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■細胞を心臓表面に噴霧して血管作る治療法開発 大阪大が治験開始 [健康ダイジェスト]

 病気で弱った心臓の表面に新たな血管を作り出す働きのある細胞をスプレーで噴霧して、重い心臓病の患者の機能回復を目指す治療法を大阪大学などの研究チームが開発しました。一般的な治療法になることを目指し、2年かけて安全性や効果を確かめる治験を行うとしています。
 大阪大の澤芳樹教授らは11月29日、記者会見を開き、新たに開発した心臓病の治療法について説明しました。
 それによりますと、新たな治療法の対象となるのは血管が詰まるなどして心臓の筋肉の細胞が失われる「重症心不全」の患者です。
 こうした患者が冠動脈バイパス手術を受ける際に、新たな血管を作り出す働きのある他人から提供された脂肪由来の「間葉系幹細胞」を特殊な医薬品に混ぜて、心臓の表面にスプレーで噴霧するということです。
 細胞をスプレーで噴霧することで、心臓の血流が失われた部分に細い血管が新たに作られ、ブタを使った実験では全身に血液を送り出す心臓の機能が改善したとしています。
 研究チームは健康保険が適用される一般的な治療法になることを目指して、2年かけて安全性や効果を確かめる治験を行うとしています。
 澤教授は、「心機能の低い方の治療成績を向上させる治療法として普及させたい」と話しています。
 大阪大は、重症心不全患者本人の足の筋肉細胞から作った細胞シート「ハートシート」を心臓に貼り回復を目指す治療法を実用化ずみ。冠動脈バイパス手術が困難な患者などが対象で、シート作製には細胞加工施設が必要です。大阪大はこれとは別に、iPS細胞から作った心筋を移植する再生医療の臨床研究や治験も計画しています。

 2019年12月5日(木)

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■国産初のエボラ出血熱ワクチン、臨床試験を開始へ 東大医科学研究所で [健康ダイジェスト]

 致死率が5割前後とされるエボラ出血熱の国内初のワクチンの臨床試験が今月中旬、東京大学医科学研究所付属病院(東京都港区)で始まります。まずは健康な成人男性にワクチンを打ち、安全性やウイルスに対する抗体ができるかどうかを確認します。
 東大医科学研究所などの研究チームが開発したのは、増殖も感染もしないようにした人工ウイルスから作ったワクチン「iEvac(アイイーバック)ーZ(ゼット)」。カニクイザル12匹で行った実験では、感染を防ぐのに十分な抗体が体内ででき、副作用もなかったといいます。
 国内で行われる臨床試験の第1段階では、20~45歳の健康な男性15人に4週間間隔でワクチンを0・1ミリリットルずつ2回接種します。重い副作用が出なければ、第2段階として別の健康な男性15人に0・5ミリずつ2回接種し、安全性や、体内に抗体ができるかどうかを調べます。
 ワクチンの安全性が確認されれば、製薬会社の協力を得て、流行が続くコンゴ民主共和国などで有効性を確かめる治験に移る考えです。
 これまでに欧米の企業により2種類のワクチンが開発され、うち1種類は今年11月、欧州連合(EU)で承認されました。
 研究チームの河岡義裕・東大医科学研究所教授(ウイルス学)は、「感染力をなくして体内で増えないようにしているので、既存のワクチンよりも安全で、効果が高いと期待できる。今回の臨床試験で安全性が確認できたら、効果を調べるための臨床試験は関心を持つ企業に主導してもらいたい。自国で有効なワクチンを持つことは国民の安全確保のために重要だ」と話しています。
 エボラ出血熱は1976年にアフリカ中部で見付かったウイルス性感染症で、アフリカで流行を繰り返しており、2014年~2016年の西アフリカでの大流行では約2万8600人が感染し、約1万1300人が死亡、現在流行しているコンゴ民主共和国では、12月1日時点で3313人が感染し、2204人が亡くなっています。
 日本ではこれまで感染者は確認されていませんが、訪日外国人が増えていることなどから、国内での対策が急がれています。

 2019年12月5日(木)

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