SSブログ

■美容医療トラブルで男性の相談が年間400件 損害賠償を求める訴訟も起きる [健康ダイジェスト]

 整形手術や脱毛などの「美容医療」を巡り、施術を受けた男性がトラブルを訴えるケースが多発しています。国民生活センターには年間400件前後の相談が寄せられるほか、医師に損害賠償を求める訴訟も起きました。
 消費者庁は、専門機関に相談することなどを呼び掛けていますが、ためらう男性は多いとみられ、専門家は「男性が話せる窓口の拡充が必要」と指摘しています。
 国民生活センターによると、美容医療に関する相談件数は、2017年度は1878件。ピークだった2014年度の2501件より減ったものの、毎年2000件前後に上っており、高止まりが続いています。このうち、男性からの相談は、2017年度は20%の382件。過去10年間でみても、年間約400件前後に上ります。
 相談内容は、「脂肪吸引の手術を受け、痛みが残った」「二重まぶたに整形したが、はれが引かない」「ニキビ痕の治療を受けたら皮膚が化膿」など。症状などの改善のために、さらなる手術を求められたケースもあり、女性と同様にさまざまなトラブルが起きているといいます。
 医師らでつくる「日本美容外科学会」(JSAS、東京都大田区)によると、ホームページなどで「男性歓迎」をPRしたり、専用待合室を設けたりする美容医院も増えてきています。特に都市部で目立つといいます。
 施術を受けた男性が訴訟を起こすケースも生じました。大阪府内の男性(58歳)は2017年3月、脂肪吸引手術で痛みが出たとして、大阪市内の美容外科の医師に慰謝料など約270万円の賠償を求めて提訴。訴状によると、会社勤めの男性は仕事でストレスを感じるうちに、体形をスリムにして自信を取り戻したいと考え、ホームページで探して来院。2013年に1900ccの脂肪を吸引する手術を受けました。
 しかし、腹部にへこみが残ったほか、手術痕が引きつるなどの痛みが出たといいます。男性は「医師は危険性に関する説明義務を怠り、吸引量も過剰だった」と主張し、美容外科側は「吸引行為は適切で、へこみは通常の人と同程度」と反論。訴訟は昨年6月、美容外科側が50万円を支払い、再発防止策を講じると誓約するなどの内容で和解しました。
 美容医療のトラブルについて、消費者庁は、ホームページや広告をうのみにせず、手術内容や危険性を把握することが重要として、相談業務を行う各地の医療安全支援センターなどに相談するよう呼び掛けています。また、異常を感じたら、すぐに医療機関を受診するよう助言しています。
 しかし、相談をためらう男性は少なくないとみられます。内閣府が2012年にまとめた意識調査結果で「悩みがあったら気軽に相談する」と回答した男性は2割しかおらず、「男性は悩みや弱音など私的な感情を見せない志向性がある」とされました。
 著書に「『男らしさ』のゆくえ」がある京都大の伊藤公雄・名誉教授(文化社会学)は、「男性は、問題を自分一人で解決しようとする傾向が強い。『美容医療を受けるなんて男らしくない』との考えも根強く、相談できずに苦しむ男性は多いのではないか。相談窓口を週に1回は男性専用にするなどして、相談しやすい環境を整える必要がある」と話しています。

 2019年3月2日(土)

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。