25日、「光免疫療法」と呼ぶ新たながん治療で使う薬剤について、厚生労働省から製造販売の承認を得たと発表しました。 
 光免疫療法は手術、放射線、抗がん剤、がん免疫薬に続く「第5の治療法」として注目され、新薬の承認は世界初。従来の治療が効かない頭頸部(とうけいぶ)がんの患者を対象に実用化されます。
 承認された薬剤は、光免疫療法で使う「セツキシマブ サロタロカンナトリウム」(製品名はアキャルックス)。
 薬は、がん患者に点滴で投与すると、がん細胞に結び付き、その後、体の外から近赤外線のレーザー光を当てると薬が活性化され、がん細胞が破壊される仕組みだということで、国内やアメリカで行われた治験で安全性や一定の有効性が確認されたということです。
 がんの表面のタンパク質にくっ付く性質があり、患者に投与した後でレーザー光を当てると、化学反応を起こし、がん細胞をピンポイントで破壊する仕組みです。
 厚労省は、再発したり、切除が不能だったりする局所の頭頸部がんを対象に承認しました。
 楽天メディカルの日本法人が今年3月、承認を申請しました。厚労省は2019年、光免疫療法の医薬品を世界に先駆けて日本で承認するスピード審査制度の対象に指定していました。また、通常は3段階の臨床試験(治験)が必要ですが、今年、最終のフェーズ3の治験結果を待たずに承認を受ける特例制度も適用しました。
 重篤で有効な治療法が少ない病気の治療薬として、年内にも薬価が決まり、公的医療保険が適用される見通し。
 一方で、楽天メディカルは市販後も、有効性や安全性の詳しいデータを報告する必要があります。これらの条件を満たせなければ、新薬の承認が取り消される可能性もあります。
 光免疫療法はアメリカの国立衛生研究所(NIH)でがんを研究する小林久隆氏が開発した療法で、2015年にアメリカで治験を始めました。アメリカでのフェーズ2の治験では4割強の患者で、がん細胞が小さくなったり、消えたりする効果がありました。
 光免疫療法に使うレーザーシステムも9月2日に、厚労省から製造販売の承認を得ました。楽天メディカルは今後、国内外の医療機関などと連携し、頭頸部がん以外への応用の研究も進めます。

 2020年9月26日(土)

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