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■マダニ感染症の患者が前年の1・5倍に急増 51人が感染し、8人が死亡 [健康ダイジェスト]

 マダニなどを介して発症する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の感染が、西日本を中心に急増しています。
 7月26日までに国立感染症研究所に報告があった今年の感染者数は計51人で、前年同期の約1・5倍に上っています。特に九州地方と山口県は、前年同期の約2・8倍の34人に達しており、うち少なくとも8人が死亡しています。
 マダニは体長数ミリ程度で草地や野山に生息し、血を吸うと1センチ以上まで大きくなります。重症熱性血小板減少症候群はウイルスを持つマダニにかまれることで移ると考えられてきたが、昨年夏ごろに発症したとみられる野良猫にかまれて感染し、西日本在住の50歳代の女性が死亡した事例も確認されています。
 8月1日には、大阪府内で初めて60歳代の女性が重症熱性血小板減少症候群に感染したこともわかりました。
 女性は7月14日から4日間、和歌山県の山などに行き、24日、発熱や嘔吐などを訴えて医療機関を受診、現在も入院しているということです。
 国立感染症研究所によりますと、2013年1月に山口県で国内初確認されて以降、今年7月26日までに西日本を中心に21府県で280人の患者が確認され、高齢者を中心に58人が死亡していますが、大阪府内で感染が確認されたのは初めてです。
 大阪府は、野山に出掛ける時は長そで、長ズボンを着用し、虫よけスプレーを使うことなどを呼び掛けています。

 2017年8月4日(金)

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■厚労省呼び掛け、海外旅行でのはしか感染に注意を 欧州で流行中で死者も [健康ダイジェスト]

 夏休みを利用した海外旅行が本格化するのを前に、厚生労働省は海外でのはしかの感染に注意するよう呼び掛けを始めました。
 日本人に人気の旅行先である欧州では現在、はしかが流行。厚労省は、「予防接種歴を確認し、不明の場合は抗体検査を受けてほしい」と呼び掛けています。
 厚労省は、人気キャラクター「マジンガーZ」をポスターとリーフレットに採用。はしかは「麻疹(ましん)」とも呼ばれることから、キャラクター名を「麻しんがゼロ」ともじって、海外渡航者に注意喚起します。ポスターは、全国の自治体や検疫所、パスポートセンターなどに配布します。
 国立感染症研究所によると、今年の国内患者数は7月23日までに168人と、昨年1年間の159人を早くも上回りました。日本は2015年、世界保健機関(WHO)から国内に土着のウイルスが存在しない「排除国」に認定され、同年には患者数が過去最低の35人となりましたが、一転し2年連続の増加となります。
 厚労省によると、海外で感染し、帰国後に発症するケースが多く、欧州や中国、インドなどで、感染に注意する必要があるといいます。イタリアでは今年に入り3842人の患者が報告され、3人の死者も出ています。ルーマニアでは昨年1月以降、8246人の患者が報告され、32人が亡くなりました。
 はしかは「麻疹ウイルス」によって起こる感染症で、その感染力はウイルスの中で最も強く、はしかを発症している人と同じ部屋にいるだけで空気感染することがあります。ワクチン接種を受けていない人は、海外旅行の際にかかる可能性が高くなります。潜伏期間は10~12日間。主な症状は発熱や発疹で、先進国においては滅多に死亡することはありませんが、まれに肺炎や脳炎を合併すると死亡することもあります。
 厚労省は、予防接種を2回受けるよう勧めています。接種歴がわからない人は、医療機関で抗体検査を受けるのが望ましいとしています。日本国内では26~39歳の世代が、ワクチン接種数を1回しか受けていないためにワクチンの効果が十分ではなく、海外ではしかに感染するリスクが高くなります。

 2017年8月4日(金)

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■健康食品摂取で肝障害、過去3年で9件 国民生活センターが注意呼び掛け [健康ダイジェスト]

 特定保健用食品(トクホ)などの健康食品を飲んだり食べたりしたことで、体質によって重篤な肝障害を起こす場合があるとして、国民生活センターが3日、注意を呼び掛けました。
 「発症はまれだが、倦怠(けんたい)感や発熱、発疹などの症状が続く人はすぐに摂取をやめ、医療機関を受診してほしい」としています。
 国民生活センターが2014年8月から設置している「医師からの事故情報受付窓口」(愛称:ドクターメール箱)に、医師が「健康食品による薬物性肝障害」と診断した事例の報告が今年7月20日までに計9件ありました。すべてが重症で、うち3件は入院。健康食品と医薬品を併用していた人もいました。
 事例によると、今年1月、50歳代の女性は持病の脂質異常症の改善を目的にトクホの粉末青汁を飲んだところ、寒気や頭痛を覚え、肝障害と診断されて34日間入院しました。また、2015年5月、3種のサプリメントを2~3カ月間摂取していた70歳代の女性は、倦怠感や皮膚の変色が現れ、薬物性肝障害で1カ月以上入院しました。
 薬物性肝障害には、中毒性のものと、人の体質によるものがあります。国民生活センターによると、9件はいずれも体質が原因と診断され、健康食品に含まれる成分が肝臓でアレルギー反応などを引き起こして発症したとみられます。9件にかかわった健康食品はそれぞれ異なり、各製品の品質に問題はなく、有害物質や異物の混入も確認されませんでした。
 日本肝臓学会の滝川一副理事長は、「薬や健康食品による薬物性肝障害の多くは、体質が原因。アレルギーや肝臓疾患がある人に起きやすいともいわれるが、年齢や性別を問わず、誰でも発症する可能性があり、重症化し死に至る例もある」としています。

 2017年8月4日(金)

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■用語 先天性QT延長症候群 [用語(さ行)]

[バー]突然、脈が乱れて不整脈発作や失神発作を起こし、突然死に至ることもある遺伝性の疾患
 先天性QT延長症候群とは、心臓の細胞に生まれ付き機能障害があるために、突然、脈が乱れる不整脈発作や失神発作を起こしたり、時には突然死に至ることもある先天性の疾患。
 医療機関において、心臓の動きをコントロールしている電気刺激の変化を記録する心電計で検査すると、心電図に現れるQTと呼ばれる波形の部分の間隔(QT時間)が、正常な心臓に比べて長くなることから、この疾患名が付けられています。
 常染色体優性遺伝を示す遺伝性の疾患で、性別に関係なく50%の確率で親から子供に遺伝しますが、症状には個人差が大きく、遺伝子に異常があっても必ずしも不整脈発作の症状が現れるとは限りません。まれですが、先天性聾(ろう)と呼ばれる生まれ付きで両耳の聴力障害を伴うものは、常染色体劣性遺伝を示します。
 心臓は収縮と弛緩(しかん)を絶えず繰り返していますが、この先天性QT延長症候群では、心臓の筋肉である心筋細胞が収縮して全身に血液を送り出した後、収縮前の状態に戻る時間が延長するために、心筋細胞が過敏になって不整脈発作を起こしやすくなります。
 QT延長症候群には先天性と後天性とがありますが、学童期などの若年から指摘される先天性QT延長症候群は、心筋細胞の収縮と弛緩に関係する遺伝子に異常があるために起こります。一方、比較的年齢が高くなり、薬剤使用や徐脈に伴って起こる後天性QT延長症候群も、遺伝子の異常がかかわっています。
 先天性QT延長症候群の原因は現在、2つが考えられています。1つは、心筋細胞にあるイオンチャネルと呼ばれる経路の異常です。心臓が規則正しく収縮と弛緩を繰り返すには、心臓の上部にある洞結節(どうけっせつ)と呼ばれる部分が1分間に60~80回発生させている電気刺激が正しく伝えられることが重要です。電気刺激を正しく伝えるため、心筋細胞はイオンチャネルという経路を使ってナトリウムやカリウムなどのイオンを出し入れしていますが、このイオンチャネルが正常に働かなくなり、電気刺激が正しく伝えられなくなると、脈が乱れる不整脈発作が起きやすくなります。
 イオンチャネルの異常は、イオンチャネルを作る際に使った設計図の誤り、すなわち遺伝子の異常で起こります。現在では4種類のイオンチャネルに遺伝子の異常が見付かっていますが、この4種類のイオンチャネルの遺伝子に異常が見付からない場合も多く、ほかの種類のイオンチャネルにも異常があるのではないかと考えられます。
 もう1つの原因は、心臓に指令を出す交感神経の異常です。交感神経は、背骨の横に左右1本ずつあり、正常では左右の交感神経から収縮と弛緩を繰り返すように心臓に送られる指令は、バランスが保たれています。先天性QT延長症候群では、左側の交感神経の働きが右側より勝っており、バランスが崩れています。交感神経のアンバランスがなぜ起こるかは、わかっていません。
 その実数は不明ですが、先天性QT延長症候群は2500〜5000人に1人程度の発症者が存在すると推定されています。
 先天性QT延長症候群は原因遺伝子により、不整脈発作の切っ掛けや治療薬の効き方が変わってきます。重症度には個人差が大きく、遺伝子に異常があっても症状が現れない場合があることも知られています。
 症状としては、不整脈発作による動悸(どうき)、立ちくらみ、気分不快や、失神発作、けいれん発作などがあります。発作の多くは、短時間で自然に回復しますが、心室期外収縮や多形性心室頻拍から心室細動となり、回復しない場合は突然死に至ることもあります。
 また、失神発作、けいれん発作は、てんかんと間違えられることもよくあります。先天性聾、四肢の脱力、身体奇形などを伴うものもあります。
 抗不整脈薬と、日常生活における発作誘因の回避で、突然死に至るような致死性不整脈発作はかなり予防できます。正しい診断がとても大切ですので、小児循環器科、循環器科などの不整脈の専門医を受診することが勧められます。
[バー]先天性QT延長症候群の検査と診断と治療
 小児循環器科、循環器科、循環器内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による診断では、発作の既往歴、家族歴などから先天性QT延長症候群が疑われた場合は、心電図でQT時間の延長とT波と呼ばれる波の形の変化を確認します。検査の際に、運動や薬剤による負荷をかけることで、QT時間の延長がよりはっきりすることがあります。
 遺伝子診断は、治療薬の選択や適切な生活指導のために有効です。近年では、原因遺伝子の型のみではなく、各原因遺伝子の変異部位によって重症度が異なることがわかってきており、QT時間や遺伝子型、あるいは変異部位に基づいて、リスク評価を行い、治療法を決定します。
 小児循環器科、循環器科、循環器内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による治療では、不整脈発作の予防のために、β(ベータ)遮断薬、ナトリウムチャネル遮断薬、カルシウム拮抗(きっこう)薬などの抗不整脈薬を内服します。
 内服薬の効果がない場合は、植え込み型除細動器(ICD)、交感神経切除術などによる治療を考慮します。
 植え込み型除細動器(ICD)は、致命的な不整脈が起きても、それを自動的に感知して止めてしまう装置で、通常、左の胸部に植え込みます。鎖骨下の静脈に沿ってリード線を入れ、心臓の内壁に固定します。
 交感神経切除術は、心臓に指令を送る左側の交感神経を首から胸にかけて切断します。
 なお、後天性QT延長症候群により、脈が正常よりも極端に遅くなる徐脈性不整脈を起こしている場合は、脈を正常まで速めて発作が起こりにくいようにするため、恒久型ペースメーカーの植込みによる治療を考慮します。
 ペースメーカーは、徐脈時には電気刺激を出して心臓の拍動を調整する装置で、脈の状態は心臓の中に留置したリード線を通して察知します。手術で、ライターほどの大きさのペースメーカーを鎖骨の下に埋め込みます。
 日常生活においては、不整脈発作の誘因となる激しい運動や精神的興奮、驚愕を避ける、発作を誘発しやすい薬剤は服用しないなどの注意が必要です。


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