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■喫煙可の飲食店、面積による線引き先送り 健康増進法改正案が判明 [健康ダイジェスト]

 政府が受動喫煙防止に向けて策定した健康増進法改正案の概要が13日、明らかになりました。喫煙を例外的に認める飲食店の広さが焦点でしたが、改正案に線引きは盛り込まず、内閣が制定して出す政令で規定することにしました。
 健康増進法の施行日は公布から2年以内とし、線引きはそれまでに決着させたい考えです。政権内の対立点はいったん先送りし、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、法整備を優先させるべきだと判断しました。
 秋の臨時国会への提出を目指し、9月にも改正案を自民党厚生労働部会に示します。施行後5年をめどに「制度全般について検討を行う」との見直し規定も盛り込みました。
 受動喫煙対策を巡っては、店舗面積30平方メートル以下のバーやスナックを除いて原則禁煙とする厚労省と、「分煙」「喫煙」を店頭に掲げれば面積150平方メートル以下の店には喫煙を認めるよう求める自民党が対立し、政府は先の通常国会への法案提出を断念した経緯があります。自民党も受動喫煙防止対策の必要性は認めており、今回の政府案への対応が注目されます。
 政府としては、原則禁煙にこだわった塩崎恭久前厚労相が内閣改造で交代。外国人旅行客が増える東京オリンピック・パラリンピックを控え、国際オリンピック委員会(IOC)と世界保健機関(WHO)が開催都市に「たばこのない五輪」を求めている事情もあり、態勢を仕切り直して法改正を急ぎたい意向です。
 政府の改正案は、多くの人が利用する施設での喫煙を原則禁止。施設管理者には灰皿の設置を禁じ、喫煙中止を求める努力義務を課しました。施設の管理者や喫煙者の違反に対しては、都道府県知事が勧告や命令を出し、さらに違反を重ねた場合は罰金を科します。現行法では罰則なしの努力義務しかありません。
 患者や未成年者が利用する医療施設や小中高校は敷地内を全面禁煙とし、大学や老人福祉施設、体育館、官公庁は屋内禁煙としました。ただし、法の施行時にすでに設置されている喫煙室は5年間、存続を認めます。
 これ以外の飲食店や事務所、集会場などは屋内禁煙としつつ喫煙室の設置を認めます。喫煙室については、室内を密閉したり外部に煙を排出したりする設備などの基準を定めます。個人の住宅や旅館・ホテルの客室は喫煙可能としました。

 2017年8月14日(月)

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■用語 ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群 [用語(あ行)]

[喫茶店]発作があると危険な頻脈性の不整脈
 ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群とは、脈拍が速くなる頻脈性の不整脈を生じる疾患の一つ。不整脈とは、一定間隔で行われている心臓の拍動のリズムに、何らかの原因によって乱れが生じる疾患です。
 1915年ころからその存在が知られ始め、1930年に多くの症例についての詳しい報告がなされ、世に知られるようになりました。この際の3人の研究者であるアメリカの循環器医ルイス・ウォルフ,イギリスの循環器医ジョン・パーキンソン、アメリカの内科医ポール・ダドリー・ホワイト各博士の頭文字から、WPW症候群(Wolff・Parkinson・White Syndrome)と名付けられました。心室早期興奮症候群、副伝導路症候群とも呼ばれます。
 血管系統の中心器官である心臓には、4つの部屋があります。上側の右心房と左心房が、血液を受け入れる部屋です。下側の右心室と左心室が、血液を送り出す部屋です。4つの部屋がリズミカルに収縮することで、筋肉でできている心臓は絶え間なく全身に血液を送り出すことができるのです。このリズムを作っているのが心臓の上部にある洞結節(どうけっせつ)と呼ばれる部分で、1分間に60~80回の電気刺激を発生させて、心臓を規則正しく収縮させています。この電気刺激が正常に働かなくことによって、拍動のリズムが乱れる不整脈が生じます。
 ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群の多くの原因としては、ケント(Kent)束と呼ばれるバイパス(副伝導路)が存在することによって、電気信号の旋回(空回り、リエントリー)が起こることが挙げられます。通常は洞結節から発した電気信号は心房を経由して心室へと伝達されますが、この疾患では信号が通常のルートのほかケント束を経由する2つのバイパスを伝わるため、発作が起きると拍動のリズムを乱してしまいます。発作時の脈拍が240回以上にも達する場合もあり、救急隊員が驚くことがあります。
 しかし、バイパスがあっても症状が出る人は一部で、多くは健康診断などで発見されるまで、自覚症状がないため気付かずにいます。多くは放置しても自然に治まりますが、長時間続く場合は投薬により抑えます。
 従来は危険性のそれほどない一種の先天性疾患として高血圧、高脂血症、肥満、喫煙等の生活習慣をコントロールすることで改善されることがあるとだけされてきましたが、1980年代からの研究により、心房細動から心室細動に移行したケースがあることが判明し、危険な不整脈であると位置付けられたため、突然、脈拍が速くなる頻脈性の不整脈発作がみられた場合は即座に循環器科、内科循環器科、内科などの医師に診察してもらう必要があります。
[喫茶店]ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群の検査と診断と治療
 循環器科、内科循環器科、内科などの医師による診断では、心電図検査で特異的な波形を示すウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群が見付かり、危険度の高いタイプかどうかもわかります。
 循環器科、内科循環器科、内科などの医師による治療では、動悸(どうき)がない場合、処置は必要ありません。脈拍数が150回以上で、突然始まって突然止まる動悸、あるいは全く不規則に脈が打つ動悸がある危険度の高い場合は、不整脈を抑える薬を飲み続けて発作を抑えます。
 カテーテル焼灼(しょうしゃく)法(カテーテルアブレーション)といって、鼠径(そけい)部などから管を挿入し、バイパス部分を焼いてしまう根治療法も行われています。 
 危険グループでなければ、経過をみていけばいいのですが、禁煙と肥満解消を心掛け、食事などによる高血圧や高脂血症の予防と改善が大切です。過激な運動、過労や睡眠不足、不摂生、強いストレスなどは不整脈発作の引き金になるので注意します。

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