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■動物実験施設の社員、サルから感染のBウイルス病に 鹿児島で国内初の発症 [健康ダイジェスト]

 鹿児島市28日、医薬品研究会社「新日本科学」(本社・東京都中央区)の同市内にある動物実験施設で、社員1人がサルとの直接接触で感染する「Bウイルス病」を発症したと発表しました。市によれば、人へのBウイルスの感染は国内初といいます。
 Bウイルス病は、サルにかまれたり体液に直接触れたりすることで感染します
。潜伏期間は2~5週間で、発熱やまひなどを引き起こし、重症の場合は神経障害が残ります。
 市によると、社員は今年2月、頭痛や発熱の症状を訴え、市内の医療機関を受診。原因が特定されず、8月末に別の医療機関で遺伝子検査を受けました。11月上旬に感染が判明し、医療機関が感染症法に基づき市に届け出ました。連絡を受けて11 月下旬、市や厚生労働省、国立感染症研究所が調査に入り、同研究所による検査の結果、Bウイルス病の発症を確認したといいます。
 市は社員の容体や性別、年齢を明らかにしていません。
 市は「施設内で適切な感染症対策をしており、Bウイルスは空気感染もしない」として、ほかの人への感染の恐れはないと説明しています。感染経路の調査は続けるといいます。
 Bウイルス病は、狂犬病などと同じく感染症法の4類感染症に指定されており、患者を診察した場合は直ちに保健所に報告する必要があります。アカゲザルなどのマカク属のサルの半数以上が潜在的に感染しているとされ、世界的には人への感染例は50例ほどあるとしています。
 動物実験施設を管理・運営する新日本科学によると、感染した社員は普段、データ処理などを担当していましたが、動物実験の補助として施設内に立ち入ることもあったといいます。
 国立感染症研究所の西條政幸ウイルス第一部長によると、これまでの海外でのBウイルスへの感染例は、動物園や研究機関など日常的にサルに触れる機会のある人がほとんどといい、「野生のサルにかまれて発症した報告はない」と話しています。
 それでも、野生のサルにかまれて心配な場合は「病院でサルにかまれたことを伝えれば、予防薬の投与を受けることができる」と冷静な対応を呼び掛けています。

 2019年11月30日(土)

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