■国内で新たに204人が新型コロナに感染 重症者は１年３カ月ぶり100人下回る

　国内では９日午後６時10分の時点で、東京都で30人、大阪府で28人、兵庫県で16人、埼玉県で14人、北海道で13人、神奈川県で12人、岡山県で11人など、宮城県や三重県など17県を除く30都道府県と空港検疫で、新たに計204人の新型コロナウイルスへの感染が確認されました。
　また、埼玉県で１人、東京都で１人、沖縄県で１人の、合わせて３人の死亡の発表がありました。
　国内で感染が確認された人は、空港・海港検疫などを含め172万4172人、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客・乗員が712人で、合わせて172万4884人となっています。
　感染して亡くなった人は、国内で感染が確認された人が１万8315人、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗船者が13人で、合わせて１万8328人です。
　厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、前日より２人減って99人となっています。重症者が100人を下回るのは、88人が確認された昨年８月４日以来で、１年３カ月ぶり。ピーク時の今年９月には2000人を超えており、約２カ月で大幅な減少となりました。
　一方、東京都は９日、都内で新たに10歳未満から80歳代までの男女合わせて30人が、新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。
　都内の１日の感染確認が50人を下回るのは、24日連続です。１週間前の火曜日より12人増え、８日に続いて前週の同じ曜日を上回りました。直近１週間平均の新規感染者は23・１人で、前週比で105・５%でした。１週間平均が前週を上回るのは８月24日以来となります。
　都福祉保健局の担当者は、「新規感染者数がこの水準のため、少し増えただけで前週を上回る。まだ横ばいの状態が続いているといっていい。引き続き、手洗いや３密の回避、マスクの着用など感染防止対策の徹底をお願いしたい」と話していました。
　新規感染者30人を年代別にみると、20歳代が８人と最も多く、30歳代が７人で続き、65歳以上の高齢者は５人でした。
　30人のうち22人は、感染経路がわかっていないということです。都内の感染者は、累計38万1844人となりました。
　一方、都の基準で集計した９日時点の重症の患者は、８日と同じ10人でした。
　また、都は、感染が確認された80歳代の男性１人が死亡したことを明らかにしました。
これで都内で感染して死亡したのは、3157人になりました。

　２０２１年１１月９日（火）

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■アメリカの医薬品企業の抗体カクテル薬、８カ月後もコロナ予防効果

　アメリカの医薬品企業リジェネロン・ファーマシューティカルズは８日、同社が開発した新型コロナウイルスの抗体カクテル薬「ＲＥＧＥＮーＣＯＶ」について、投与後２～８カ月の期間、コロナへの感染リスクを81・６%低減させる効果が確認できたと発表しました。
　リジェネロンは４月、この２種類の抗体を組み合わせて投与する抗体カクテル薬の予防効果についての後期臨床試験（治験）の結果として、投与から１カ月の期間に感染リスクを81%低減させる効果があったと発表していました。今回の発表は、同じ治験の参加者を対象に、投与から８カ月後までの感染状況のデータを集めて分析しました。この期間中、プラセボ（偽薬）投与グループからはコロナ感染により６人が入院したのに対し、抗体カクテル薬を投与したグループでは入院患者はいませんでした。
　リジェネロンと共同で治験を進めたアメリカ国立衛生研究所（ＮＩＨ）のコーエン医師は、抗体カクテル薬が長期の予防効果を持つ可能性を示したことは、免疫機能低下などの理由でワクチンが効きにくい人に「特に重要性の高い結果だ」とコメントしました。
　アメリカでこの薬はすでに、重症化リスクが高い軽度から中程度の症状がある患者向け治療薬として、また濃厚接触者の予防薬として、アメリカ食品医薬品局（ＦＤＡ）から緊急使用が承認されていますが、リジェネロンは免疫疾患などでワクチンを接種しても抗体を作れない人にも緊急使用の適用範囲を広げるよう申請しています。

　２０２１年１１月９日（火）

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■国民医療費、３年連続で過去最高に １人当たり２・５％増の35万1800円

　厚生労働省は９日、2019年度に病気やけがの治療で全国の医療機関に支払われた国民医療費（確定値）が、前年度より9946億円（２・３%）増えて44兆3895億円だったと発表しました。国民１人当たりでみると、前年度から8600円（２・５%）増の35万18000円に達し、いずれも３年連続の増加で、過去最高を更新しました。
　高齢化の進展や医療の高度化などで国民医療費の増加傾向が続いており、40兆円を超えるのは７年連続。厚労省によると、本格的に感染が拡大する前だった新型コロナウイルスの影響はないといいます。2020年度の国民医療費は、受診控えの影響で押し下げられるとみられています。
　年齢階層別では、「65歳以上」の高齢者の総額が27兆629億円で全体の約６割を占めました。１人当たりでは「65歳未満」が19万1900円だったのに対し、「65歳以上」は75万4200円で４倍近い水準でした。
　年齢別では、「０～14歳」が16万4300円、「15～44歳」が12万6000円、「45～64歳」が28万5800円、「65歳以上」が75万4200円。
　国民医療費は医療保険給付や公費負担、自己負担の総額で、保険診療の対象となる医科、歯科の診療費や薬局の調剤料などを含みます。保険診療外の先進医療などは含みません。

　２０２１年１１月９日（火）

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■世界の新型コロナ感染者、２億5000万人を超す ドイツやロシアなどで再拡大

　アメリカのメリーランド州オークランドに本部を置くジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと、新型コロナウイルスの感染が確認された人は、日本時間の８日、世界全体で２億5000万人を超え、９日午前７時の時点で２億5024万6902人となっています。
　感染者の累計は、今年１月下旬に１億人となり、８月５日に２億人を超えました。今回、約３カ月でさらに5000万人増えました。世界保健機関（ＷＨＯ）によると、今年８月下旬以降、１週間当たりの感染者の数は減少傾向にあったものの、10月下旬から再び上昇に転じています。
　国別では、アメリカが約4650万人で最多。インドが約3440万人、ブラジルが約2190万人、イギリスが約930万人、ロシア約870万人と続きます。
　また、感染して亡くなった人は世界全体で505万4097人となっています。
　ＷＨＯは、冬が訪れるヨーロッパが再び「感染の震源地」となっていると警告。ワクチン接種率の低い東ヨーロッパに加え、接種で先んじていたドイツでも急増しています。
　ドイツ政府の研究機関は５日、新規感染者が３万7120人に上ったと発表し、２日連続で過去最多を更新しました。
　また、ロシアでも６日、新規感染者が政府の発表で４万1000人を超え、これまでで最も多くなりました。
　ＷＨＯは、各国に対してワクチン接種のペースを加速させるため、あらゆる取り組みを行うよう呼び掛けています。

　２０２１年１１月９日（火）

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■エイズウイルスの完全排除を可能とするワクチン技術を開発 医薬基盤・健康・栄養研究所

　大阪府茨木市にある国立研究開発法人「医薬基盤・健康・栄養研究所」の研究班は８日、カニクイザルを使った実験で、治療に用いればエイズウイルスを体内から完全に排除できるワクチン技術を開発したと発表しました。エイズウイルスに感染すると薬を長期間飲み続けなければなりませんが、研究班は「完治につながる大きな一歩」としています。
　研究班は免疫反応を強める物質を出す細菌に着目。この細菌の遺伝子を弱毒化したエイズウイルスの遺伝子に組み込み、生ワクチンを作りました。カニクイザルに接種したところ、一度はエイズウイルスに感染したものの、その後ウイルスは検出されなくなりました。
　ワクチン接種後は、感染すると100%死亡する強毒ウイルスに感染しても、７頭のうち６頭でウイルスは検出されなくなったといいます。さらに、生き残った６頭から採った血液とリンパ節細胞を健康なサルに注射したところ、４頭ではウイルスが検出されませんでした。
　ワクチンの接種により、ウイルスに感染した細胞を破壊する「細胞性免疫」が誘導されたためといい、人への治療にも応用が期待できるといいます。
　研究班は今後、投薬治療中のエイズ患者から採ったウイルスから個別にワクチンを作り、治療につなげたいとしています。
　日本ＢＣＧ研究所と共同で研究に取り組んだ同法人霊長類医科学研究センターの保富康宏センター長は、「５年以内に人での臨床試験（治験）を開始したい」と話しています。
　エイズは３大感染症の一つで、世界の感染者は3770万人、日本でも２万人以上が感染しています。抗ウイルス薬によって致死的な感染症ではなくなったものの、現在の薬では体内のウイルスを死滅できません。薬の長期服用による副作用や高額な治療費、耐性ウイルスの出現が問題となっています。
　研究成果は、国際学術誌に掲載されました。

　２０２１年１１月９日（火）

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