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■重症低血糖で救急搬送、年2万件に上る可能性 日本糖尿病学会が実態調査 [健康ダイジェスト]

 薬で治療中に血糖値が下がりすぎる糖尿病患者の「重症低血糖」で、年間の救急搬送数が約2万件に上る可能性があることが、日本糖尿病学会による初の実態調査で明らかになりました。
 日本糖尿病学会は、高齢などで低血糖を起こしやすい患者の重症化予防に力を入れるといいます。
 重症低血糖は、集中力の低下や、けいれん、意識消失などを引き起こします。認知症や心臓病、脳梗塞(こうそく)の発症リスクを高め、命にかかわる危険な状態。高齢者は、冷や汗や手指の震え、動悸(どうき)などの軽~中等度の低血糖症状が出にくく、本人も気付かないまま重症化することがあります。
 日本糖尿病学会は2015年7月、糖尿病の診療体制が充実した631施設にアンケートを送付。救急部がある149施設の回答を分析したところ、2014年4月から2015年3月までの1年間の救急搬送数は、1施設当たり4962件で、このうち重症低血糖は0・34%に当たる17件でした。これを全国の救急搬送件数に当てはめるなどして、国内全体で年間約2万件と推計しました。
 調査結果をまとめた兵庫医科大学病院の難波光義院長は、「重症低血糖の原因として、インスリンを注射で補充するタイミングや使用量の誤り、薬の飲み間違いなどが多い。高齢などで発症リスクが高い患者には、服薬指導に加え、生活面も含めた指導を行う必要がある」と話しています。

 2017年8月10日(木)

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■北九州市の病院で耐性菌に感染し3人死亡 院内感染の可能性 [健康ダイジェスト]

 北九州市の病院で昨年10月以降、ほとんどの抗生物質が効かないとされるカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)と呼ばれる耐性菌に、入院患者4人が感染しているのが確認され、このうち3人が死亡しました。
 北九州市は、院内感染の可能性もあるとみて調べています。
 北九州市八幡西区の東筑病院の10日の発表によりますと、昨年10月から今年7月15日までの間に、入院患者4人がカルバペネム耐性腸内細菌科細菌に感染しているのが確認されたということです。
 このうち、90歳代の女性と、80歳代の男性2人の合わせて3人が今年7月に肺炎で相次ぎ死亡したほか、90歳代の男性が入院して治療を受けていますが、容体は安定しているということです。
 このカルバペネム耐性腸内細菌科細菌は、感染症治療の最後の切り札として使われている抗生物質の「カルバペネム」が効きにくいため、患者の血液や肺に入り敗血症や肺炎などの感染症を引き起こすと、治療が非常に難しくなります。
 北九州市の保健所は、死亡した3人のうち男性2人は東筑病院での院内感染の可能性があるとみて、8月4日に立ち入り検査を行うとともに、感染拡大の防止のため、感染者を個室に移し、約190人の入院患者全員の検査を進めています。

 2017年8月10日(木)

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■がん治療、75歳以上の高齢者には控える傾向 国立がん研究センターが報告 [健康ダイジェスト]

 国立がん研究センター(東京都中央区)は8日、75歳以上の高齢がん患者に関する報告書をまとめました。がんの種類や進行度によっては、若い世代に比べて治療を受けていない割合が高いことが明らかになりました。
 高齢者の体への負担に配慮して治療法を選んでいるとみられますが、医師の判断に左右される面もあり、高齢者向けの診療指針が求められそうです。
 専門のがん医療を提供する全国の「がん診療連携拠点病院」427施設で、2015年にがんと診断された約70万件の診療情報を調べました。75歳以上が36・5%を占め、平均年齢は68・5歳でした。
 胃、大腸、肝臓、肺、乳がんなどで75歳以上の患者が増加傾向にあり、治療実態が若い世代とは違っていました。
 がんは、ステージ0から4にかけて進行します。例えば早期の状態であるステージ1の大腸がんと診断された40~64歳の患者では、9割以上で手術や内視鏡、抗がん剤などの薬物療法を組み合わせた治療が行われ、治療が行われなかったのは1・6%でした。しかし、75歳以上では3倍近い4・6%、85歳以上では18・1%で治療が行われませんでした。
 大腸がんのステージ3では、75~84歳の約52%、85歳以上の約80%は手術のみでした。40~64歳の約16%とは、大きな差がありました。
 がんがほかの臓器に転移したステージ4になると、85歳以上は手術のみが約39%で、治療なしが約36%でした。40~64歳は手術のみが約11%、治療なしは約5%で、手術や内視鏡、抗がん剤などの薬物療法を組み合わせた治療が約57%でした。
 肺がん(非小細胞がん)は、85歳以上ではステージ4で見付かる割合が約40%で、治療なしが約58%でした。40~64歳では治療なしは約9%で、薬物療法のみが約49%でした。
 高齢がん患者は糖尿病や高血圧などの持病があったり全身の状態が悪かったりして、若い患者と同じ治療を行うのが難しいとされ、体に負担がかかる手術や抗がん剤の投与などの積極的な治療を控える傾向がうかがわれました。
 調査を行った国立がん研究センターの東尚弘がん登録センターは、「高齢のがん患者にどのような治療を行うかは医師の判断に任されていて、判断を支援するための診療指針の作成が求められる」としています。

 2017年8月10日(木)

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■がん5年生存率、平均65・2% 国立がん研究センター集計 [健康ダイジェスト]

 国立がん研究センターは9日、2008年に全国のがん診療連携拠点病院209施設でがんと診断された患者の5年生存率は平均で65・2%だったと発表しました。うち188施設については、胃、大腸、肝臓、肺、乳房(女性のみ)の5大がんの施設ごとの生存率をホームページ上に初めて掲載しました。
 集計対象は、厚生労働省が指定する拠点病院(2015年時点で425施設)のうち、90%以上の患者の生死を把握できたなどの条件を満たす209施設。
 2008年に診断を受けた患者延べ約21万4500人が、5年後に生存していた率をまとめたところ、がん以外の原因での死亡の影響を除いた「相対生存率」は65・2%でした。
 がんの部位別の生存率は、高い順に前立腺97・7%、乳房92・7%、子宮体部82・8%、子宮頸部(けいぶ)75・6%、大腸72・6%、膀胱(ぼうこう)71・2%、胃70・4%、食道43・4%、肺39・1%、肝臓38・5%、膵臓(すいぞう)9・9%でした。
 拠点病院の生存率集計が発表されるのは、2007年に診断されたがん全体と5大がんの値に続いて2回目。
 患者から公表の要望が強い施設別生存率について、国立がん研究センターは「がんが進行した患者を多く受け入れているなどの要因で大きく変わる。治療成績そのものを示すわけではない」と指摘し、各施設による見解や進行度別の患者数を併せて紹介しました。
 また、全国の427の拠点施設で2015年にがんと診断された約70万件の診療情報も集計しました。院内がん登録として毎年集計しますが、今回特別に高齢者についての分析もしました。
 75歳以上は、それ未満の年代と比べてがんと診断されても治療をしない割合が高くなりました。2015年のステージ4の大腸がんでみると、40~64歳で「治療なし」の割合は4・6%、65~74歳は6・7%だったのに対し、75~84歳は14・7%、85歳以上は36・1%と高くなりました。
 がんの部位別で登録数が最も多かったのが大腸で、肺、胃、乳房、前立腺の順でした。

 2017年8月10日(木)

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