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■用語 爪下血腫 [用語(そ)]

[足]外的な衝撃により爪床が傷付くことで内出血を起こし、爪下に血液がたまった状態
 爪下血腫(そうかけっしゅ)とは、外的な衝撃や、外部からの持続的な圧迫ストレスにより、爪床が傷付くことで内出血を起こし、爪(つめ)と皮膚の間に血液がたまった状態。爪下出血とも呼ばれます。
 爪下血腫の原因は、主にけがです。車などのドアに指先を挟んだり、金づちなどで指先を直接たたいたり、足の指先に重い物を落とした時などに、典型的な爪下血腫が起こります。
 また、長距離走やサッカーが、爪下血腫の原因になることもあります。走っている時に足指の爪に持続的な圧迫がかかることで、内出血を起こすことがあるのです。
 爪下血腫を起こした場合、すぐに爪の甲の一部分または全体が黒く変色します。爪の甲の色が変化するのは、爪の奥で内出血が起こり、爪と皮膚の間に血液がたまるためです。つまり、爪下血腫は、打撲による内出血によって皮膚にできる青あざのようなものです。
 たまった血液により爪の下の内圧が上がるため、ズキズキする強い痛みを生じます。また、爪の根元の部分がたまった血液ではれ、爪がグラグラすることがあります。
 時間が経つにつれて、爪の黒い部分は消えていきます。また、爪が伸びるに従って、黒い部分が移動するケースもあります。
 痛みのない場合に放置しておくと、たまった血液によって爪の甲が爪床から離れているため、血腫が小さくない限り、通常は数週間で変色した爪がはがれ落ちます。爪の下の爪床に変形がなければ、元の爪の下に根元から新しい爪が作られ、指先まで伸び切れば古い爪に置き換わります。
 ただし、成人の手指の爪は1日0・1ミリ、足指の爪は0・05ミリしか伸びないため、爪が置き換わるには半年から1年と長い期間がかかります。
 爪下血腫が軽く、痛みがなければ、治療をせずに放置していてもかまいません。爪下血腫が重く、痛みがある場合、爪の根元の1/3に血液がたまっている場合は、皮膚科、皮膚泌尿器科、ないし整形外科、形成外科で治療してもらうことが勧められます。
 爪床に重度の損傷が生じたり、爪の根元の1/3に血液がたまって爪母の状態が悪くなると、新しく作られる爪が変形したまま、元の形に戻らない場合がよくあるからです。このリスクを減らすためには、早期に血腫を抜いて爪を圧迫、固定しておくか、爪を除去して爪床の損傷をすぐに修復する必要があります。
[足]爪下血腫の検査と診断と治療
 皮膚科、皮膚泌尿器科、ないし整形外科、形成外科の医師による診断では、爪のはれや痛みが強い時は、X線(レントゲン)検査で骨折の有無を確認します。
 皮膚科、皮膚泌尿器科、ないし整形外科、形成外科の医師による治療では、骨折があれば、骨折の治療を優先します。
 爪に対しては、痛みを和らげ、爪下血腫の範囲が広がらないようにする目的で、消毒した注射針や熱したクリップの先などでゆっくりと爪に小さな穴を開けて、たまった血液を外に出します。これで痛みは緩和されます。
 爪には痛みを感じる細胞がないので、爪に穴を開ける際に痛みは伴いません。爪に穴を開けた後は、不潔にならないように数日間、血液を吸収する素材を使用したガーゼで覆い、薄く伸縮性があるテープで圧迫しておきます。
 痛みがひどい時には、爪とその下の皮膚に少し圧力をかけただけでも痛みが伴うので、麻酔を使用してから爪に穴を開けます。
 長距離走やサッカーなどで、足指に持続的な圧迫がかかることにより爪下血腫になった場合は、なるべく走ることを控えるようにしてもらいます。軽度の爪下血腫の場合でも、さらに足や爪を酷使し続けると症状が悪化してしまうからです。
 走ることによる爪下血腫を防ぐためには、クッションの効いた指先に圧力がかからないシューズを選び、足に負担をかけないように気を付けることです。また、ストレスがかかる部分にパッドなどの緩衝剤を入れたり、足指にテープを巻いたりワセリンを塗ることもお勧めで、足指を清潔に保ち、爪を正しく切ることも必要です。




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■用語 爪甲縦条 [用語(そ)]

[手(パー)]爪の甲の表面に縦方向の線や溝が入っている状態
 爪甲縦条(そうこうじゅうじょう)とは、手指や足指の爪(つめ)の甲の表面に縦方向の線や溝が入っている状態。爪の甲の表面に横方向の線や溝が入っている爪甲横溝(おうこう)とともに、すじ爪の一種です。
 この爪甲縦条は、誰にでも認められるもので、10歳代、20歳代ではほとんど目立ちません。老化現象の一つとして、加齢とともに滑らかだった爪の甲の表面に線や溝が目立つようになり、40歳以上ではすべての爪の甲に100パーセント現れ、50歳代くらいからは増加します。年齢によって、縦方向の線や溝の数も隆起の程度も異なります。
 加齢とともに縦方向の線や溝が増える原因は、胃腸の働きが衰え始めるとともに、爪に十分に栄養素がゆき届かなくなるためです。特に亜鉛不足の場合は、線や溝が現れやすくなります。
 若い人でも、食事での栄養バランスの偏りやダイエットなどで、爪に必要な蛋白(たんぱく)質、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ビタミンBなどの栄養素不足になった場合は、爪に線や溝が現れます。妊娠を切っ掛けに、線や溝が現れることもあります。
 また、冬の季節に空気が乾燥すると、爪も肌と同じように乾燥し、線や溝が現れやすくなります。また、季節を問わず乾燥肌の人は、爪にも線や溝が現れやすくなります。
 さらに、若い人でも、血液循環が悪い場合は、爪に線や溝が現れやすくなります。
 高熱が出た時に現れることもあり、精神的ストレス、不規則な生活習慣が原因で、爪に線や溝が現れることもあります。
[手(チョキ)]爪甲縦条の改善法と予防法
 すじ爪になり、爪の甲の表面に縦方向の線や溝が入る爪甲縦条が現れても、若い人では規則正しい生活を心掛けることで改善します。
 1日3回の食事で蛋白(たんぱく)質、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ビタミンB、さらにコラーゲン、野菜や海藻類に多く含まれるミネラル類など、爪に必要な栄養素をしっかり摂取し、質のよい睡眠をたっぷりとるだけでいいのいです。また、爪甲縦条を引き起こす精神的ストレスを解消することも、大事です。
 縦方向の線や溝が目立って気になる場合は、爪の甲の表面を軟らかい爪やすり(ファイル)で磨くと、滑らかな状態にすることができます。さらに、乾燥を防ぎ血液循環をよくするために、爪とその周辺にハンドクリームやキューティクルオイルなどの保湿剤を塗って、擦り込むようにマッサージします。




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■用語 爪カンジダ症 [用語(そ)]

[手(パー)]真菌の一種のカンジダが感染、増殖して、爪や爪の周囲に炎症を生じる疾患
 爪(そう)カンジダ症とは、カンジダという真菌の一種が感染、増殖して、爪(つめ)や爪の周囲に炎症を生じる疾患。
 真菌は、カビ、酵母(イースト)、キノコなどからなる微生物の総称であり、菌類に含まれる一部門で、細菌と変形菌を除くものに相当します。葉緑素を持たない真核生物で、単細胞あるいは連なって糸状体をなし、胞子で増えます。
 その真菌の一種であるカンジダは、もともと人間が持っている常在菌で、口腔(こうくう)や気管支、肺、腸管、膣(ちつ)内、皮膚などに常在して生息し、病原性が弱いため害を及ぼしません。しかし、疲労が重なったり、疾患で体の免疫力が低下している時、あるいは妊娠している時、糖尿病にかかっている時などに、カンジダが増殖して病原性が現れると、皮膚や口腔、膣などさまざまな部位に炎症を引き起こします。
 爪や爪の周囲に炎症を引き起こすと爪カンジダ症が生じ、段階的にカンジダ性爪囲炎、カンジダ性爪炎、爪カンジダを生じます。
 爪の周囲に炎症が起きるカンジダ性爪囲炎の場合、症状が軽く、痛みも出ないことが多いものの、爪の生え際が赤みを帯びだり、はれたりします。
 この爪囲炎を繰り返していると、カンジダ性爪炎に移行し、爪が変色し、表面に凹凸ができる、横にすじができる、赤くなってはれ、痛むといった症状がみられます。
 カンジダ性爪囲炎とカンジダ性爪炎は、爪の表面だけがカンジダに感染している状態ですが、カンジダが爪の内部にまで寄生すると、爪カンジダになります。爪が黒ずんできて、爪の先が皮膚から離れて浮き上がったような状態になり、爪が変形します。また、爪が厚くなることもあれば、逆にボロボロになって先端が欠けたりすることもあります。
 カンジダ性爪囲炎、カンジダ性爪炎、爪カンジダは足指の爪よりも手指の爪によく発生し、健康に問題はなくても、手を水で頻繁にぬらしたり洗ったりする職業の人や主婦にもよくみられます。
 ある日突然、爪が変色したり変形したりした時は、爪カンジダ症を疑うことが必要です。また、見た目には白癬(はくせん)菌と呼ばれる一群の真菌の感染により生じる爪白癬、いわゆる爪の水虫や、ほかの爪の疾患と似ているため注意が必要で、自己判断で薬を塗ったりすると症状が悪化する可能性もありますので、皮膚科、ないし皮膚泌尿器科を受診することが勧められます。
[手(チョキ)]爪カンジダ症の検査と診断と治療
 皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、通常、爪の外観に基づいて判断します。診断の確定には、爪の破片を顕微鏡で調べ、培養して、真菌の一種のカンジダを認めることが必要です。
 爪では皮膚と違って真菌を見付けにくく、真菌の形態が不整形で、カンジダと白癬菌との違いを判定しにくいことが多いので、注意が必要です。
 皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による治療では、カンジダを殺す抗真菌薬のイトラコナゾールなどを服用します。さらに、抗真菌薬のイミダゾール系統の外用薬も併用します。
 治療期間は6カ月以上、1年間くらい要することもありますが、症状が軽い場合には、塗り薬だけで治ることもあります。
 もし免疫不全、糖尿病など全身的な要因があれば、それらの治療、改善が重要になってきます。
 予防には、水仕事の後にはしっかりと手を乾かして清潔にすることを心掛けます。指や爪が湿っている状態は、カンジダが発生する原因となるからです。




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■用語 爪真菌症 [用語(そ)]

[足]カビの仲間である真菌の感染によって、爪に炎症が生じる疾患
 爪(そう)真菌症とは、カビの仲間である真菌の感染によって、爪(つめ)に炎症が生じる疾患。
 真菌は、カビ、酵母(イースト)、キノコなどからなる微生物の総称であり、菌類に含まれる一部門で、細菌と変形菌を除くものに相当します。葉緑素を持たない真核生物で、単細胞あるいは連なって糸状体をなし、胞子で増えます。主な真菌は、カンジダ、アスベルギルス、クリプトコックス、ムコールなど。
 これらの真菌が、爪の甲や、爪の基底部である爪床に感染して、爪真菌症を引き起こします。
 爪真菌症のうち最も多くみられる疾患は、皮膚糸状菌、特にトリコフィトンールブルムなどの白癬(はくせん)菌と呼ばれる一群の真菌の感染により生じる爪白癬で、爪真菌症の60〜80パーセントを占めるといわれています。
 残りの爪真菌症の多くは、皮膚糸状菌に属さないアスペルギルス、スコプラリオプシス、フサリウムなどの真菌で生じます。免疫の低下している人や慢性皮膚粘膜カンジダ症を発症している人では、カンジダ性の爪真菌症であるカンジダ性爪囲炎、カンジダ性爪炎、爪カンジダを生じることがあります。
 爪白癬は、いわゆる水虫、足白癬や手白癬が爪に発生したもの。爪の甲が白く濁り、爪の下が厚く、硬くなります。
 白癬は、皮膚糸状菌が皮膚に感染して起こる疾患。皮膚糸状菌の多くは一群の真菌である白癬菌で、高温多湿を好み、ケラチンという皮膚の蛋白(たんぱく)質を栄養源とするため、足の裏、足指の間などが最も住みやすい場所になり、足白癬を始めとして手白癬、頭部白癬、体部白癬などを生じます。
 この足白癬や手白癬を放置していると、白癬菌が爪の中に感染して、爪白癬になります。爪は表皮が変化して硬くなった皮膚の一部であり、白癬菌の栄養源となるケラチンでできていますから、爪もまた水虫にかかるというわけです。
 爪白癬は足指に多いのですが、手指の爪に生じることもあります。最近の統計によると、足白癬を持つ人の半分が爪白癬も持っていることがわかりました。日本国内に500万~1000万人の発症者がいるという統計も報告され、60歳以上の人の4割が発症しているとも推計されていますが、治療されずに放置されたままのケースがほとんどです。
 爪の症状の現れ方には、いくつかあります。最も多いのは、爪の甲の先端部が白色から黄色に濁って、爪の甲の下の角質部分が厚くもろくなり、全体として爪が厚くなるものです。爪の甲の先端部が楔(くさび)状に濁って、角質部分が厚くもろく全体として爪が厚くなるものも、よくみられます。そのほかに、爪の甲の表面が点状ないし斑(まだら)状に白濁するのみのものもあります。まれに、爪の甲の付け根が濁ることもあります。
 かゆみ、痛みなどの自覚症状は、ありません。陥入爪(かんにゅうそう)の原因の一つにもなりますが、爪の爪囲炎の合併はまれです。
 カンジダ性爪囲炎、カンジダ性爪炎、爪カンジダは、もともと人間が持っている常在菌で、腸管や膣(ちつ)内、口腔(こうこう)、皮膚などに存在している真菌の一つのカンジダが感染して生じます。
 健康であれば、体には何の影響も与えないカンジダですが、抵抗力や免疫力の低下、抗生物質の投与などによって増殖すると、さまざまな部位に炎症を引き起こし、爪や爪の周辺にも炎症を引き起こします。
 爪の回りに炎症が起きるカンジダ性爪囲炎の場合、症状が軽く、痛みも出ないことが多いものの、爪の生え際が赤みを帯びだり、はれたりします。この爪囲炎を繰り返していると、カンジダ性爪炎に移行し、爪が変色し、表面に凹凸ができる、横にすじができる、赤くなってはれ、痛むといった症状がみられます。
 カンジダ性爪囲炎とカンジダ性爪炎は、爪の表面だけがカンジダに感染している状態ですが、カンジダが爪の内部にまで寄生すると、爪カンジダになります。爪の先が皮膚から離れて浮き上がったような状態になり、爪が変形します。また、爪が厚くなることもあれば、逆にボロボロになって先端が欠けたりすることもあります。
 カンジダ性爪囲炎、カンジダ性爪炎、爪カンジダは、糖尿病患者、免疫機能が低下している人、または健康に問題はなくても手を頻繁にぬらしたり洗ったりする人によくみられます。
 爪真菌症のうち、成人の爪白癬の発症率は、かなり高いとされています。爪の肥厚や変形が高齢者の起立、歩行障害、転倒事故の原因になることも、指摘されています。重症になるとますます治療が難しくなるため、なるべく早く皮膚科、ないし皮膚泌尿器科の医師による治療を受けます。
[足]爪真菌症の検査と診断と治療
 皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、通常、爪の外観に基づいて判断します。診断の確定には、爪の破片を顕微鏡で調べ、培養してどんな真菌による感染かを判断します。
 爪では皮膚と違って真菌を見付けにくく、真菌の形態が不整形で判定しにくいことが多いので、注意が必要です。
 皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による治療は、爪真菌症は完治が難しいため、症状の重症度と本人が感じる不快さの程度に基づいて行われます。
 治療が望まれる場合は、内服薬のイトラコナゾールやグリセオフルビンなどを処方します。このような薬は、約3〜6カ月服用します。硬く厚くなった爪の外側から外用薬を塗っても、奥深く潜んでいる真菌まで薬の有効成分が行き渡りませんが、内服薬ならば血流に乗って直接真菌にダメージを与え、体の内側から治すことができるわけです。
 従来の内服薬は、1年以上服用しなければなりませんでした。近年開発された薬は、内服をやめた後も有効成分が爪の中にとどまって効果が持続しますので、従来に比べ治療期間が大幅に短縮されました。しかし、肝臓に負担がかかることもあるため、肝臓の弱い人は内服できません。内服中は1カ月に1回、肝機能検査を行います。
 マニキュア型製剤に含まれる抗真菌薬であるシクロピロクスは、単独で使った場合はあまり効果がありませんが、特に抵抗性の感染症の場合、内服薬に加えて使った場合は治癒率が高まることがあります。シクロピロクスは、ほかの健康上の理由により内服薬を服用できない人に役立つこともあります。
 再発の可能性を下げるためには、爪は常に短く切り、入浴後は足を乾いた状態に保ち、吸収性のよい靴下を履き、抗真菌薬の足用パウダーを使用するとよいでしょう。古い靴には真菌の胞子が多数いることがあるため、できれば履かないないようにします。




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