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■厚労省、肝がんの治療費助成制度を創設 肝炎ウイルス性の患者、月1万円負担に [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は肝炎ウイルスが原因で発症した肝がん患者を支援するため、2018年度から医療費の助成制度を新設します。
 B型やC型の肝炎患者には国から治療費の一部がすでに助成されていますが、より状態が厳しい肝がん患者への助成制度はありませんでした。このため、高額な医療費の自己負担で生活に困難を来しているなどとして、患者団体が国に助成制度の創設を求めていました。
 厚労省は28日、肝炎対策推進議員連盟の総会で、2018年度予算の概算要求に約13億円を計上したことを報告しました。
 新制度では、年収が370万円未満など一定の要件を満たした肝がん患者を支援。4カ月目以降の入院医療費が対象で、自己負担を1万円に軽減します。現在は年収が370万円未満で、高額療養費制度が適用されると4万4400円の自己負担となっています。
 厚労省によると、2015年度の肝がん患者のうち、B型肝炎によるものが2万2000人、C型肝炎によるものが8万人に上るといいます。このうち所得要件などを満たすと想定される患者は、B型肝炎とC型肝炎を合わせて約1万人と試算しています。
 B型、C型肝炎ウイルスに感染すると、慢性肝炎、肝硬変をへて最終的に肝がんとなる恐れがあります。国内の肝炎ウイルス感染者の多くは、輸血や血液製剤の投与、集団予防接種での注射器使い回しなどが原因とみられています。感染者は300万人に上ると推定され、持続的な感染が肝がんの主要な原因とされている。肝がんは5年以内の再発率が70~80%と高く、治療費はがんの中でも高額で、年間3万人が亡くなっています。
 全国B型肝炎訴訟原告団の田中義信代表は、「大きな救済の道になるが、対象外になった肝硬変患者にも今後広げてほしい」と話しました。

 2017年8月29日(火)

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■再生医療施設のホームページ上での公表停止 厚労省、臍帯血事件を受け [健康ダイジェスト]

 新生児のへその緒などに含まれる臍帯血(さいたいけつ)の無届け投与を巡る再生医療安全性確保法違反事件を受け、厚生労働省は29日までに、ホームページ上での再生医療を提供する医療機関の公表を一時停止しました。
 提供機関の一覧には、医療機関名や住所、実施責任者などを掲載。今回の事件で逮捕された医師が院長を務める「表参道首藤クリニック」(東京都渋谷区)や、厚労省が臍帯血移植を一時停止するよう緊急命令を出したクリニックも含まれていました。再生医療安全性確保法に基づき、臍帯血移植とは別の再生医療の計画を届け出ていたため、掲載していたといいます。
 しかし一覧には、再生医療の内容が記載されておらず、厚労省は「臍帯血移植も国から認められているという誤解を与える恐れがある」と判断。現状では適切な医療機関を見分けるのが困難だとして、提供機関一覧のページの削除に踏み切りました。
 厚労省は、再生医療を医療機関が実施する場合は審査を義務付け、適切と認められれば施設側の同意を得て公表していました。今後は、外部の有識者の意見も踏まえて掲載基準を早急に見直し、公表を再開する方針だといいます。
 加藤勝信厚生労働大臣は、「誤解を与えないよう、公表の在り方を早急に検討していきたい」と話しています。

 2017年8月29日(火)

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■慢性痛の患者の7割近くは我慢、3割は通院歴なし  製薬大手ファイザーが全国調査 [健康ダイジェスト]

 日本人の5人に1人は慢性的な痛みを抱えるとされますが、がんや精神疾患と比べて実態調査が進んでいません。このほど製薬大手のファイザー(東京都渋谷区)が全国の8924人を対象に実施した調査では、長く続く痛みを抱える人の7割近くが「痛みがあっても我慢すべきだ」と答え、3割が通院歴を持たないことが明らかになりました。「我慢は美徳」という価値観は根深いようです。
 6月2日から19日かけてインターネット上で、週2回以上の頻度で痛みが起こったり、3カ月以上痛みが続いたりするなど慢性的な痛みを抱える人にアンケート調査を行い、20歳代以上の8924人から回答を得ました。
 「痛みがあっても我慢すべきだ」と答えた人は67%、「慢性的な痛みの完治をあきらめている」との回答も69%でした。
 長期の痛みで通院した経験を聞くと、33%が「通院した経験がない」と答えました。通院しない理由では、「通院するほどでないと思う」が37%と最多で、次いで「通院しても治らない気がする」が34%でした。
 スクリーニングテストを実施したところ、27・4%に神経障害性疼痛(とうつう)の疑いがあることが判明。また、神経障害性疼痛の疑いがある人に通院した経験を聞くと、27%が「通院した経験がない」と答えました。
 痛みを感じた時の対処法を聞くと、最多は「病院・医院で処方された薬」(52%)で、「自己対処している(柔軟体操、マッサージ、冷やす・温めるなど)」(32・6%)、「整体、鍼灸(しんきゅう)、接骨院、マッサージなど(病院・医院以外)で治療を受けている」(27・3%)が続きました。
 医療機関を受診する切っ掛けは、「日常生活に大きな支障が出た時」(62・2%)、「あまりにも症状がつらいと感じた時」(56・3%)、「具体的な疾患の可能性があるとわかった時」(27・7%)と続きました。
 長く続く痛みを我慢しているかどうかを都道府県別にみてみると、我慢していると回答した割合が最も高かったのは栃木県(81・6%)で、最も低かったのは神奈川県(68・3%)でした。長く続く痛みを我慢するべきかどうかを都道府県別にみてみると、我慢するべきと回答した割合が最も多かったのは栃木県(74・7%)で、最も少なかった秋田県(60・2%)と14・5ポイントの開きがありました。
 慶応義塾大学医学部で整形外科学を専門とする中村雅也教授は、「特に運動器の痛みは甘くみられがちだが、慢性化すると対処できなくなる。まずは医療機関で診断して根本治療をしてほしい」と話しています。
 一方で、厚生労働省の疫学調査からは、医療機関側の問題も浮き彫りになっています。2010年度からの調査では、痛みの程度に大差はないにもかかわらず、最初に医療機関に行った人の満足度が整体・マッサージなど民間療法より低くなりました。痛みが持続した人では、医療機関の受診後に民間療法へ流れた人が3割いました。
 背景には、炎症や外因的な痛みでなく、糖尿病などの疾患による神経性の痛みや心理的な原因による痛みを十分に見分けられていない実態があるようです。これらの痛みは診療前の簡易アンケートなどで患者群の絞り込みが可能ですが、中村教授は「十分な検査をしきれていない医療機関も多い。治療する側の認識の甘さは否めない」と指摘しています。
 日本整形外科学会などでは、画像診断や血液による高精度の診断法の確立や診療前アンケートの再考が進んでいます。
 アメリカでは慢性的な痛みの治療の遅れにより、年60億ドル(約6500億円)の損失が生まれるとの調査もあります。経済・社会的な影響も大きく、医療機関、患者の双方が痛みに対する認識を改める必要がありそうです。
 慢性疼痛は、炎症や刺激による痛み(=侵害受容性疼痛、外傷やリウマチなど)、神経の痛み(=神経障害性疼痛、帯状疱疹後疼痛、糖尿病性神経障害に伴う痛みやしびれなど)、心理的な要因の痛み(=心因性疼痛)の大きく3つに分かれ、しばしば混在します。

 2017年8月29日(火)

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■群馬大病院の執刀医らの医療行為停止を要望へ 手術死の遺族らに謝罪なし [健康ダイジェスト]

 群馬大学医学部付属病院で手術後に患者が相次いで死亡した問題で、執刀医の須納瀬(すのせ)豊医師と、上司で旧第二外科診療科長の竹吉泉元教授による遺族への説明会が26日終了し、遺族会と弁護団が群馬県庁で記者会見しました。遺族会は「反省の色がない」とし、早ければ今週にも、2人に対し医療行為停止などの行政処分を求める要望書を厚生労働省に提出すると発表しました。
 説明会は7月30日に始まり、出席した8組の遺族に対する全体的な説明の後、計3日間で各遺族に対する個別説明が行われました。
 須納瀬医師(退職、懲戒解雇相当)や竹吉元教授(諭旨解雇)との直接の面会は、遺族と弁護団が求め続け、約2年越しで実現。そのこと自体は「高く評価する」としましたが、個々の診療行為や上司としての監督の在り方について明確な謝罪はなく、全体的な内容には「失望した」と遺族会代表が発言しています。
 遺族らによると、2人ともカルテの記載が不十分だったことだけは認めたものの、患者への説明や、 手術後の管理などには落ち度を認めず、当時の病院の体制ではできる限りの努力をしたという説明でした。
 弁護団の独自調査や日本外科学会による検証では、「手術が性急」「手術自体の意図が不明」などとした須納瀬医師の技術上の問題が指摘されていましたが、このことについては「元教授らはむしろ技術が高いという認識だった」と弁護団の梶浦明裕事務局長が発言しています。
 指摘されてきた問題点を認める姿勢がみられなかったことで、遺族会と弁護団は、「再発防止の観点から、行政処分を受けて再教育する必要がある」と判断しました。
 また、問題を認めて謝罪し、補償の意向を示している大学側とは今後、前向きに交渉を進めることを表明。刑事告訴についても、引き続き検討する意向を示しました。
 遺族会代表の30歳代男性は、「しっかりした謝罪があれば処分を求めたくはなかったが、執刀医や元教授の態度や発言から、そうせざるを得ないというのが遺族会の結論だ」と話しました。
 群馬大病院を巡っては、旧第二外科で肝臓の腹腔鏡(ふくくうきょう)手術を受けた患者8人が、術後約3カ月以内に死亡していたことが2014年に発覚しました。その後、肝臓や膵臓(すいぞう)の開腹手術でも、患者の死亡が相次いだことがわかり、外部有識者による事故調査委員会は昨年7月、カルテの記載や手術前のリスク評価などの不足を指摘し、診療体制が極めて脆弱(ぜいじゃく)だったなどとする報告書をまとめました。

 2017年8月28日(月)

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