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■「近隣住宅受動喫煙被害者の会」の会員が820人に増加 5月19日に発足し7月末時点で [健康ダイジェスト]

 いわゆる「ホタル族」らがマンションのベランダなどで吸うたばこの煙が近隣住宅へ流れる受動喫煙に悩む被害者らが5月19日、「近隣住宅受動喫煙被害者の会」(事務局・横浜市中区)を正式に発足させたところ、7月末までの約2カ月半で会員登録が全国の約820人に上り、受動喫煙への不満が高まっていることが浮き彫りになりました。
 事務局は、「会員がここまで増えるとは想定外だった」と驚いています。公共スペースや店舗などでの喫煙の在り方が長らく議論になっていますが、ホタル族らによるプライベート空間での喫煙についても、ルール作りなどを巡って議論を呼びそうです。
 被害者の会は、自身も受動喫煙で健康被害を受けた埼玉県在住の荻野寿美子代表(49歳)が「受動喫煙で夜も眠れない人や、ぜんそく発作を起こした子供もいる。一人で立ち向かうのは難しい。協力して住みよい環境づくりを目指したい」として発足させ、各地で被害者相談会を開いています。
 被害者の会では今後、日本弁護士連合会へ人権救済を申し立てたり、「ベランダ喫煙禁止法」と「ベランダ喫煙禁止条例」の制定を求め国や自治体へ申し入れをしたりする予定です。
 広報担当者は、「ベランダというプライベートな空間での喫煙を一斉に禁じるのは難しいと思うが、近隣から苦情が出た時に、喫煙者や管理会社に対応を取ることを義務付けたい」と語っています。
 近隣住民による受動喫煙を巡っては、トラブルを避けるため苦情をいえない被害者が目立ちます。被害者の会役員の岡本光樹弁護士(第二東京弁護士会)は、「住居での受動喫煙の相談を年間約40件受けてきた。個別に解決策を助言してきたが、法律や条例の制定による抜本的な解決を目指したい」と語っています。
 家の中では家族に嫌がられたり煙で部屋が汚れたりするため、ベランダや庭に出てたばこを吸う人は多く、暗がりで火だけが見える姿からホタル族と呼ばれるようになりました。この近隣のホタル族に関するトラブルは、全国で多発しています。2007年~2008年にかけて東京、名古屋、大阪で行われた聞き取り調査では、「換気扇から煙が入ってくる」「ベランダなどに出られなくなった」「ベランダに布団や衣類を干せなくなった」などの問題が明らかになっています。
 福岡市中央区港には今年3月、全面禁煙の新築賃貸マンションが登場しました。昨年12月から入居者を募集し、入居開始前に全48戸が埋まりました。不動産管理会社の担当者は、「この早さで埋まるのは珍しい。関心の高さを感じた」と話しています。
 受動喫煙問題に取り組む山村行弘弁護士(第一東京弁護士会)は、「当事者同士で話をするとトラブルに発展する恐れもあるので、まずは管理会社に相談するほうがいい。苦情が出た場合に備え、管理会社はベランダでの喫煙禁止を明文化するなどの対応を検討すべきだ」と話しています。

 2017年8月20日(日)

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■児童虐待12万2578件、過去最悪を更新 厚労省まとめ、2016年度 [健康ダイジェスト]

 全国に210カ所ある児童相談所が2016年度に、児童虐待の相談・通報を受けて対応した件数は12万2578件(速報値)となり、過去最悪を更新したことが17日、厚生労働省のまとめで明らかになりました。
 集計を始めた1990年度から26年連続の増加。初めて10万件を超えた2015年度と比べ、1万9292件(18・7%)増えました。
 暴言や無視などの「心理的虐待」への対応が増加したことに加え、警察が児童相談所などへの通告を徹底したことが要因で、国は自治体に児童相談所職員の増員を促すなど体制強化を急いでいます。
 児童虐待の内容別では、心理的虐待が最多の6万3187件(51・5%)で前年度より1万4487件増加しました。身体的虐待は3万1927件(26・0%)、ネグレクト(育児放棄)は2万5842件(21・1%)、性的虐待は1622件(1・3%)でした。
 心理的虐待には、配偶者らへの暴力で子供が心理的ストレスを受ける「面前DV(ドメスティック・バイオレンス)」も含まれます。心理的虐待の増加について、厚労省は「面前DVが虐待に当たるとの認識が浸透してきたため」とみています。
 児童相談所への通告件数が最も多かったのは、警察など捜査機関の5万4813件で、前年度より1万6289件増加。これは警察庁が昨年4月、児童虐待の疑いを把握した場合、迅速に児童相談所に通告するよう全国の警察本部に通達した影響が大きいとみられます。
 都道府県別では、大阪府が1万7743件で最も多く、東京都1万2494件、神奈川県1万2194件と続きました。最も少なかったのは鳥取県で84件、島根県214件、佐賀県275件の順でした。
 前年度からの増加率で見ると、福島県(1・81倍、956件)、富山県(1・76倍、629件)、福岡県(1・75倍、4194件)などが高くなりました。一方、宮城県など7県では減少しました。
 2015年度に発生または表面化した子供の虐待死事例は、72例84人。このうち、心中以外の虐待死は48例52人で、0歳児が30人(57・7%)と最も多く、虐待の種類では身体的虐待が35人(67・3%)、ネグレクト12人(23・1%)の順に多くなりました。
 急増する児童虐待に対応するため、厚労省は昨年4月、児童相談所に勤務する児童福祉司などの専門職を2015年度の4310人から2019年度までに1120人増やす方針を決定。今年4月に施行された改正児童福祉法では、東京23区に児童相談所の設置が認められ、各区で設置に向けた準備が進められています。
 松原康雄・明治学院大学長(児童福祉論)は、「対応件数の増加は、家庭の養育能力の低下などで虐待自体が増えたことと、自治体や警察などが情報共有を進め、これまで見えなかった虐待を把握できるようになったという二つの側面がある。国や自治体は、地域や民間団体との連携を強化する必要がある」と話しています。

 2017年8月20日(日)

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■新型がん治療薬「オプジーボ」の副作用で2人死亡 12人が重症筋無力症を発症 [健康ダイジェスト]

 皮膚がんや肺がんなどの新しいタイプの治療薬「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)を投与された患者約1万人のうち12人が重症筋無力症を発症し、うち2人が死亡していたことを慶応大学などの研究チームが確認しました。19日、アメリカの神経学会誌「ニューロロジー」電子版に発表しました。
 慶応大の鈴木重明専任講師らは、2014年9月からの2年間に医療機関や製薬会社から医薬品医療機器総合機構(PMDA)に寄せられた副作用報告を分析。国内でオプジーボを投与された9869人のがん患者のうち、12人(0・12%)が重症筋無力症を発症し、このうち9人は投与直後に発症していました。
 重症筋無力症は免疫の異常で全身または一部の筋肉が動かなくなる難病で、国内には推計約2万5000人の患者がいます。全身型のほか、目だけに症状が出る眼筋型、呼吸ができなくなる最重症のクリーゼがあります。
 オプジーボ投与後に発症した12人中6人(50%)がクリーゼで、うち2人が死亡していました。一方、薬とは関係なく重症筋無力症を発症した105人では、クリーゼは7人(7%)でした。
 鈴木専任講師は、「オプジーボによる重症筋無力症の発症頻度は低いが、筋肉の炎症を起こすなど重くなる確率が高く、進行も早い。より迅速な対応が必要だ。発症を予測する検査法の開発を目指している」と話しています。

 2017年8月20日(日)

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