SSブログ

■妊婦の匿名での内密出産受け入れへ 熊本県の慈恵病院 [健康ダイジェスト]

 望まない妊娠をした人などが自宅などで子供を産む孤立出産の危険を回避するため、熊本市の病院が、やむを得ない場合に限って妊婦の匿名での内密出産を受け入れる方針を固めたことを明らかにしました。
 親が育てられない乳幼児を匿名でも受け入れる施設「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を運営する熊本市西区の慈恵病院は、ドイツで行われている匿名での出産を病院で受け入れ、子供が成長した後に親を知ることができる「内密出産制度」の導入に向けて市と協議を重ねてきました。
 しかし、折り合いが付かず実現の見通しが立たないことから、自宅などでの孤立出産の危険を回避するため、独自に妊婦の匿名での内密出産を受け入れる方針を固めたということです。
 慈恵病院によりますと、望まない妊娠や経済的な事情など病院がやむを得ないと判断した場合に限って、妊婦が病院内の「新生児相談室」の室長にのみ身元を明かした上で出産を認めることにしてしています。
 その後、親が子供を引き取らない場合は、子供が一定の年齢に達して希望すれば、新生児相談室が保管する親の身元が書かれた書類を開示する方針だということです。
 慈恵病院の蓮田健副院長は、「赤ちゃんの殺人や遺棄が全国であり、匿名出産の受け入れを拒めば赤ちゃんの危険につながる恐れがある。ただ、あくまでもやむを得ないと判断した場合のみとし、母親と相談を重ねる中で、できるだけ通常の実名での出産を促したい」としています。
 熊本地方法務局はこれまでに、内密出産が「現行法の解釈で可能」との見解を示しています。

 2019年12月8日(日)

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■がんゲノム医療で「効果が期待できる薬の発見」は1割どまり 厚労省が発表 [健康ダイジェスト]

 がん患者の遺伝子を調べて最適な治療薬を選ぶ「がんゲノム医療」で、今年6月以降に遺伝子検査を受けた患者のうち、効果が期待できる薬が見付かったのは、全体の1割にとどまっていることが5日、わかりました。
 がんゲノム医療は患者のがん細胞の100種類以上の遺伝子を一度に調べて、最適な治療薬を選ぶ新しい医療で、標準的な治療では効果が見込めなくなった患者や、希少がんなどで標準治療がない患者を対象に、今年6月から医療保険の適用が始まりました。
 厚生労働省は、中核拠点病院などがんゲノム医療を手掛ける病院を対象に遺伝子検査の実績を調査し、全国134の病院から回答を得ました。
 それによりますと、今年10月までの5カ月間に医療保険を使って遺伝子検査を受けた患者は805人おり、このうち効果が期待できる薬が見付かったのは88人と、全体の10・9%にとどまっていることがわかりました。
 がんゲノム医療を巡っては、専門家などから、がんの原因となる遺伝子が検査で見付かっても、それに対応する薬が開発されていないケースが多く、治療に結び付く患者は限られるという指摘が出ていました。
 このほか今回の調査では、スタッフが不足しているなどの理由で遺伝子検査を始められていない病院が51カ所あることがわかり、がんゲノム医療の体制整備がまだ十分でないという課題も浮き彫りとなりました。
 厚労省は今後も、遺伝子の検査の実績を定期的に調査じます。

 2019年12月8日(日)

nice!(1)  コメント(1) 
共通テーマ:健康

■脳に蓄積する銅、ダウン症と関係か 京都薬科大など研究 [健康ダイジェスト]

 人のダウン症とよく似た遺伝子変異を持つマウスは脳に銅が蓄積しやすいとする研究成果を、京都薬科大学病態生化学分野の研究チームが発表しました。このマウスは生後に銅の摂取量を減らすことで、一部の症状を抑える効果が現れたといいます。成果が、アメリカの科学誌に掲載されました。
 ダウン症は、約700人に1人の確率で発生する最も頻度の高い染色体異常として知られています。通常2本ある21番染色体が受精卵の段階で3本(トリソミー)となる突然変異が起きることで、精神発達遅滞や記憶学習障害といったさまざまな症状が現れます。また、脳の神経細胞の数が少なくなることが知られていますが、なぜそうなるかは不明でした。
 研究チームは、染色体の変異や症状が人のダウン症と似ているマウスの脳を調べました。その結果、大脳や小脳、海馬などに、健康なマウスの約1・5倍の銅が蓄積していることを発見しました。この変異を持つマウスは警戒心が弱く、外敵に襲われやすい広い場所に自分から出てしまう傾向があります。そこで餌に含まれる銅の量を10分の1以下に減らして育てたところ、脳に蓄積する銅の量が、健康なマウスとほぼ同じレベルになりました。
 また、健康なマウスと同様に広い場所を避け、壁際を選んで移動する慎重な行動を取るようになったといいます。銅は魚介類などに豊富に含まれ、人の体内にも常に一定量、存在します。
 人のダウン症と銅の蓄積の関係はわかっていませんが、研究チームの石原慶一・京都薬科大講師は「過剰な銅の蓄積によって脳内で活性酸素ができ、神経を傷付ける一因になっている可能性がある」と話しています。

 2019年12月8日(日)

nice!(2)  コメント(1) 
共通テーマ:健康