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■2018年の温室効果ガスの排出量、過去最悪の多さに上る  国連環境計画が発表 [健康ダイジェスト]

 国連環境計画(UNEP)は、昨年1年間に世界で排出された温室効果ガスの量が統計を取り始めてから過去最悪の多さになったとする報告書を発表し、各国に対して環境政策の大幅な強化を求めています。
 この報告書は、12月2日から地球温暖化対策について話し合う国連の会議、「COP25」がスペインで始まるのを前にUNEPが26日、スイスのジュネーブで発表しました。
 報告書によりますと、2018年1年間に世界で排出された温室効果ガスの量は553億トンと、これまでの排出量を更新して過去最悪の多さとなりました。
 報告書では、世界の平均気温の上昇を、産業革命前に比べて、2度未満に抑えるためには2030年の時点で150億トン減らす必要があると指摘していますが、現状では実現が難しく、各国に対して環境政策の大幅な強化を求めています。
 特に日本に対しては、石炭火力発電所の建設を中止するほか、再生可能エネルギーを利用することで石油の利用を段階的にやめていくことなどを求めています。
 この報告書はCOP25でも取り上げられる予定で、各国が対策の強化につなげられるか問われています。
 資源エネルギー庁によりますと、2018年度の日本国内の発電電力のうち化石燃料を使った火力発電は76%に上ります。
 燃料別で見ますと天然ガスが38%、石炭が31%、石油などが7%となっています。 ほかの主要国の化石燃料が占める割合は原子力発電の割合が多いフランスが9%、ドイツが57%、温暖化対策に消極的とされるトランプ政権のアメリカが65%となっています。
 日本で火力発電の割合が高いのは福島第一原発の事故の後、原発の稼働がゼロになり、火力発電で補う必要があったことが影響しています。ただ海外からは、火力発電の中でも石炭の比率が高く、石炭火力発電所を新設していることが批判されています。
 石炭火力発電の新設について政府は、安定供給と経済性に優れた重要な電源であるとして、環境への影響などをみた上で問題がないと判断すれば認めることにしています。
 また、日本がインドや東南アジアなどに石炭火力発電の導入を支援していることについても批判の声も出ていますが、これについて資源エネルギー庁は、「日本が輸出する高い効率の発電技術は二酸化炭素の排出を抑えることができ、結果的にはアジア全体の温室効果ガス削減につながる」と説明しています。
 国立環境研究所地球環境研究センターの江守正多副センター長は、「パリ協定では世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べ1・5度に抑える努力をすることになっているが、そのためには2050年には温室効果ガスの排出量をゼロにするペースで減らしていかないといけない。まず1年でも早く減少に転じなければいけないが、2018年に増えてしまったのは焦りを感じなければいけない状態だ」と指摘しました。
 そして、「日本が石炭火力発電所を新設していることに国際的に批判が寄せられている。近年、大きな水害や猛暑を経験したことも踏まえて、気候変動を止めるための施策をもう一度、真剣に考えなければならない。パリ協定が来年から本格的に始まるが、来月、開かれるCOP25で各国がどのような取り組みを示すのか、注目される」と話しています。

 2019年11月26日(火)

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■医師の乗らない移動診察車で訪問、病院とつなぎ治療 12月から実証実験へ [健康ダイジェスト]

 通信設備や医療機器を備え、医師が乗っていなくても遠隔医療に利用できる新たな車が開発されました。12月から、長野県伊那市で実証実験が行われる予定で、医師不足に悩む地域での活用が期待されています。
 車は、オランダの電機メーカーのフィリップスが、ソフトバンクやトヨタ自動車などが出資する「モネ・テクノロジーズ」と共同で開発しました。
 車はワゴンタイプで、車いすを使う人を安全に運び入れるためのリフトや、ベッドなどが備え付けられています。また、病院にいる医師とつなぐテレビ電話システムのほか、心電図や脈拍、血糖値を測る機器も搭載されています。
 運転手と看護師が車に乗って、移動先で患者の血圧などを測定し、離れた場所にいる医師がテレビ電話で測定結果などを見ながら遠隔で診察するということです。
 医師の移動時間がないため、より多くの患者の診察が可能になり患者の負担も軽減できるということで、会社は、長野県伊那市と連携し、12月から2021年3月まで病院が近くにない山あいの地域に車を派遣して、実証実験を行う計画です。
 その後、開業医や中核病院と連携を深め、事業のモデルケースを確立したい考え。将来的には自動運転でこうした医療サービスを提供することも視野に入れています。
 フィリップスの日本法人の堤浩幸社長は、「この車を使えば、患者のもとに病院が移動するような形になる。国内だけでなく海外での展開も目指したい」と話しています。

 2019年11月26日(火)

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