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■小児用人工心臓を初の保険適用、8月から実施 厚労省 [健康ダイジェスト]

 厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会は22日、重い心臓病の子供が使う小児用補助人工心臓について、「医療上の必要性が極めて高い」として保険適用を承認しました。
 国内では大人用しか承認されておらず、小児用の適用は初めて。8月1日から実施されます。心臓移植を受けるまでの間、心機能の低下を補うつなぎとして使われます。
 保険適用が承認された小児用補助人工心臓は、ドイツの医療機器メーカー、ベルリンハート社が開発した「EXCOR(エクスコア)」。体内に装着したポンプが血液を送り出し、心臓の働きを補助します。
 厚労省によると、年間25人程度の子供に使われると見込まれます。
 保険適用後も心臓の片側を補助するために1カ月間使用した場合、手術費も含め900万円近く医療費がかかります。実際には、患者の自己負担を軽減する高額療養費制度や、自治体単位の医療費助成制度があるため、患者負担はかなり抑えられる見通し。
 EXCORは欧米では1990年代から広く使われ1000例以上の使用実績がありますが、日本国内で医療機器の承認に遅れが生じており、国内で海外の医療機器が使えない「デバイスラグ」として問題視されていました。
 今年1月には心臓移植を待っていた6歳未満の女児がEXCORを使えず、大人用補助人工心臓を使用していた際に生じたとみられる血栓で脳の血管が詰まり、脳死に至りました。
 女児の両親が早期承認を求めるコメントを発表し、日本小児循環器学会も厚労省に要望書を提出した結果、厚労省の専門部会は6月に、申請からわずか約7カ月という異例の迅速審査で国内販売を認めました。
 ただ、保険適用が承認されても課題は残ります。小児用補助人工心臓の長期使用には血栓が生じて脳梗塞などを発症させるリスクがあるため、心臓移植の臓器提供者が現れなければ、いずれ命を落とすことになります。子供たちを救うには、臓器提供者の存在が不可欠となります。

 2015年7月24日(金)

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