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■遺伝性認知症患者が新薬の治験などに参加できる仕組み始まる 全国15の大学病院などのグループ [健康ダイジェスト]

 遺伝子の異常が原因で発症する遺伝性の認知症の患者が、新たな治療法の研究や治験などに迅速に参加できるよう、事前に患者を登録する新しい仕組みを信州大学などのグループが始めました。
 アルツハイマー病や脳血管性の認知症など、さまざまな認知症には、遺伝子の異常が原因となる遺伝性の患者がいることが知られています。
 「HEDーTRC」と名付けられた新たな仕組みは、遺伝性の認知症の患者に事前に登録してもらい、新薬の治験などが行われる際に迅速に参加できるようにするもので、全国15の大学病院などで作るグループが始めました。
 4日は、長野県松本市の信州大学医学部附属病院で最初の患者の登録が行われ、遺伝性の脳血管性認知症の50歳代の男性患者が医師から説明を受けた後、登録の手続きを行いました。
 遺伝性の認知症は、遺伝子の異常を詳しく研究することで、認知症発症のメカニズムの解明や治療法の開発などにつながるとして注目されていますが、患者の数が少なく研究に参加してもらう患者を集めるのがむずかしいことが課題となっていました。
 今回、登録した患者の男性は「自分だけでなく、多くの人にとってよい結果につながってほしい」と話していました。
 研究の代表を務める信州大学医学部の関島良樹教授は、「まずは遺伝性の認知症の方々の治療の力になることを目指すが、最終的には得られた成果を元に一般的な認知症の治療法の開発にもつなげたい」と話していました。

 2024年3月4日(月)

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■緊急避妊薬の処方箋なしの試験的な販売、来年度も継続へ 販売薬局増も検討 [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は、性交直後の服用で望まない妊娠を防ぐ緊急避妊薬(アフターピル)を医師の処方箋なしで薬局で試験的に販売する調査研究を、来年度も継続します。近くまとまる今年度の調査結果を踏まえ、販売薬局を増やすかや購入希望者への情報提供の内容を見直すかなどを検討します。
 性暴力にあったり、避妊に失敗したりした女性が使う緊急避妊薬(一般名・レボノルゲストレル)は、ホルモン剤を成分とする錠剤の薬で、排卵を遅らせる効果があり、国内では2011年に承認されました。性交後72時間以内に飲むと、8割の確率で避妊できるとされます。副作用は子宮からの出血や頭痛などが報告されていますが、重大なものはないとされています。
 世界約90カ国・地域では、医師の処方箋なしで薬局で購入できます。国内でも市販化を求める声の高まりを受け、厚労省が、有識者検討会などで市販化の議論を進めてきました。
 調査研究は、厚労省の委託を受けた日本薬剤師会が昨年11月20日、全国145所の調剤薬局で始めました。購入できるのは16歳以上の女性で、16歳、17歳は保護者の同伴が必要となります。同会は、購入した女性へのアンケート調査などを実施し、薬剤師の説明だけで安全に服用できるかを確かめます。
 厚労省は、今年度のデータのみでは、薬剤師だけで適正に販売できるかの検証がむずかしいと判断し、来年度の調査研究も、同会を中心に進める方針です。
 市民団体「緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト」共同代表の染矢明日香さんは、「今の仕組みでは、販売する薬局が限られているため、必要な時に入手するのがむずかしい。厚労省は漫然と研究を続けるのではなく、早期の市販化を目指してほしい」と注文しています。

 2024年3月4日(月)

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■世界初の生体肺肝同時移植手術に成功 京都大病院で10歳未満の男児に両親と祖父が提供 [健康ダイジェスト]

 京都大医学部付属病院は4日、世界で初めて、生体の肺と肝臓を1人の患者に同時に移植する手術を実施し、成功したと発表しました。先天性の疾患がある関東在住の10歳未満の男児に、両親の肺、祖父の肝臓のそれぞれ一部を移植しました。手術は2023年11月15日に行われ、男児は3月1日に退院しました。
 同病院によると、海外では脳死患者から提供された肺と肝臓の同時移植は少数ながら行われています。日本は海外と比べて脳死による臓器提供が少ない現状があり、脳死でも実施事例がありませんでした。生きている健康な人が提供者となる同時移植は世界初で、同病院は「新しい治療の可能性を広げた意義は大きい」としています。
 男児は、染色体の異常が原因で、全身の臓器などに影響が出る「先天性角化(かくか)不全症」の患者。根治療法はなく、国内の重症患者数は約200人とされます。
 男児は2歳で血液細胞が減少する再生不良性貧血になったため、4歳の時に妹から骨髄移植を受けました。しかし、その後に肺や肝臓の疾患も発症し、移植が必要になりました。
 手術は、父親(40歳代)の右肺の一部、母親(40歳代)の左肺の一部、祖父(60歳代)の肝臓の一部をそれぞれ移植。4つの手術室を使い、医師ら約30人が参加して、約18時間かかりました。両親と祖父は、すでに社会復帰しているといいます。
 男児の両親は病院を通じ、「当初はもう打つ手はないものと絶望的な気持ちで、(移植手術は)唯一の希望でした。今回の移植を機に、これまで移植をあきらめるしかなく、何もできないもどかしさや絶望感を抱えている患者さんや親族の方の一筋の光になればうれしいと考えております」とコメントしました。

 2024年3月4日(月)

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■アステラス製薬、更年期障害薬の日本での最終段階の治験を開始 [健康ダイジェスト]

 アステラス製薬は4日、更年期障害向け治療薬「フェゾリネタント」について、日本で臨床試験(治験)の最終段階に当たる「第3相治験」を始めたと発表しました。治験の結果を踏まえて、日本でも承認を申請する方針です。
 フェゾリネタントは、女性の閉経に伴って現れる、顔のほてりやのぼせなど「ホットフラッシュ」と呼ばれる症状を治療する経口薬。2023年5月に承認を取得したアメリカでは、「ベオーザ」の製品名で販売を始めています。
 更年期障害の症状に対して、エストロゲン製剤を用いたホルモン補充療法が行われることもあるものの、乳がんや血栓症の発症リスクを高める可能性が指摘されています。これに対して、初の非ホルモン治療薬としてアメリカで承認されたのがフェゾリネタントで、日本でも更年期障害の治療に向けた新たな選択肢となる可能性があります。
 アステラス製薬は同薬のピーク時の売上高を最大5000億円と見込み、注力製品の一つと位置付けています。アメリカのほか、ヨーロッパでも2023年12月に承認を取得しています。

 2024年3月4日(月)

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