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■薬害ヤコブ病、訴訟136件がすべて和解で終了 1996年の初提訴から21年 [健康ダイジェスト]

 病原体に汚染された輸入硬膜の移植でクロイツフェルト・ヤコブ病に感染した患者や家族が国や製薬会社などに損害賠償を求めた訴訟で、原告弁護団は24日、大津地裁で係争中だった原告が7月に和解し、初提訴から21年で一連の訴訟136件がすべて終了したと発表しました。
 福岡県の男性(2014年に死亡、当時77歳)に関する最後の和解が7月21日に成立後、弁護団が記録を取りまとめていました。
 原告弁護団によると、136件の訴訟は大津、東京の両地裁に提訴され、いずれも和解が成立。被告側は患者1人当たり平均5500万円を支払い、賠償総額は計約75億円に上ります。訴訟の対象になった患者は136人で、療養中の女性(39歳)を除き死亡しています。
 患者や遺族は、交通事故や病気で脳外科手術を受けた際の縫合で、汚染された硬膜(ドイツのビー・ブラウン社製造のクロイツフェルト・ヤコブ病で亡くなった患者由来のヒト死体乾燥硬膜製品「ライオデュラ」)を移植され、医原性のクロイツフェルト・ヤコブ病になったとして1996年から大津地裁、1997年から東京地裁に順次提訴。
 2002年に国とビー・ブラウン社が薬害発生の責任を認め、原告との和解が進みましたが、その後も長期の潜伏期間を経て発症したケースでの提訴が続いていました。
 厚生労働省によると、硬膜移植後のクロイツフェルト・ヤコブ病の発症者は152人に上ります。弁護団は、薬害被害患者の約9割が訴訟で救済されたと指摘しています。
 東京訴訟弁護団の阿部哲二事務局長は、「患者救済に一つの区切りがつくが、新たな発症の可能性もあり、支援は続けたい」と話しています。
 クロイツフェルト・ヤコブ病は、プリオンと呼ばれるタンパク性感染因子により、脳が委縮して海綿状の病変が出現する中枢神経疾患。全身の不随意運動と急速に進行する認知症を主症状とし、発病後1~2年以内に全身衰弱、肺炎などで死に至るといわれています。日本では、厚労省の特定疾患(難病)に指定されています。
 1996年、ビー・ブラウン社はライオデュラの製造を中止し、1997年、厚生省はヒト死体乾燥硬膜製品の使用禁止を発表しました。

 2017年8月27日(日)

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■臍帯血の無届け投与で医師ら6人逮捕 愛媛、京都など4府県警 [健康ダイジェスト]

 がん治療や肌の若返りなどの名目で、全国のクリニックが他人の臍帯血(さいたいけつ)を国に無届けで投与していた問題で、愛媛、高知、茨城、京都の4府県警の合同捜査本部は27日、臍帯血をクリニックに販売した業者や実際に治療に当たった医師ら計6人を、再生医療安全性確保法違反容疑で逮捕しました。同法違反容疑での逮捕は、全国で初めて。
 逮捕されたのは、臍帯血保管販売会社「ビー・ビー」代表の篠崎庸雄(つねお)容疑者(52歳)=茨城県つくば市、篠崎容疑者の妻の信子容疑者(50歳)=同、臍帯血卸売会社「レクラン」(解散)元代表の井上美奈子容疑者(59歳)=福岡市西区、レクラン元社員の小谷治貴容疑者(36歳)=同、「表参道首藤クリニック」(東京都渋谷区)院長で医師の首藤紳介容疑者(40歳)=東京都品川区、医療法人「愛幸会」(京都市)の実質運営者で一般社団法人「さい帯血協会」理事の坪秀祐(しゅうすけ)容疑者(60歳)=大津市の計6人。
 臍帯血は、へその緒や胎盤に残った少量の胎児の血液で、赤血球や白血球などの血液細胞のもとになる「造血幹細胞」が大量に含まれています。2014年に施行された同法で、2015年11月以降に他人の細胞を移植する際に国へ治療計画を提出することが必要になりました。違反した場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。
 合同捜査本部は、昨年7月ごろから今年4月ごろにかけ、6回にわたり患者4人に無届けで治療したとして首藤容疑者を逮捕し、昨年2月から今年4月にかけ、大阪市内のクリニックなどで4回にわたり患者3人に無届けで治療したとして坪容疑者を逮捕するとともに、販売業者が全国のクリニックの無届け治療にかかわったとして、同法違反の共犯で立件したといいます。
 捜査関係者によると、無届けで移植された臍帯血は、2009年に破産した民間臍帯血バンク「つくばブレーンズ」(茨城県つくば市)が保管していたもの。バンクの株主だった篠崎容疑者が代表を務める「ビー・ビー」が約800人分の臍帯血を入手し、坪容疑者側に約200人分、井上容疑者側に約100人分を販売。坪、井上容疑者はさらに、東京都や大阪府などのクリニックに臍帯血を転売していたといいます。
 この問題では、厚生労働省が5~6月、東京都、大阪市、松山市、福岡市の民間クリニック12施設が2015年11月~2017年4月、がん治療や肌の若返りなどの目的で他人の臍帯血を無届けで移植していたとして、再生医療を一時停止する緊急命令を出しました。緊急命令前に計画を届け出るよう指導したものの無届けのまま治療を続けていたクリニックもあり、厚労省は今月25日に複数のクリニックを同法違反容疑で合同捜査本部に刑事告発していました。

 2017年8月27日(日)

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■パチンコ出玉、上限3分の2に規制へ ギャンブル依存症対策、来年2月から [健康ダイジェスト]

 警察庁は24日、カジノを合法化する「統合型リゾート(IR)整備推進法」が昨年12月に成立したことを受け、パチンコの出玉やパチスロのメダル獲得数の上限を従来の約3分の2に規制する改正風俗営業法施行規則を決定しました。ギャンブル依存症対策の一環で、来年2月1日から施行し、3年間の経過措置期間を設けます。
 7月に公表した風営法施行規則の改正案への意見公募(パブリックコメント)には、約1万4000件の意見が寄せられました。
 新ルールでは、パチンコの標準的な遊技時間を4時間と想定。4時間内でパチンコ玉の獲得総数を発射総数の1・5倍未満とする新基準を設け、大当たりの上限も現行の2400個(1玉4円換算で9600円)から1500個(1玉4円換算で6000円)に引き下げます。
 これにより、4時間の客のもうけを現行の十数万円から5万円(1玉4円換算)を下回るよう上限を定めました。これは、従来の基準の約3分の2に相当します。パチスロも、パチンコと同様の水準で規制します。
 パチンコ店は、現行の基準で警察の認定を受けた機器を最大3年間、設置することができますが、2021年までに新ルールに基づいた機器に入れ替えなければなりません。
 警察庁が7月中旬から8月上旬まで行った改正案への意見公募では、規制強化に対して、「昔ながらの健全な大衆娯楽になる」「(賛成の立場から)より厳しい内容とするべきだ」という賛成の意見があった一方、「遊技としての魅力が損なわれる」「1日に使える遊技料金を規制するべき」「遊技の長時間化を招く。依存症対策として逆効果では」「客離れが進み、パチンコ屋、遊技機製造業者などの経営が苦しくなる」などの反対意見も寄せられました。
 警察庁はほぼ当初案通り改正し、「もうけが減ることで、負けたぶんを一度に取り戻そうとのめり込むリスクも減る」「依存症問題を踏まえて過度の射幸性を抑え、適正な遊技を促したい」と説明しています。また、パチンコ店の店長ら管理者について風営法施行規則で定める業務に、依存問題に関する客への情報提供などを追加します。
 警察庁によると、パチンコホールは1995年は1万8244店舗ありましたが、2016年は1万986店舗まで減少。市場規模は2005年の34兆9000億円をピークに、2015年は23兆2000億円に減っています。

 2017年8月27日(日)

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