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■iPS細胞から角膜、大阪大が国に研究申請へ 来春の移植手術を目指す [健康ダイジェスト]

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)からつくる角膜の細胞を患者に移植する大阪大学の研究チームの臨床研究が26日、学内の審査委員会で了承されました。今後、厚生労働省に申請し、同省の部会で了承されれば、実際に始められます。来年5~6月の移植手術を目指しているといいます。
 大阪大の西田幸二教授(眼科学)らの研究チームが、「角膜上皮幹細胞疲弊症」の患者4人に移植手術をします。この病気は、黒目の表面を覆う「角膜」を新たにつくる「幹細胞」がけがなどで失われ、角膜が濁って視力が落ち、失明することもあります。
 他人の角膜を移植する治療法がありますが、慢性的に提供数が不足し、海外からの輸入に頼っています。臨床研究では、第三者のiPS細胞を角膜の細胞に変化させて直径3・5センチ、厚さ0・05ミリの円形シート状にした後、患者の目に移植し、主に安全性を調べ、有効性も確かめます。移植した細胞が角膜を再生すると期待されています。
 今回の手術の対象となる患者は、国内で年間100~200人ほどいると推定されるといいます。阪大病院を受診中の約50人の中から、臨床研究の条件に合う人を選んで手術をします。最初の2人はiPS細胞と免疫の型を合わせず、その結果、拒絶反応が起きなければ、3、4人目も合わせない計画といいます。
 研究チームは6月、再生医療安全性確保法に基づいて設けられている大阪大の委員会に計画を申請。この日、2度目の審査があり、患者への説明文書を分かりやすく修正することを条件に、計画を「適切」とする意見をまとめました。
 西田教授は審査後、「iPS細胞を使えば品質が高く、より治療効果が見込める移植用の角膜を作製できる。臨床研究の後、間を空けずに治験に移行したい。5~6年後には一般的な医療にすることが目標だ」と話しました。
 iPS細胞からつくった細胞の患者への移植は、これまで理化学研究所などの研究チームが目の難病の加齢黄斑変性で、京都大の研究チームがパーキンソン病で、それぞれ実施しています。ほかにも大阪大の心不全や慶応大の脊髄(せきずい)損傷など複数の計画が進んでいます。

 2018年12月27日(木)

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