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■ポテトサラダ食中毒、食品加工工場からO157検出せず 高崎市が調査 [健康ダイジェスト]

 埼玉県や群馬県にある同じ系列の総菜店で販売されたポテトサラダを食べた10人から腸管出血性大腸菌O157が検出された問題で、高崎市保健所がポテトサラダを製造・納入した群馬県高崎市の食品加工工場から回収したサンプルを検査したところ、サンプルからはO157は検出されなかったと、23日夕方の会見で明らかにしました。
 この問題は、8月7日から8日にかけて同じ系列の総菜店、埼玉県熊谷市にある「でりしゃす」籠原店と熊谷店、群馬県前橋市にある六供店で加工・販売されたポテトサラダを食べた女児(5歳)が一時意識不明の重体となったのを含め、14人が下痢や腹痛などを訴えたもので、このうち10人から腸管出血性大腸菌O157が検出され、埼玉県はポテトサラダが原因の食中毒と断定しました。
 さらに、前橋市保健所によりますと、六供店で8月11日に販売されたポテトサラダを食べた人から新たにO157が検出され、これで感染した人は合わせて11人になりました。
 ポテトサラダは高崎市の食品加工工場が5日から7日にかけて製造したもので、合わせて580キロ余りが34店舗に配送され、それぞれの店でハムやリンゴなどを混ぜて加工・販売していたということです。
 このため高崎市保健所は21日、食品加工工場に立ち入り調査を行い、10人が食べたポテトサラダが製造された8月5日と7日のサンプルを回収して検査したところ、サンプルからはO157は検出されなかったと23日夕方開いた会見で明らかにしました。
 高崎市保健所は、23日も食品加工工場に立ち入り調査を行うなどして、工場での製造過程や総菜店での加工・販売の過程でO157が混入した可能性もあるとみて、引き続き調べています。
 高崎市生活衛生課の武井祥一課長は23日夕方、ポテトサラダを製造した食品加工工場への立ち入り検査の調査結果を受けて、「工場内で衛生管理上、明らかに不適切なところは確認できなかった。しかし、工場での製造の過程で菌が混入した可能性も否定できないので、工場の従業員に検便を行うほか、関係者から聞き取りをするなどして、引き続き調査を続けていきたい」と話していました。
 店で販売されたポテトサラダを食べた人からO157が検出された埼玉県熊谷市の総菜店、でりしゃす籠原店が入った大型スーパー「食彩館マルシェ籠原店」の周辺では、買い物客から不安の声が上がっていました。
 この総菜店でサラダを買ったことがあるという30歳代の男性は、「籠原店以外の店でも見付かったと聞いて、とても心配です。一刻も早く原因を突き止めてほしいです」と話していました。また、この店でよくサラダを買っていたという40歳代の女性は、「身近なお店でO157が発生していて怖いです。衛生管理をしっかりしてもらいたいです」と話していました。
 店で販売されたポテトサラダを食べた人からO157が検出された前橋市の総菜店、でりしゃす六供店は23日も営業を続けており、店を訪れた人からは「菌は見えないので怖い」とか「安全なものを提供してほしい」といった声が聞かれました。
 系列の総菜店を運営するフレッシュコーポレーション(本社・群馬県太田市)によりますと、ポテトサラダを始め野菜などの生ものは、すべての系列店で販売を取りやめ、総菜は加熱したものを提供しているということです。

 2017年8月23日(水)

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■動物体内での人間の臓器作製、文科省専門委が容認方針 現行指針を改正へ [健康ダイジェスト]

 ブタなどの動物の受精卵が少し育った状態である胚に人の細胞を入れ、動物の子宮に戻して妊娠させる研究について、文部科学省の専門委員会は21日、容認する方針を決めた。
 研究の必要性を科学的、合理的に説明できることなどを条件に、研究を禁止する現行指針を見直します。文科省は年内にも、人の細胞が混じった胎児の出産まで認めるかどうかを最終判断し、来年度中の指針改正を目指します。
 文科省は、移植に使う人の臓器をブタなどの動物の体内で作製する研究の実施について、4年前から指針の見直しを議論してきました。この日の会合では、過去の研究から、人と動物の細胞が混じった個体が人のような高い認知機能を持つ可能性は極めて低いなどとして、動物の子宮へ戻すことを認めました。
 一方、人の神経細胞や生殖細胞の作製を目的とする研究や、人に近いチンパンジーなどの霊長類を使った実験の是非については、引き続き議論することになりました。
 新たな指針では、各研究機関から申請された研究計画を国が個別に審査し、研究の妥当性や透明性を確認します。東京大学などの研究チームが、特定の臓器ができないよう遺伝子操作した動物の胚に、人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)を入れて、動物の体内で人の臓器を作る技術を開発していますが、国内では研究が禁止されていました。

 2017年8月23日(水)

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■再生医療用ES細胞の作製、成育センターの計画を了承 京大に続いて2例目 [健康ダイジェスト]

 文部科学省の専門委員会は、さまざまな細胞や組織に変化する能力を持つES細胞(胚性幹細胞)を、医療用に作製する国立成育医療研究センター研究所(東京都世田谷区)の計画を了承しました。
 承認に必要な厚生労働省の専門委員会の了承も9月に得られる見通しで、早ければ今年度内にES細胞の作製を始めます。医療用のES細胞作製が認められるのは、今年6月の京都大学に続き2例目。
 計画では、埼玉医科大学で不妊治療で使われなかった受精卵を患者の同意を得て譲り受け、医療用のES細胞を作製。ES細胞を使った再生医療や創薬を行う研究機関などに提供します。
 ES細胞は、iPS細胞(人工多能性幹細胞)と同様に、神経や筋肉などの細胞や組織になる能力と無限に増殖する能力を併せ持ちますが、受精卵を壊すため倫理的な課題から、これまで基礎研究に利用が限られ、臨床研究など再生医療向けの作製が禁止されてきましたが、2014年に厚労省が改正した臨床研究指針で認められました。
 北米やイギリスでは、ES細胞を使って網膜の変性症や脊髄損傷、パーキンソン病、糖尿病、心疾患の臨床試験(治験)が実施されています。血液などに遺伝子を導入して作製するiPS細胞はがん化の懸念があり、再生医療への応用ではES細胞のほうが安心と考える研究者もいます。
 国立成育医療研究センター研究所の阿久津英憲部長は、「iPS細胞とES細胞の両方を治療に活用できる環境を整えるのが望ましい」と話しています。

 2017年8月23日(水)

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■用語 早期再分極症候群 [用語(さ行)]

[喫茶店]致死性不整脈へと直接つながる可能性がある不整脈疾患
 早期再分極症候群とは、心臓の器質的な病変がない場合でも、心室細動や心室頻拍などの致死性不整脈へと直接つながる可能性がある不整脈疾患。J波症候群、ERS(Early Repolarization Syndrome)とも呼ばれます。
 再分極は、心電図の波形において心臓の電気的刺激が収束していく過程のことを指す言葉であり、早期再分極症候群は、心臓の拍動を生み出す電気的刺激の伝達において、通常の場合よりも心筋の電気的刺激が早く収束する不整脈の形態を意味することになります。
 これに対して、早期再分極症候群の別名として使われることも多いJ波症候群のJ波は、心室の収縮を表すQRS波と、心室の弛緩(しかん)すなわち再分極を表すT波の間に出現することがある心電図の小さな波のことを指す言葉であり、心電図のQRS波の終わりにJ波が割り込むように出現することによって、心筋の電気的刺激を収束させる本来の波であるT波がくる前に早期に心筋の弛緩が始まることになります。
 従って、心電図においJ波が出現すると、心臓の電気的刺激の収束である再分極が通常よりも早期に始まることになるので、心電図にJ波が現れるJ波症候群は、早期再分極症候群へとつながる一連の不整脈の形態としてもとらえられることになります。
 早期再分極症候群ないしJ波症候群においては、心筋の電気的刺激の伝達において、本来よりも早く心臓の電気的刺激が収束する再分極が始まることによって、心臓の電気的状態が不安定となり、特発性の心室頻拍や心室細動といったより重篤で命にかかわる不整脈の状態へと移行する可能性がある程度高まる可能性があると考えられます。
 しかし、こうした潜在的な危険性の一方で、早期再分極や心電図におけるJ波の出現は、自覚症状がないものや、心電図におけるJ波の所見が極めて軽微であるものも含めると、全人口の5~10%程度の人に見られるほど非常に多く認められる心電図の特徴でもあります。
 つまり、早期再分極症候群という不整脈の形態自体は、発症率の極めて高い、極めて一般的な不整脈の形態であり、早期再分極症候群を有する人の多くが、実際には、失神などの危険な兆候はおろか、何の自覚症状も感じずに、心室細動のような致死的な不整脈とは無縁のまま健康な生活を送っているということにもなります。
 早期再分極症候群と診断された場合、その不整脈の形態が実際にどの程度命にかかわる危険性が高いかは、心電図に見られるJ波の波形の大きさや、頻脈発作の有無、失神やめまい、立ちくらみといった危険な兆候の有無などから総合的に判断されていくことになります。
 特に、ブルガダ症候群やQT延長症候群といったほかの致死性不整脈と合併して、この早期再分極症候群が現れている場合は、心室細動や心室頻拍を引き起こす危険性が高まる要因として重視されることになります。
 早期再分極症候群を発症する70〜80%は男性であり、発症年齢は40歳前後。突然死の家族歴を10〜20%に認め、これは早期再分極症候群の発症に遺伝的背景が関与していることを示唆しており、実際に現在までに5種類のイオンチャネル遺伝子が原因遺伝子として報告されています。
 心室細動や心室頻拍を引き起こす状況は一様でなく、夜間や睡眠中に発作を来す場合が多いものの、労作時や運動時に発作を来す場合も少なからず存在します。
 主に左室下壁誘導ないしは左室側壁誘導の早期再分極が心室細動に関連しますが、右側胸部誘導に早期再分極を認めることもあります。J波の高さはさまざまな状況において変動し、時に消失するものの、徐脈が生じたり,長いポーズ(心停止)が生じた時に増強し、心室細動の発作の直前に通常は最もJ波は高くなります。
[喫茶店]早期再分極症候群の検査と診断と治療
 循環器科、循環器内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による診断では、失神の既往歴、突然死の家族歴があり、心臓に流れる電流を異なる12方向から記録する12誘導心電図による検査で、左室下壁誘導(心電図検査のⅡ、Ⅲ、aVFと呼ばれる項目)と左室側壁誘導(心電図検査のⅠ、aVL、V4-V6と呼ばれる項目)の中の2誘導以上で1ミリ以上のJ波を認めた場合、早期再分極症候群の可能性を疑います。
 循環器科、循環器内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による治療では、心室細動が出現した場合は、植え込み型除細動器(ICD)の埋め込み手術を行います。植え込み型除細動器は、致命的な不整脈が起きても、それを自動的に感知して止めてしまう装置。
 心室細動が頻回にわたって出現する場合には、発作予防の抗不整脈薬の投与が必要となり、β(ベータ)刺激薬であるイソプロテレノールや心拍を早くするためのベーシングが有効です。再発予防には、キニジンが有効です。
 抗不整脈薬の効果がない場合は、心室細動の引き金になる心室性期外収縮を発生させている左室下壁あるいは左室側壁の異常興奮部位を探し出し、足の付け根などからカテーテルと呼ばれる電極を心臓内に挿入し、高周波電流で焼灼(しょうしゃく)するカテーテルアブレーション(カテーテル焼灼法)という手術を行うことがあります。

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■重い精神疾患の人、薬の副作用と自殺で22年短命に 東大病院が追跡調査 [健康ダイジェスト]

 重い精神疾患の人は一般の人と比べて心筋梗塞(こうそく)などの心血管疾患と自殺で亡くなるリスクが高く、平均で22年短命になっているとの調査結果を、東京大学医学部附属病院精神神経科の近藤伸介助教(精神神経科)らの研究チームが、イギリスの精神医学専門誌に論文発表しました。
 日本国内でのこうした調査は初めてで、イギリスや北欧の調査結果と傾向が一致しているといいます。
 研究チームは、精神科病院の長期入院を経て退院し、地域生活に移行した後に、近藤助教が顧問医を務める社会福祉法人「巣立ち会」(東京都三鷹市)のグループホームなどを利用した254人を追跡調査。1992年以降の24年間に45人が死亡しており、全員が統合失調症や双極性障害など重い精神疾患のほか、うつ病といった慢性精神疾患を有していました。
 45人の死因や年齢を、国の人口動態統計と比較した結果、平均入院年数は15・6年、死亡時の平均年齢は63歳で、一般の人の平均より22・2年早くなっていました。死因を分析すると、心筋梗塞などの心血管疾患が5・09倍、自殺が7・38倍、それぞれ一般の人より死亡する可能性が高くなっていました。
 心血管疾患の多さの要因は、喫煙率の高さや経済的困窮に伴う食生活の乱れ、薬の長期服用による血糖値上昇といった副作用などが考えられるといいます。自殺については、統合失調症の幻覚や妄想などが関係する可能性があるとしています。
 近藤助教は、「医療者側の支援も重要で、生活習慣や治療薬の量を改善していく必要がある」と話しています。

 2017年8月23日(水)

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