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■孤独で縮む寿命、アリの研究で改善に手掛かり ストレスで活性酸素増加 [健康ダイジェスト]

 群れで暮らす社会性昆虫のアリを1匹だけで孤立させると寿命が短くなる理由の一端を明らかにしたと、産業技術総合研究所などのチームが7日までに発表しました。ストレスに反応して体内でつくられる活性酸素が、肝臓に相当する器官で増えていました。活性酸素から体を守る抗酸化剤を投与すると、生存期間が改善しました。
 孤立した環境が健康に悪影響を与えるというデータは、人間でも得られています。ただ、他の動物を含めて、何が寿命を縮めているのか詳しくはわかっていません。
 アリは生殖機能を持つ女王アリや雄アリと、生殖機能を持たない働きアリがそれぞれの役割を果たしながら集団生活する社会性生物で、働きアリは孤立すると寿命が縮むことが知られています。そこで、オオアリに2次元バーコードを取り付けて、働きアリを1匹で飼育する孤立アリと、10匹で飼育するグループアリに分け、それぞれの行動量を比較しました。
 その結果、孤立アリは1日目から飼育箱の壁際にいる時間が長くなり、身を隠すための巣の中で過ごす時間が短くなりました。また、グループアリに比べて長い距離をより速い速度で移動することがわかりました。そこで、さらに行動観察を24時間続けた後、孤立アリとグループアリの遺伝子がどのように働いているかを解析しました。
 その結果、孤立アリでは407個の遺伝子がより多くのタンパク質を作るなど活性化する一方、487個の遺伝子の活性が低下していました。特に、過剰になると細胞を傷付ける酸化還元酵素活性を持つタンパク質を作る遺伝子群の働きが大きく変化することや、壁際にいる時間が長いほど酸化ストレスにかかわる遺伝子の活性が高まることなどが明らかになりました。
 そこで酸化ストレスを和らげる薬剤「メラトニン」を投与したところ、孤立アリでは寿命短縮が緩和された一方、グループアリでは寿命に変化はありませんでした。メラトニンと同様の抗酸化作用を持つ他の薬剤を使用しても、同様の結果が得られました。
 この結果から、チームは「酸化ストレスを和らげることで孤立したアリの行動の異常や寿命の短縮を緩和させることを初めて実証した」と結論付けました。
 さらに、同じ社会的生物である人についても、今回の成果が社会的環境ストレスの緩和や寿命の延伸につながる手掛かりになると期待しています。
 チームの古藤日子(ことう あきこ)・産業技術総合研究所主任研究員(行動生態学)は、「孤立死の仕組みがアリと人間で全く同じだとはいえないが、活性酸素は多くの生物が持っている物質なので、アリを通じて人間で使える薬の候補を探せる可能性がある」と話しています。

 2023年12月7日(木)

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■イベント弁当を食べた82人が下痢や発熱、ノロウイルス検出で食中毒と断定 愛知県豊橋市の弁当店営業禁止 [健康ダイジェスト]

 12月1日、愛知県豊橋市のスポーツ関係のイベントで配られた弁当でノロウイルスによる食中毒が起きました。82人が下痢や発熱などの症状を訴えています。
 食中毒が起きたのは、豊橋市新栄町にある弁当店「タイショク」が提供した幕の内弁当です。
 豊橋市保健所によりますと、12月3日に、「ソフトテニスの大会で、配られた弁当を食べた複数の人に嘔吐や下痢などの症状が出ている」と大会関係者から連絡がありました。
 保健所が調べたところ、12月1日に市内で開かれていたテニス大会で役員らに幕の内弁当244食が配られ、午前11時~午後8時に弁当を食べたとみられる20~70歳代の男女82人が下痢や嘔吐、発熱などの症状を訴えていることがわかりました。
 このうち男性1人が入院しているということですが、快方に向かっているということです。
 幕の内弁当の中身は、ごはん・ハンバーグ・ミートソーススパゲティ・焼肉・揚げ物(エビフライやコロッケ)・サラダなどが入っていたということです。
 市の保健所は、症状のある人や弁当の調理従事者からノロウイルスが検出されたことなどから、集団食中毒が発生したと断定。6日付けで、弁当店に対し再発防止策が講じられるまでの間、営業を禁止する行政処分を行いました。
 豊橋市は、この時期はノロウイルスによる食中毒が増えることから、トイレの後や調理前は手洗いを十分行うよう呼び掛けています。
 弁当店「タイショク」は保健所から連絡があった4日から自主的に営業を取りやめているということで、「誠に申し訳ない。調理場の除菌と清掃を行い、再発防止をしていく」としています。

 2023年12月7日(木)

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■ふるさと納税返礼品のそうめんにカビ毒小麦を使用 岩手県花巻市が発送を停止 [健康ダイジェスト]

 JA全農いわてが販売した岩手県産小麦の一つ「ナンブコムギ」から、食品衛生法の基準値を超える「カビ毒」が検出された問題で、岩手県花巻市のふるさと納税の返礼品にも対象の小麦が使われた食品があったことが7日、わかりました。
 基準値を超えるカビ毒が検出された小麦が使われていたのは、花巻市のふるさと納税の返礼品の1つ、「花巻産南部小麦そうめん」です。
 JA全農いわての発表を受けて花巻市は11月29日、この商品の発送を取りやめるとともに寄付の受付を停止しました。
 しかし、7月14日以降に発送され、賞味期限が「2025年5月」と表示されているものが334件あり、市では食べるのを控えるよう寄付をした人にメールで呼び掛けています。
 市は発送されていないぶんを含む合わせて357件、392万7000円の寄付金を返還することを決め、代替品の発送にも対応することにしています。
 これまでのところ健康被害の情報は寄せられていないということです。
 一方、宮城県石巻市は7日、9~10月に市内の小中学校でカビ毒が検出された小麦を使った給食が計3回提供されていたと発表しました。この給食は市内の21の小中学校に提供されましたが、健康被害は確認されていないとされています。
 また、宮城県気仙沼市の小中学校の給食でも、カビ毒が検出された小麦を使ったせんべい汁が提供されていたことがわかりました。

 2023年12月7日(木)

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■横須賀市でもカビ毒検出小麦を学校給食に使用 健康被害の報告なし [健康ダイジェスト]

 神奈川県横須賀市教育委員会は6日、市立小44校と特別支援学校1校の給食で、嘔吐などの恐れがあるカビ毒が基準値を超えて検出された小麦「ナンブコムギ」を使用していたと発表した。現時点で児童らに健康被害は報告されていません。
 ナンブコムギは岩手県産小麦の一つで、JA全農いわてが11月に食品衛生法の基準を上回るカビ毒の検出を発表。食材メーカーから11月28日、横須賀市教育委員会側に使用の連絡がありました。
 教育委員会によると、11月20~24日、ナンブコムギを原料とする「かやき煎餅(せんべい)」が「せんべい汁」として提供されました。児童や教員ら計約1万7500人が食べたとみられます。
 教育委員会の担当者は、「1人当たりの摂取は少量と考えられる」としました。

 2023年12月7日(木)

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■冷房機器の温室効果ガス排出量、2050年までに68%削減で合意 COP28で日本含む63カ国 [健康ダイジェスト]

 アラブ首長国連邦(UAE)で開催中の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)で5日、日本やアメリカを含む63カ国が、冷房部門の温室効果ガス排出量を2050年までに2022年比で少なくとも68%削減する誓約に賛同し、署名しました。
 国連環境計画(UNEP)などの報告書によると、世界全体の電力消費量のうち、冷房部門は約20%を占め、温暖化や人口増に伴う冷房機器の需要増によって、2050年までに2倍以上になると予測されています。
 また、冷房機器は一般的に二酸化炭素(CO2)の数百~1万倍超の温室効果がある代替フロンを冷媒に使用しており、対策をとらなければ、冷房部門の温室効果ガス排出量は2050年までに全体の10%以上を占めるといいます。
 誓約では、建物の断熱対策やエネルギー効率のよい冷房を導入して消費電力を削減すれば、冷房部門の温室効果ガス排出量を2050年までに60%以上削減し、最大5兆ドル(約735兆円)の電気代を節約できる可能性があると指摘しました。
 一方、アフリカやアジアでは約12億人が冷房機器を利用できず、温暖化による猛暑で、命の危険にさらされているといいます。
 UNEPのインガー・アンダーセン事務局長は、「気温上昇から人命を守るには冷房機器の導入が不可欠だが、脱炭素につながるものでなければならない。今すぐ行動を起こす必要がある」と述べました。

 2023年12月7日(木)

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