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■アルツハイマー病を早期発見できる手法を考案 鳥取大助教ら、痛みなく脳を刺激し伝達機能調べる [健康ダイジェスト]

 鳥取大病院(鳥取県米子市)の村上丈伸助教(脳神経内科学)らが、脳の働きを弱めると考えられている異常タンパク質「アミロイドベータ (Aβ)」の蓄積を従来の方法に比べ痛みを伴わずに検査でき、アルツハイマー病を早期発見できる手法を考案しました。Aβはアルツハイマー病の発症10~15年前から脳内に蓄積することから、病気の早期発見・治療につなげられるといいます。
 日本WHO協会(大阪市)によると、認知症の患者数は世界で約5500万人。そのうちアルツハイマー病は約7割を占めます。
 アルツハイマー病は、まず、蓄積したAβによって脳内のタンパク質「タウタンパク」が変化し、リン酸化して有毒となったタウタンパクが脳神経細胞を死滅させ、脳が萎縮(いしゅく)して認知機能が低下します。
 村上助教は、神経細胞間で情報を伝達し、記憶を定着させる「長期増強」といった現象を、これらの異常タンパク質が阻害することに着目。痛みを伴わず脳内に弱い電流を起こして長期増強を誘発する「経頭蓋磁気刺激法」という手法を用い、異常タンパク質の有無による伝達機能の差を調べました。
 調査では、軽い物忘れの症状を訴える患者26人の異常タンパク質の蓄積の有無を検査。それぞれの左頭部に刺激を加え、左大脳がつかさどる右手の筋肉の電位変化を調べました。その結果、Aβが蓄積した患者の多くでは伝達機能が低下したままだった一方、蓄積のない健常者では向上。経頭蓋磁気刺激法が、病気の兆候の確認に有効であることがわかったといいます。
 アルツハイマー病の診断では、痛みを伴う腰への注射が必要な髄液検査や、微量の被曝(ひばく)を伴うPET(陽電子放射断層撮影)検査をして異常タンパク質を発見しており、新たな手法が確立されれば、体に負担の少ない診断が可能になります。
 さらに、脳内からAβを除去するアルツハイマー病の新薬「レカネマブ」の製造販売が昨年、承認されており、こうした手法を用いることで、投薬効果を見極められる可能性があるといいます。
 村上助教は、行方不明になった後、死亡して見付かる認知症患者が多い点に触れ、「この研究から治療法が発達し、認知症に苦しむ方々を支えることができれば。一人でも多くの早期発見・治療につながってほしい」と期待を込めました。

 2024年4月15日(月)

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