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■光で変色し、まぶしさ軽減 J&Jが世界初の調光コンタクトを発売 [健康ダイジェスト]

 アメリカのジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、目に入る光の量を自動で調節して色が変わるコンタクトレンズを日本で12月12日に発売します。約60秒で薄い灰色から紫がかった茶色に変化して、まぶしさを抑えた快適な見え方を実現し、目の色など外見はほとんど変わりません。光に反応して分子構造が変わる調光剤をレンズに配合しました。
 世界初の調光コンタクトレンズとして、海外では発売ずみ。リアルタイムに調光できる機能性を訴求します。
 製品名は「アキュビュー オアシス トランジションズ スマート調光」で、12日から2週間交換タイプのソフトコンタクトレンズとして発売。オープン価格なものの、市場想定価格では通常製品に比べて1~3割くらい割高になる見通し。手軽に紫外線対策ができる新たなコンセプトをアピールし、市場開拓を狙います。
 J&Jは、アメリカのトランジションズ・オプティカル(フロリダ州)と共同で開発。調光眼鏡に用いられる調光剤を応用しました。色は光量に応じて徐々に無段階で変わり、最も濃くなるまでに約60秒、元に戻るまでに約90秒かかります。
 色が変わることで99%以上の紫外線をカットでき、蛍光灯や車のヘッドライトなど日常生活で感じる光によるストレスを軽減できるといいます。屋内だけでなく、雪山やビーチなどでも使えますが、本格的な遮光のためにはサングラスとの併用を勧めています。
 開発には10年以上もの時間をかけました。J&Jアメリカ本社のレイラニ・ソノダ上席研究員は、「コンタクトレンズの隅々にまで何兆個もの調光分子をゆき渡らせることに苦労した」と明かしています。
 調光眼鏡の場合、調光剤はレンズ表面にコーティングされています。ただし眼鏡は外気にさらされるため、光量だけでなく周囲の温度によっても色が変わる課題がありました。コンタクトレンズは目の表面に接し、体温によって一定の温度に保たれるため、調光眼鏡よりもレンズの色がリアルタイムに変化します。
 一方、調光眼鏡に比べて光が当たる面積が小さいことから、少ない光量でも調光分子が反応するように、反応の精度を上げる必要がありました。
 瞳に色を付けるカラーコンタクトレンズとは異なるため、装着時の外見に影響がないように配慮しています。瞳が薄い色の人であっても、色の変化で見た目に違和感が生じることはありません。装着時の視界の変化もサングラスほどではなく、コンタクトレンズの色が変化しても「利用者自身が色の変化に気付くことはない」としています。
 4月に北米で発売した後、欧州や中東の一部、アジアではシンガポールや香港などでも販売ずみ。当初はスポーツをしている人に処方されることが多かったものの、徐々に日常的に使ってもらえるレンズとして認知度が高まっているといいます。
 日本人は欧米人に比べてサングラスや調光眼鏡を使う人が少ないとされる一方で、J&Jの調査によると、日本人の98%が日常でまぶしい光を感じることがあると答えたものの、そのうち眼科医に相談した割合は14%にとどまります。
 それだけに「日常使いのコンタクトレンズとして装着しながら、目の保護ができる調光コンタクトレンズは日本人にも向いている」とソノダ氏はみています。

 2019年12月17日(火)

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