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■厚労省、心不全患者1万人の治療実績を調査 有効な治療法のデータベース化へ [健康ダイジェスト]

 心臓病の一つで年間7万人が死亡する心不全は、どのような治療法が効果を上げているのかを示す全国的なデータがないことから、厚生労働省の研究班は1万人の患者を対象に治療実績を調べる実態調査を11月から実施します。
 研究班は来年にもデータベースを作成し、医師が治療法を選ぶ際の参考にしてもらう考えです。
 心不全は、心臓の筋肉や血管、弁などが正常に働かなくなり、全身に血液を送り出す機能が低下する病気です。高齢化に伴って患者の数は年々増え、2015年には心不全が原因で死亡した人は7万1860人と、5年間で5000人余り増え、国内の患者数は現在およそ100万人に上ると推計されています。患者は40歳代から増え始め、80歳代が最も多く、高齢化に伴って今後も増える見通しで、2030年には130万人に達するとみられています。
 日本循環器学会によりますと、心不全の治療は薬を投与して症状の悪化を防ぐのが一般的ですが、どんな症状の患者にどの薬が効いたかなど過去の治療実績をまとめた全国的なデータがないということです。
 医師が治療法を選ぶ際の参考になる情報が少なく、中でも心不全のおよそ半数を占め心臓が膨らみにくくなる「拡張不全」の患者は、年齢や症状別にどの薬が最も有効かわかっていないため、医師がどの薬を投与するか判断に迷うケースが少なくないということです。
 このため厚生労働省の研究班は、心不全で入院を経験した患者およそ1万人を対象に、どのような治療で効果が得られたのか実態調査を行うことになりました。過去5年間に処方された薬の種類や量、投薬後の症状の変化などについて調べ、来年にもデータベース化します。
 研究班のメンバーで、心不全の内科治療を専門とする東京大学医学部附属病院の波多野将(まさる)医師は、「拡張不全は確実に治療できるという薬のデータがなく、選択が難しい。どのような患者にどの薬が効くのかガイドラインを作成し、全国の医師に周知する必要がある」と指摘しています。

 2017年10月30日(月)

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■用語 機能性尿失禁 [用語(か行)]

[トイレ]排尿機能は正常にもかかわらず、運動機能の低下や精神機能の衰えで起こる尿失禁
 機能性尿失禁とは、排尿機能は正常にもかかわらず、運動機能の低下や精神機能の衰えが原因で起こる尿失禁。
 膀胱(ぼうこう)や尿道、その筋肉や神経に問題があって自分の意思と関係なく尿が一時的に漏れるわけではなく、運動機能や精神機能に問題があって、尿意を催しても、それをトイレでの排尿動作に結び付けられずに尿を漏らします。
 この機能性尿失禁は、特に高齢者に多くみられます。
 運動機能に問題があって起こる機能性の尿失禁は、足が不自由だったり、手がうまく使えなかったり、機敏性に欠けたりなど日常生活動作(ADL:Activities of Daily Living)の低下のために、トイレにゆくまでの歩行が緩慢で時間がかかったり、ズボンを下ろしたりする動作に手間取ったりして、尿を漏らします。
 このような状態になる原因としては、脳出血や脳梗塞(こうそく)などの脳卒中の後遺症による動作障害、関節リウマチや腰椎(ようつい)骨折、大腿骨(だいたいこつ)骨折などによる運動障害があります。
 精神機能に問題があって起こる機能性の尿失禁は、認知症などによる精神機能の衰えのために判断力が低下し、トイレの場所の認識が薄れる、トイレの使い方がわからない、別の場所をトイレだと思い込む、排尿行為が認識できず尿がたまっているのにトイレにゆく行動を起こせない、などの理由のために、尿を漏らしたり、トイレ以外で排尿します。
 高齢になると、運動機能の低下と精神機能の衰えの両方が交じって複雑になることもあります。治療よりも、トイレにゆきやすい生活環境を見直したり、定期的にトイレに連れてゆくなどの介護の工夫が必要になります。
[トイレ]機能性尿失禁の対処方法
 運動機能に問題がある場合の尿失禁の対処方法
 医師や介護ケアの専門家と相談の上、生活環境や習慣を見直し、残された身体機能をなるべく生かして、自立して排尿できる方法を考えることが大切です。
(1)治療・機能回復訓練(リハビリテーション)
 痛みの治療や筋力トレーニングなど、治療や機能回復訓練で治せるものは治します。専門家による評価(判断)が必要です。
(2)トイレ動作の工夫
 寝たきりの人でも、練習によって座ることや立つことができるようになる場合もあります。
(3)介助方法の習得・工夫
 介助の方法がわからなかったり、間違っているために尿失禁になっている場合には、専門家が介護者に適切な介助方法を提案します。
(4)住環境の整備
 生活の場所(寝室)をトイレの近くに移動する、あるいはポータブルトイレを使用する、トイレや廊下などに手すりをつける、廊下の段差をなくす、便器を使いやすいものに替える(和式を洋式にする)など、住環境の整備によってトイレ動作がしやすくなる場合があります。
(5)福祉用具の活用
 用具はさまざまな種類があり、手足の働きを補います。適切な用具を選択することがポイントです。
(6)社会資源の活用
 地域によって異なりますが、生活を支援するさまざまな制度が作られています。これを上手に利用します。
 精神機能に問題がある場合の尿失禁への対処方法
 認知症などによる精神機能の衰えのために判断力が低下している場合、本人のできることを探しながら介助をします。
(1)トイレにゆきたいサインを見付ける
 急に立ち上がろうとする、歩き回る、様子が落ち着かない、突然ズボンを下ろそうとする、ポケットに手を突っ込むなど、本人のトイレにゆきたいサインを見付けられたら、トイレに誘導し、介助します。
(2)トイレの表示をはっきりさせる
 トイレの場所がわからなかったり、間違って覚えている場合、トイレに「便所」と書いたり、明るくしてわかりやすいようにします。トイレの場所を認識するまで、できるだけトイレに連れていくようにします。
(3)着脱しやすい衣服を選ぶ
 慣れた位置にボタンやチャックがある、といった本人がわかる衣服に替えます。
(4)便器の使い方を確認する
 便器の使い方がわからないようであれば、声を掛けます。
(5)後始末は自分でできているかどうか確認する
 泌尿器をふいたり、便器の水を流すことを忘れているようであれば声を掛けたり、介助します。うまくできた時は本人が喜ぶ方法でほめることが、基本です。

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■脳に血液中から薬を届ける超小型カプセルを開発 東大と東京医科歯科大 [健康ダイジェスト]

 血液脳関門の働きにより薬を届けるのが難しい人の脳に、血液中から薬を届ける超小型のカプセルを東京大学などの研究チームが開発し、 将来的にアルツハイマー病などの難治性脳神経系疾患の治療法の開発に役立つ可能性があるとして注目されています。
 人の脳は、血液と脳の間にある組織である血液脳関門の働きにより、栄養源となるブドウ糖などを除き、血液中の物質はほとんど入らないようになっており、アルツハイマー病などの治療ではどのようにして脳に薬を届けるのかが大きな課題になっています。
 東京大学と東京医科歯科大学の研究チームは、アミノ酸を使って直径が1ミリの3万分の1ほどのごく小さなカプセル(血液脳関門通過型ナノマシン)を開発しました。このカプセルの表面をブドウ糖で覆うと、脳の血管にある特定のタンパク質がカプセル内のブドウ糖と結び付いて脳の中の神経細胞に届けることができるということです。
 さらに、研究チームは、血中グルコース濃度(血糖値)が変化する空腹の状態だと、この特定のタンパク質が積極的にブドウ糖を届けることに注目し、空腹のマウスにこのカプセルを注射してこれまでの薬の100倍ほどの効率で脳の中の神経細胞に取り込ませることにも成功したということです。
 研究チームでは、カプセルの中に抗体医薬や核酸医薬など、高分子物質でできている先端医薬を入れれば、これまでにない治療効果が期待できるとしています。  
 東京医科歯科大の横田隆徳教授は、「認知症のほか、神経の難病や精神疾患の治療にも大きな武器になると思う」と話しています。また、東大の片岡一則特任教授は、「将来は体中の必要な場所に薬を送り届けるナノテクノロジーを開発したい」と話しています。

 2017年10月29日(日)

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■保湿用塗り薬「ヒルドイド」、医療機関での処方が急増 美肌目的の女性が利用 [健康ダイジェスト]

 アトピー性皮膚炎、乾燥肌、ケロイドなどの治療に使われる保湿用塗り薬「ヒルドイド」の医療機関での処方が急増していることが、健康保険組合連合会(健保連)の調査で明らかになりました。
 雑誌やインターネットで「美肌になれる」「高額な乳液より保湿力がある」「高級ブランドの美容液より効果がある」などと紹介されて広まり、公的医療保険の適用により低料金で入手できることから、化粧品代わりに求める女性が増えたことが背景にあるとみられます。
 ヒルドイドは医師の診断と処方せんが必要な薬で、薬局などで直接購入することはできません。主に皮膚科や小児科でアトピー性皮膚炎などの治療に活用され、乳幼児や高齢者にも処方されている低刺激の薬なので、敏感肌や荒れ性の人にも安心して使え、目元の小じわ対策や毛穴対策にも効果がある薬として、雑誌やインターネットなどで最近、紹介されています。
 健康保険を適用すると約200円~300円程度で、ヒルドイドを手に入れることができるといいます。初診であれば、薬代以外にも診察料、処方せん代、薬剤情報などの点数が加算されるので、トータルの支払額としては医療機関にもよりますが、約1500円~2000円ほどになるといいます。
 治療以外でのこうした処方は薬剤費を押し上げ、税金や保険料で賄う医療財政を圧迫。年間約93億円が無駄に支出されている可能性があり、厚生労働省は来年4月の診療報酬改定で処方量の制限など対策を講じる方針を固めました。近く、中央社会保険医療協議会で議論を求めます。

 2017年10月29日(日)

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