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■はしか、大阪府で全国最多見通しの81人に 8割が10~30歳代 [健康ダイジェスト]

 大阪府で感染拡大が続くはしか(麻疹=ましん)について、府は21日、今年の患者数が17日現在で81人になったと発表しました。前週まで全都道府県で最も多かった三重県は49人のまま増えておらず、府の患者数が全国最多となる見通し。患者は10~30歳代が8割を占め、この年齢層への対策が急務になっています。
 発表によると、11~17日に患者が急増。従業員や客計23人(府外の人も含む)が感染した百貨店「あべのハルカス近鉄本店」(大阪市阿倍野区)、院内で10人の患者が出た「大阪府済生会茨木病院」(大阪府茨木市)の集団感染などが、累積患者数を前週より30人以上も押し上げました。
 患者のうち最も多い年齢層は30歳代で25人、次いで10歳代の21人、20歳代19人。国のワクチン政策が変遷する中で、20~30歳代を中心に2回接種を徹底できていない人が多く、接種歴なしや不明も目立ちました。一方、過去の流行で感染し、免疫を持っている人が多い50歳代以上は1人にとどまりました。
 感染症に詳しい「りんくう総合医療センター」(大阪府泉佐野市)の倭(やまと)正也医師は、「免疫が不十分な世代が、ウイルスに狙い撃ちされた形だ」と分析。こうした人達が感染源となってウイルスを拡散させた恐れがあります。
 予防にはワクチンの2回接種が有効。それでも感染することはあるものの、症状は比較的軽くすみ、周囲の人への感染力もぐっと弱まる。実際、府の分析でも、2回接種後に感染した患者が他人へうつした事例は確認されていないといいます。
 倭医師は、「免疫のない集団に感染者が1人いれば、15人前後にうつるほど感染力が強いとされるが、2回接種した人の間で感染が起きても大規模な流行にはならない。だからこそ2回接種の徹底を」と強調します
 20日に開かれた感染症を検討する府の専門家会合では、あべのハルカスの集団感染事例や、国内外の移動が増える春休みに向けた対策の強化について話し合われました。
 委員長の本村和嗣(かずし)・府感染症情報センター長は、「発症までに最長3週間かかることを踏まえると、まだ今後も患者が増える恐れがある。終息は春ごろになるだろう」と分析しています。
 倭医師は、「世界各地で流行しており、国内でも集団感染がいつどこで起きてもおかしくない。初期症状は風邪に似ており、見落とす恐れもある。医師ははしかを念頭に置き、診察してほしい」と呼び掛けます。
 あべのハルカスの集団感染は、2月10日に従業員2人の感染が確認されて発覚しましたが、感染した客の大半は1月25~27日に来店しており、大阪市の担当者は「1月下旬にウイルスが持ち込まれた可能性が高い」と話しています。
 はしかのウイルスは、アフリカ、アジア、欧州など、地域ごとに流行する型が異なります。市によると、あべのハルカスの複数の感染者から東南アジアなどで主流の「D8型」が検出されたといいます。
 日本で過去に流行したのは別の型で、2010年以降は検出されておらず、世界保健機関(WHO)が2015年3月、「日本は排除状態にある」と認定しました。近年の国内症例は、いずれも海外からの持ち込みとされます。今後、海外の型のウイルスが国内に定着すると、認定が取り消される恐れもあります。

 2019年2月23日(土)

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