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■今年の健康食材は「サバ」 缶詰は80種超、ブランドサバは20種 [健康ダイジェスト]

 平成最後の年を象徴する食は「サバ」で、平成30年の世相を反映した「今年の一皿」にサバが選ばれ、家庭料理を代表する「食トレンド大賞」にサバ缶が選ばれました。ここ数年、魚の人気は熟成肉や鶏むね肉など肉に押されがちでしたが、魚食のよさが見直された年になりました。
 大衆魚として長年、日本人に親しまれてきたサバは、健康や美容に効果が期待できる栄養素を豊富に含むことから、改めて注目されるようになりました。
 ブームの立役者はサバ缶で、下処理の手間が要らず、手ごろな値段で長期保存ができます。利便性に加えて、水煮缶は生のサバよりDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)、さらには美肌効果のあるビタミンB2が多く含まれていることもヒットの要因となりました。
 従来の地味なイメージを一新させるおしゃれなデザインの「おしゃれサバ缶」や、原料にこだわった「プレミアムサバ缶」が登場し、女性たちの心もしっかりとつかみました。
 サバ缶は80種を超え、生産量は今やツナ缶を抜いてトップに。家庭では、和洋中とさまざまなメニューに活用され、食卓を彩りました。
 料理レシピ検索・投稿サイトの「クックパッド」では、「炊き込みご飯」や「アクアパッツァ」など、サバ缶を使ったさまざまなレシピが話題となり、この広がりから、今年の「食トレンド大賞」にサバ缶を選びました。同社は、「時短、健康志向、低価格、おいしさのすべてがそろい、手軽に魚を食べたいというニーズに応えた」と説明しています。
 一方、食に関する調査・研究を行う「ぐるなび総研」(東京都千代田区)は、サバを「今年の一皿」に選定しました。今年は各地で大きな災害に見舞われ、防災意識の高まる中、サバ缶など缶詰の「非常食」としての重要性が再認識されたことや、今年10月に「日本の台所」と呼ばれた東京都中央卸売市場築地市場が豊洲へ移転し、次世代に向けて日本の魚食文化を考える節目となったことを、選定の理由に挙げました。
 乱獲で激減した太平洋クロマグロ、ニホンウナギが相次いで絶滅危惧種に指定され、持続可能な漁業への関心が高まる中、「サバはしっかり資源管理をしながら、漁獲量が安定的に伸びてきている。持続可能な漁業の優等生といえます」と、水産業に関係する企業や団体で構成されている一般社団法人「大日本水産会」の白須敏朗会長は話しています。
 農林水産省の2017年漁業・養殖業生産統計によると、サバ類の漁獲量は約51万トンで、総漁獲量(海面漁業)の16%ほどを占めます。白須会長によると、海外でも人気を呼んで、約20万トンを主に缶詰でアジアやアフリカへ輸出しているとのこと。
 国内ではおいしさを競うようにブランドサバの開発も行われ、大分市の「関さば」や宮城県石巻市の「金華さば」など各地に天然、養殖合わせて約20種類があります。サバを主役にしたさまざまな催しも開かれ、町おこしに一役買っています。
 日本で取れるサバ類は秋から冬に旬を迎えるマサバと、年間を通じて脂の乗りがほぼ一定のゴマサバの2種類があり、マサバのほうが圧倒的に量が多くなっています。国立研究開発法人「水産研究・教育機構」中央水産研究所資源研究センターの主任研究員、由上(ゆかみ)龍嗣さんは、「太平洋にいるマサバは約200万トンで、2013年以降は増加傾向にあります」と話しています。
 春に日本近海で生まれたマサバは、黒潮に乗って回遊します。稚魚から成長しながら日付変更線付近まで移動し、秋になると日本近海へと帰ってきます。今年は暖冬の影響でなかなか水温が下がらず、日本近海に戻ってくるタイミングが遅れたものの、11月末から水揚げされ始めました。今年生まれた稚魚が大量に確認されているため、今後も豊漁が期待できるといいます。

 2018年12月24日(月)

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■大腸ポリープ切除、AIシステムが診断支援 医療機器として初承認 [健康ダイジェスト]

 名古屋大学や昭和大学など共同研究チームは10日、大腸がんの前段階のポリープを内視鏡検査で見付ける人工知能(AI)システムが医薬品医療機器等法に基づく承認を得たと発表しました。内視鏡の画像をAIが診断して医師に伝えるシステムが承認を受けるのは初めてといいます。検診での見逃しを防ぐことで、大腸がんによる死亡が減らせると期待されます。
 このシステムは、名古屋大と昭和大、工業製品の設計用ソフトウエアなどを手掛けるサイバネットシステム(東京都千代田区)が共同開発しました。サイバネットシステムは内視鏡メーカーのオリンパスと組み、2019年夏までに医療機関に提供する計画です。
 国立がん研究センター中央病院などの国内5カ所の病院と協力し、約6万枚の大腸の内視鏡画像をAIに学ばせました。臨床試験(治験)では、いずれがんになるため切除する必要のある「腫瘍性ポリープ」なのか、切除する必要がない「非腫瘍性ポリープ」なのかを98%の精度で見分けられました。専門医に匹敵する水準だといいます。
 大腸がんで亡くなる人は、女性ではがんの中で最も多く、男性でも3番目。初期では自覚症状がほとんどなく、見付かった時には進行していることが多くなっています。がんになるポリープを切除すれば予防効果が高いものの、ポリープが微小だったり平たんや平らに近い形状だと、熟練の専門医でないと見落としてしまいやすいという課題がありました。
 共同研究チームによると、大腸がんに進行するポリープの見落としを1%減らすことで3%の大腸がんを予防でき、開発したAIシステムによって医師による見落としを軽減できるといいます。

 2018年12月24日(月)

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■陣痛促進剤の説明文書、ウェブサイトで公開 製薬4社 [健康ダイジェスト]

 お産の痛みを和らげる無痛分娩(ぶんべん)で使われることが多い陣痛促進剤(子宮収縮薬)について、販売元の製薬各社は21日までに、お産の最中におなかの痛みが急に強くなった場合はすぐに医師や助産師らに知らせることなど、使用上の注意をまとめた妊婦、家族向け説明文書を各社のウェブサイトで公開しました。
 無痛分娩での事故に関心が高まる中、安全に関する情報を医療機関から妊婦側に確実に伝えてもらうため、厚生労働省が作成を求めていました。
 公開したのは、オキシトシンやプロスタグランジンの製剤を販売する丸石製薬、富士製薬工業、科研製薬、あすか製薬。

 2018年12月24日(月)

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■がん免疫薬「キイトルーダ」を全臓器に承認 一部の遺伝子異常に [健康ダイジェスト]

 免疫の力を使ってがんを攻撃できるようにするオプジーボと同様の作用をするMSD(東京都千代田区)のがん治療薬「キイトルーダ(一般名・ペムブロリズマブ)」について、厚生労働省は21日、遺伝子検査で薬が効くとわかれば、血液がんを除く成人のすべてのがんで使うことを正式に承認しました。
 がん治療薬は、肺や胃、大腸など臓器の種類を基本に使用範囲が認められてきました。今回のような臓器にかかわらず、特定の遺伝子変異を原因とするがんの治療薬として承認されたのは初めてで、患者が少ない部位のがんでも、早く薬が使えるようになると期待されています。 
 今回の使用拡大は、がん細胞の遺伝子の修復にかかわる別の遺伝子に変異があるタイプ。このタイプの患者は、大腸がんでは6%おり、胃や前立腺などのがんでもよくみられるといいます。キイトルーダが使えるようになるのは、がん関連遺伝子を網羅的に調べる遺伝子検査でこのタイプとわかった患者のうち、進行・再発がんでほかに治療法がなくなった人に限られます。
 キイトルーダは現在、悪性黒色腫や肺がん、ホジキンリンパ腫、尿路上皮がんのいずれも、一部に対し承認されています。肺がんの治療に使う場合、年間の薬剤費は約1200万円。免疫の力を使ってがんを攻撃できるようにする免疫チェックポイント阻害剤の一種で、一部の患者に高い効果がみられるものの、その割合は2割程度とされます。そのため、効果が事前に予測できる指標が求められてきました。
 今回の指標は、がん細胞の遺伝子検査をして、傷付いた遺伝子がどの程度修復できるかをみる「マイクロサテライト不安定性(MSI)」。MSIが高いと修復機能が低く、キイトルーダの効果が高い可能性があるといいます。
 細胞は、遺伝子の傷が積み重なって、がん化します。MSIが高いと遺伝子変異数も多く、腫瘍(しゅよう)の中に免疫にとってがんの目印になる物質も多く、免疫チェックポイント阻害剤が効きやすいとされます。
 アメリカの研究では、MSIが高い患者にキイトルーダを使うと、がんが進行しない人も含めると7割以上の患者に効果があったといいます。MSIが高い患者は固形がん全体で約3%。子宮がんや大腸がん、胃がんに多いとされます。
 国立がん研究センター東病院の吉野孝之医師(消化管内科)は、「臓器別ではないがん治療薬の開発が進んでいる。臓器別に治療方針を立てる時代から、臓器を超えて治療する新しいがん治療の幕開けになる」と話しています。

 2018年12月23日(日)

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