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■沖縄県、全国平均30%の「いきなりエイズ」が50%超え 2002年以来20年ぶり [健康ダイジェスト]

 エイズ(後天性免疫不全症候群)発症後にHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染したことが判明する「いきなりエイズ」の患者の割合が、沖縄県内で2022年に52・6%となり、2002年以来20年ぶりに50%台を超えました。県によると、全国平均は約30%で、突出して高くなっています。
 人口10万人当たりのエイズ患者報告数も全国で最も多く、感染が拡大しています。沖縄県は「私は大丈夫?それ本当?受けようHIV検査」を掲げ、6月1日から各保健所のHIV即日検査の日程を増やし、夜間・休日にも拡充していきます。
 2022年のHIV感染者/エイズ患者の県内報告は19人で、このうち「いきなりエイズ」の患者は10人(52・6%)でした。2021年は38・5%。県によると、重症化し、救急搬送されて初めてエイズだとわかったケースもありました。
 いきなりエイズの割合増加は、県内の各保健所が新型コロナウイルス関連業務のため、HIV検査を休止したことが背景にあるといいます。人口10万人当たりのHIV検査数は2021年に4・087人で、全国で2番目に低くなりました。
 エイズは、HIVに感染した早期の段階で発見し、治療すれば、発症を防ぐことができます。沖縄県ではHIV感染に気付かずエイズを発症し、重症化する人が水面下で増えている恐れがあります。
 県の担当者は、「感染に不安がある人はためらわず、HIV検査を受けてほしい。感染していても、治療して発症を防ぐことで、通常の生活ができる」と呼び掛けています。
 2021年の県内エイズ患者報告数は人口10万人当たり0・681人で全国最多。HIV感染者数も1・09人で全国で2番目に多く、県は「感染が拡大している」としています。

 2023年5月30日(火)

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■花粉の発生量、30年後に半減へ スギ人工林の伐採拡大、政府の健康被害対策 [健康ダイジェスト]

 政府は30日、花粉症対策の関係閣僚会議を開き、10年後(2033年度)にスギの人工林を2割程度減少させるなどの対応を進めた上で、30年後には花粉の発生量の半減を目指すとする新たな対策を決定しました。
 これは30日午前、岸田文雄首相や野村哲郎農林水産相らが出席して開かれた花粉症対策の関係閣僚会議で正式に決定したものです。
 このうち、花粉の発生源対策では、住宅などに使う木材のスギ材への転換を進めた上で、スギの人工林の伐採面積を現在の年間5万ヘクタールから7万ヘクタールに広げ、10年後にはスギの人工林を2割程度、減少させることを目標に掲げました。
 そして、花粉の少ないスギの苗木やスギ以外の樹種への植え替えを進めるとし、10年後にはスギの苗木の生産の約9割以上を花粉の少ないものにするとしています。
 また、飛散対策としては、薬剤の改良や効果的な散布技術の開発を促進し、5年後に実用化のめどを立てるほか、来年3月までにスーパーコンピューターや人工知能(AI)などを活用し、花粉の飛散を予測した詳細なデータを民間企業に提供するとしています。
 政府としては、こうした取り組みによって、30年後には花粉の発生量の半減を目指すなど、多くの人を悩ませる花粉症の解決へ道筋をつけたいとしています。
 さらに、アレルギー症状の根治を目指す「舌下免疫療法」の治療薬を現在の年25万人分から5年以内に100万人分に増産するよう促します。企業にはテレワークなど花粉を避けた働き方の推進を求めます。
 岸田首相は、「花粉症は、実効的な対策が行われず、いまだ多くの国民を悩ませ続けているわが国の社会問題といえるものだ。一朝一夕で解決するものではなく、しっかりと将来を見据えて取り組みを着実に実行することが必要だ」と述べ、関係閣僚に対し、決定した新たな対策を速やかに実行に移すよう指示しました。
 花粉症対策の関係閣僚会議で新たな対策が決定したことについて、野村農水相は閣議の後の記者会見で、「木材の活用も加速させながらスギの人工林を10年後には2割減らし、将来的には花粉量を半減させる取り組みに集中していきたい」と述べました。
 その上で、農水省としてもスギの人工林の伐採と住宅などに使う木材のスギ材への転換を進めるための10か年計画を策定し、取り組みを進める考えを示しました。

 2023年5月30日(火)

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■パーキンソン病の原因となる異常たんぱく質を血液から検出する方法を開発 順天堂大など [健康ダイジェスト]

 順天堂大学と理化学研究所などの研究チームは、パーキンソン病などの神経疾患の原因になる異常たんぱく質を血液から検出する技術を開発しました。症状が進行する前の早期の診断に役立つ可能性があります。企業と連携して検査の自動化などの技術開発を進め、実用化を目指します。
 手足の震えなどの症状が出るパーキンソン病や、似た症状の多系統委縮症、認知症の一種であるレビー小体型認知症では、「αシヌクレイン」というたんぱく質が異常な構造に変化し、脳に蓄積します。患者の血中にも異常なたんぱく質の「種」が微量に存在します。
 順大の服部信孝教授らは、この種を血中から検出する技術を開発しました。微量なたんぱく質を濃縮する技術と、異常たんぱく質を増やす技術を組み合わせました。異常たんぱく質の検出で、パーキンソン病の患者と健康な人を約9割の高い精度で判別できました。これまでは、血液検査という簡便な方法での異常たんぱく質の検出は困難でした。
 培養細胞や動物などの実験で、パーキンソン病と多系統委縮症、レビー小体型認知症では、異常たんぱく質の微細な構造や細胞の中に蓄積した時の塊の構造、脳の中での広がり方などが異なることも明らかにしました。初期の症状が似ているこれらの病気を異常たんぱく質の構造などで区別できるといいます。
 研究チームは、血中の微量な異常たんぱく質の検出によって、パーキンソン病などの早期診断も可能になると見込んでいます。今後、睡眠中の行動異常などパーキンソン病の前兆とされる症状がある人を対象に、異常たんぱく質の検出から発症するまでの期間などの研究を進めます。
 今回開発した手法では、異常たんぱく質を検出可能な量に増やすまでに5日程度を要します。分析装置メーカーや製薬企業と連携し、検査の期間短縮や自動化といった技術開発にも取り組む方針です。
 服部教授は、「今は症状をもとに診断しているが、血液で見分けられれば、将来的には症状が出る前から治療を始められる。それぞれ強みを持つ企業と共同研究し、開業医でも利用できるような検査にしたい」と話しています。
 研究成果は29日付けのイギリスの科学誌「ネイチャー・メディシン」に掲載されました。 パーキンソン病の国内の患者数は推定20万人程度で、難病の中でも特に患者数が多くなっています。高齢化などを背景に世界では2040年には1400万人に達するとの予測もあります。

 2023年5月30日(火)

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■国内企業が開発中のレプリコンワクチンで免疫1年維持 接種間隔を延ばせる可能性も [健康ダイジェスト]

 国内の新興企業が開発を進める新技術を使った新型コロナウイルスワクチンについて、動物実験で感染を防ぐ中和抗体の量が1年間維持されたと医薬基盤・健康・栄養研究所(大阪府茨木市)などの研究チームが発表しました。実用化すればワクチンの接種間隔を延ばせる可能性があります。論文が19日、国際科学誌(電子版)に掲載されました。
 このワクチンは、アメリカのファイザーやアメリカのモデルナが実用化したメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンに改良を加えた「レプリコン(自己増殖型)」と呼ばれるタイプです。
 新興企業VLPセラピューティクス・ジャパン(東京都港区)が現在、実用化に向けて治験を実施しています。新型コロナの変異型に加え、未知の感染症への対応も視野に入れています。
 レプリコンワクチンは有効成分が体内で自己増殖するため、接種量は既存のワクチンの100分の1から10分の1ほどですみ、免疫が長く続くとされます。
 研究チームは、人間と体の構造が似ているカニクイザルにこのワクチンを打ち、中和抗体の量が1年間、十分に保たれていることを確認しました。既存のワクチンでは数カ月から半年程度で低下します。
 研究チームの山本拓也・同研究所難病・免疫ゲノム研究センター長は、「年1回接種で効果があるようなワクチンにしたい」と話しています。
 杉浦亙(わたる)・国立国際医療研究センター臨床研究センター長(ウイルス学)は、「中和抗体の量が長期間持続することをデータで示せた意義は大きい。安全性を丁寧に確かめ、未知の感染症に対応できるワクチン開発の基盤技術として育てることが重要だ」と話しています。

 2023年5月29日(月)

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