SSブログ

■糖尿病の関係遺伝子発見、治療薬に期待 京大ウイルス研究所 [健康ダイジェスト]

 京都大学ウイルス研究所の増谷弘准教授、大学院生の吉原栄治さんらは、食べ過ぎや運動不足などの生活習慣が原因でなりやすい「2型糖尿病」の発病や悪化に関係する遺伝子を見付け、英科学誌に発表しました。
 遺伝子は、血糖値を調節する「インスリン」の分泌を抑える仕組みにかかわっていました。治療薬の開発につながると期待されます。
 糖尿病患者の大半は、2型糖尿病。小児期に発症し、ウイルスや免疫異常で膵臓の細胞が破壊されてインスリンを作れなくなる「1型糖尿病」とは違い、生活習慣が主な原因です。
 京大ウイルス研究所のグループは、遺伝子の異常で肥満になるマウスに注目。この肥満マウスは、インスリンの分泌が悪くなるだけでなく、インスリンが効きにくくなって2型糖尿病とそっくりな症状が出ます。
 この肥満マウスでTBP2という遺伝子の働きをなくしたところ、肥満になってもインスリンの分泌が減らず、インスリンが効きにくくなることもなく、血糖値も上がりませんでした。このTBP2は、インスリンの分泌にブレーキをかける分子の働きを調節していることが判明しました。
 これまでに知られていなかったインスリン分泌を制御する仕組みとみられ、増谷准教授は「TBP2の働きを抑える新しい糖尿病治療薬が開発できる可能性がある」と話しています。
 2型糖尿病は、インスリン分泌が低下しやすく糖尿病になりやすい体質を持っている人に、過食、運動不足、肥満、ストレス、加齢のほか、発熱、過労、手術、薬の服用、ほかの疾患の影響、妊娠など、インスリンの作用を妨害するような引き金が加わって発症するタイプです。
 日本人の糖尿病の約9割がこのタイプに当てはまり、生活習慣病の一つとされています。この2型糖尿病では、親や兄弟にも糖尿病にかかっている人がいることが多く、遺伝的要素が強く関係していると見なされています。
 過食など発症の引き金となる複数の因子の中では、とりわけ肥満が深く関係しています。調査によると、2型糖尿病患者の約3分の2は、現在肥満であるか、過去に肥満を経験しています。実際、肥満者ではインスリンの血糖低下作用が弱まっていることも、明らかにされています。

 2010年11月28日(日)




nice!(4)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0