SSブログ

■1人暮らしの高齢者は調理技術が低いと死亡リスク倍以上 東京医科歯科大の研究チーム [健康ダイジェスト]

 1人暮らしの高齢者は調理の技術が低いと、高い人より死亡リスクが倍以上も高まるとの分析結果を、東京医科歯科大の谷友香子講師(国際健康推進医学)らの研究チームが国際専門誌に発表しました。
 チームは、2016年に全国の23市町村に住み、要介護認定を受けていない65歳以上の約1万6000人を対象に、自己申告で回答してもらった調理技術の程度と3~4年後までに死亡した520人のデータから、調理技術のレベルと死亡リスクの関係を分析しました。
 調理技術は「野菜や果物の皮をむくことができる」「卵や野菜をゆでることができる」「焼き魚をつくれる」など基本的な7項目を低いほうから1~6点の6段階で申告してもらい、平均点が4点以下を「技術が低い」、4点より高いと「技術が高い」と評価しました。
 その結果、1人暮らしの場合、調理技術が高い人に比べて、低い人は3~4年後までに死亡するリスクが2・5倍高くなりました。同居の人がいる場合は、調理技術の高低でリスクに有意な差はありませんでした。
 リスクの要因を分析すると、自炊、野菜や果物の摂取頻度、外出、歩いたり立ったりする時間が、リスク低減にかかわっていることがわかりました。自宅で自ら料理をすることで、栄養面のバランスだけでなく、献立を考えたり、食材を買いに出歩いたりすることで、健康や認知機能の維持に役立っていると考えられるとしている。
 チームは、高齢化社会で離婚や配偶者との死別などにより、1人暮らしの年寄りが増えている現状では、調理技術を身に着ける重要性が高まっていると指摘しています。

 2024年4月30日(火)

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■石炭火力発電、2035年までに段階的に廃止で合意 G7環境相会合 [健康ダイジェスト]

 主要7カ国(G7)の気候・エネルギー・環境相会合が29日に始まり、議長国のイタリアの閣僚が2035年までに、排出削減措置の施されていない石炭火力発電を廃止することで合意したと、報道陣に明らかにしました。
 イタリア北部・トリノ市で29日、G7の気候・エネルギー・環境相会合が始まり、日本からは齋藤健経済産業相と伊藤信太郎環境相が参加しています。
 温室効果ガスの削減対策が主要テーマで、イタリアのピケット・フラティン環境・エネルギー安全保障相が記者団に対して、2035年までに石炭火力発電を廃止することで合意したと明らかにしました。
 ピケット氏は「技術的な合意であり、最終的な政治的合意は30日に行われる」と話していて、30日には脱炭素化に向けた共同声明が発表される見通しです。
 石炭火力の廃止はイギリスやイタリアなどが強く求める一方、再生可能エネルギーの割合が低く、東京電力福島第1原発事故の影響で多くの原発が停止する日本の電源構成は、火力発電への依存度が高く、一定の活用を維持する方針を示していました。 

 2024年4月30日(火)

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■「ドラッグロス」改善へ、希少疾患新薬の申請要件緩和 日本人の臨床試験なしで可能に [健康ダイジェスト]

 海外で承認された薬が日本で使えない「ドラッグロス」の問題を改善するため、厚生労働省は、小児がんなどの希少疾患の新薬について、承認申請の要件を緩和することを決めました。日本人の臨床試験データがなくても申請できる新たな仕組みを、5月にも導入する方針です。海外の製薬企業による申請を促し、薬の実用化の時期を早める狙いがあります。
 製薬企業は治療薬を開発する際、効果や安全性を調べる臨床試験を行います。国への承認申請時に試験結果を提出して審査を受け、国内で薬を製造販売する承認を受けます。
 薬によっては、人種などで効果や副作用に差が出ることもあるため、通常は日本人を対象に行った臨床試験の結果も提出する必要があります。臨床試験が海外先行ですでに終了している場合は、日本で追加試験を行うよう求められるものの、多大な費用がかかるため海外企業が日本での申請を見送ることがあり、ドラッグロスの一因と指摘されています。
 海外で承認されたものの日本で使えない薬は増えており、厚労省によると、昨年3月時点で、欧米で承認されている一方で日本で未承認の薬143品目のうち、86品目は国内で申請されておらず、40品目は患者が少ない病気の薬でした。
 新たな仕組みでは、海外での試験結果をもとに、日本人患者にも薬の効果が高く副作用を考慮しても恩恵が大きいと見込まれる場合は、日本人のデータがなくても申請を認めます。 海外での臨床試験がすでに終了している、患者数が数百人以下など少なく日本での追加試験がむずかしい、病気の進行が速く命にかかわる、などの条件を満たした薬が想定されます。
 製薬企業は承認手続きや国内の医療現場で使われる段階で、日本人を対象にしたデータを収集して、提出します。国は追加データで、効果や副作用を確かめます。
 希少疾患の新薬開発はコストがかかる一方で患者が少ないため、収益性が低く、アメリカなどでは創薬の主体は新興企業などに移りつつあり、厚労省はこういった新薬を国内に取り込む施策が必要だと判断しました。

 2024年4月29日(月)

nice!(8)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■ヒト細胞のマウスの肺を別のマウスに移植、血流再開の実験成功 [健康ダイジェスト]

 マウスの肺の細胞をヒトの細胞に入れ替えて作った人工の肺を、別のマウスに移植して血流を再開させる実験に成功したと、東北大学とトロント大学の研究チームが発表しました。チームでは、将来的に動物の臓器からヒトに移植可能な人工臓器を作り出す技術の開発につながる成果だとしています。
 研究を行ったのは、東北大学加齢医学研究所の鈴木隆哉助教らの研究チームです。
 チームでは、1センチ程度のマウスの肺から薬剤を使ってすべての細胞を取り除き、コラーゲンなどでできた肺の構造だけの状態にした後、そこに培養したヒトの細胞を注入して毛細血管などを再生させる方法で人工的な肺を作り出しました。
 この肺を別のマウスに移植したところ、再生した血管に血液が正常に流れることが確認できたということです。
 チームによりますと、肺などの構造が複雑な臓器は再生がむずしいことが課題となっていますが、将来的にブタなど、より大きな動物の臓器を鋳型として活用するなどして、ヒトに移植可能な人工の臓器を作る技術につながる可能性があるということです。
 鈴木助教は、「哺乳類の肺はマウスもブタもヒトも基本的には同じ構造なので、将来、スケールアップしてブタなどの肺を元にヒトへの移植を目指す研究に向けた重要なステップだと考えている」と話していました。
 研究成果は4日、イギリスの科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載されました。

 2024年4月29日(月)

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:健康