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■はしか患者数、昨年1年間を上回る168人に 6割以上は20歳代と30歳代 [健康ダイジェスト]

 はしか(麻疹)の今年の患者数は7月23日までに168人と、関西空港で集団発生があった昨年1年間の159人をすでに上回ったことが6日、国立感染症研究所の調べで明らかになりました。日本は2015年、世界保健機関(WHO)から土着ウイルスが存在しない「排除国」に指定されており、患者は海外で感染したとみられます。
 夏休み中で海外旅行も増えており、厚生労働省は「帰国後は体調の変化に気を配り、不明の場合は検査を受けてほしい」と呼び掛けています。
 国立感染症研究所によると、都道府県別では、山形県53人、三重県22人、東京都19人、広島県11人、大阪府9人の順に患者数が多くなっています。
 山形県では3月、インドネシアのバリ島から帰国した横浜市の20歳代男性が県内の自動車教習所に通っている時に感染が判明し、その後、自動車教習所や男性が滞在していたホテルを中心に感染が広がり、5月に終息するまで患者が相次いで発生しました。三重県では2月に、集団発生を確認。広島県でも2月に発生し、保育園児などに患者が出ました。
 年齢別では、30歳代が33%で最も多く、20歳代が31%、40歳代が12%、10歳代12%の順でした。
 日本はかつて患者数が約20万人に上り、他国から「はしか輸出国」との批判を受けました。2006年に十分な免疫が得られる「予防接種2回」の導入が奏功し、2009年には患者数が732人に激減。患者数が過去最低の35人になった2015年には、世界保健機関(WHO)から「排除状態」と認定を受けていました。
 一方で現在、東南アジアの複数の国ではしかが流行。日本の患者の推定感染地域は今年、インドネシアが最も多く、タイやマレーシア、シンガポールなども報告されています。
 欧州でも流行しており、今年に入りイタリアで3842人の患者が報告され3人の死者も出たほか、ルーマニアでも昨年1月以降、8246人の患者が報告され32人が亡くなりました。
 はしかは「麻疹ウイルス」によって起こる感染症で、その感染力はウイルスの中で最も強く、はしかを発症している人と同じ部屋にいるだけで空気感染することがあります。ワクチン接種を受けていない人は、海外旅行の際にかかる可能性が高くなります。潜伏期間は10~12日間。主な症状は発熱や発疹で、先進国においては滅多に死亡することはありませんが、まれに肺炎や脳炎を合併すると死亡することもあります。
 厚労省は、予防接種を2回受けるよう勧めています。接種歴がわからない人は、医療機関で抗体検査を受けるのが望ましいとしています。日本国内では26~39歳の世代が、ワクチン接種数を1回しか受けていないためにワクチンの効果が十分ではなく、海外ではしかに感染するリスクが高くなります。

 2017年8月7日(月)




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■用語 後天性QT延長症候群 [用語(か行)]

[喫茶店]薬剤の使用などの二次的原因により突然、脈が乱れて不整脈発作や失神発作を起こし、突然死に至ることもある疾患
 後天性QT延長症候群とは、薬剤の使用や電解質異常、徐脈、心疾患などの二次的原因により、突然、脈が乱れる不整脈発作や失神発作を起こしたり、時には突然死に至ることもある疾患。二次性QT延長症候群とも呼ばれます。
 医療機関において、心臓の動きをコントロールしている電気刺激の変化を記録する心電計で検査をすると、心電図に現れるQTと呼ばれる波形の部分の間隔(QT時間)が、正常な状態の心臓に比べて長くなることから、この疾患名が付けられています。
 先天的な遺伝子の異常が原因で起こる先天性QT延長症候群とは異なり、遺伝子の異常が認められる頻度は少ないものの、薬剤の使用が原因になって起こる後天性QT延長症候群では遺伝子の異常もかかわっています。
 安静時の元々のQT時間は正常範囲内で、正常よりも長め、または正常ですが、二次的原因が加わった場合に、心臓の筋肉である心筋細胞が収縮して全身に血液を送り出した後、収縮前の弛緩(しかん)状態に戻るQT時間が著しく延長するために、心筋細胞が過敏になって後天性QT延長症候群の不整脈発作を発症します。
 症状としては、不整脈発作による動悸(どうき)、立ちくらみ、気分不快や、失神発作、けいれん発作などがあります。発作の多くは、短時間で自然に回復しますが、心室期外収縮や、トルサード・ド・ポアンツと呼ばれる多形性心室頻拍から、心室細動といわれる不整脈にまで進行して回復しない場合は、突然死に至ります。
 また、失神発作、けいれん発作は、てんかんと間違えられることもよくあります。
 QT時間を延長させる可能性がある薬剤は、抗不整脈薬、抗生剤(マクロライド系)、抗真菌薬、抗ヒスタミン薬、向精神薬、抗うつ薬、抗潰瘍(かいよう)薬、脂質異常症治療薬など多岐にわたっています。同じ薬剤でも著しくQT時間が延長する人と、延長しない人がいることから、後天性QT延長症候群でも先天性の遺伝子の異常もかかわっていると考えられます。
 薬剤の使用のほか、低カリウム血症や低マグネシウム血症、低カルシウム血症によって生じる電解質異常、洞機能不全症候群や房室ブロックを起こしたりすることが原因で脈が正常よりも極端に遅くなる徐脈、急性心筋炎や虚血性心疾患などの各種心疾患、くも膜下出血などの中枢神経疾患、甲状腺(こうじょうせん)機能低下症などの内分泌疾患に伴い、QT時間が延長して発症することもあります。
[喫茶店]後天性QT延長症候群の検査と診断と治療
 循環器科、循環器内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による診断では、服薬内容の確認、心電図検査、血清中の電解質濃度を測定する血液検査が基本となります。基礎心疾患の有無をみる目的で、心臓超音波検査や運動負荷心電図を行うこともあります。
 循環器科、循環器内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による治療では、薬剤の内服や電解質異常、徐脈などの原因があるので、それらを取り除くとQT延長が短縮して正常化し、症状はよくなります。
 脈が正常よりも極端に遅くなる徐脈性不整脈を起こしている場合は、脈を正常まで速めて発作が起こりにくいようにするため、恒久型ペースメーカーの植込みによる治療を考慮します。
 ペースメーカーは、徐脈時には電気刺激を出して心臓の拍動を調整する装置で、脈の状態は心臓の中に留置したリード線を通して察知します。手術で、ライターほどの大きさのペースメーカーを鎖骨の下に埋め込みます。




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