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■ギャンブル依存症治療に保険適用へ IR誘致で厚労省が検討 [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は11日、カジノや競馬、パチンコといったギャンブルの依存症治療について、来年度から公的医療保険の適応対象とする方針を固めました。同日開かれた中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)での議論を受け、厚労省は、依存症患者に対する適切な医療体制の整備が急務と判断しました。
 国内ではカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の開業を可能とするIR実施法が昨年7月に成立し、依存症対策が課題となっています。
 ギャンブル依存症は、病的にギャンブルにのめり込む精神疾患の一つ。世界保健機関(WHO)は、ギャンブルを頻繁に繰り返し、自分の社会・職業・家族的価値を損なうほど生活を支配する障害と定義しています。
 厚労省の調査によると、ギャンブル依存症の治療を受けた患者は年々増えており、外来患者数は2014年度の2019人から2017年度には3499人になりました。ただ、治療を受けていない潜在的な患者も多くいるとみられ、2017年に国立病院機構久里浜医療センター(神奈川)の研究班が行った調査では、依存症が疑われる成人は全国で約320万人に上るという推計も出ています。ギャンブル依存症は、病的にギャンブルにのめり込む精神疾患。
 昨年7月にはギャンブル依存症対策基本法が成立しましたが、現状では、ギャンブル依存に特化した治療に公的保険は適用されていません。
 厚労省は、患者が数人から10人程度のグループで意見交換を行い、ギャンブルにのめり込んだ切っ掛けや対処法などについて考える「集団治療プログラム」を保険の適用対象として想定しています。
 こうした集団治療プログラムを巡っては、日本医療研究開発機構(AMED)の研究班が全国35の医療機関で患者187人に対して実施したところ、プログラムを受けた人のほうがギャンブルをやめた割合が高かったといいます。
 ただ、ギャンブル依存症の治療への公的保険の適用には反発も予想されます。11日の同協議会の会議では、保険適用に多くの委員が賛同する一方で、「ギャンブル依存症は自分の努力で回復すべきもの。安易に保険適用することで、(依存症患者が増えるなど)逆の方向に向かうかもしれない」などと、慎重な検討を求める声も上がりました。

 2019年12月11日(水)

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■民間クリニックの「遺伝子治療」、法規制に向け作業へ 厚労省 [健康ダイジェスト]

 科学的な根拠が確立していないのに行われている、遺伝子を直接体内に入れる治療法について、安全面に課題があるとして厚生労働省は法律での規制に向けた作業を進めることになりました。
 遺伝子を直接体内に入れて働かせる遺伝子治療は、国内で今年、足の血液の流れが悪くなる病気の治療薬が承認され、公的な医療保険が適用されるようになりました。
 その一方で、民間のクリニックを中心に「がん抑制遺伝子を注入してがんを治療する」などといったうたい文句で科学的根拠が確立していない治療法が、国内の60カ所以上で健康保険が適用されない自由診療として行われています。
 こうした治療法などについて議論してきた厚労省の専門部会は、11日に開かれた会合で、遺伝子を直接体内に入れる遺伝子治療について安全面や倫理面で課題があるとして、法規制を検討すべきとする考え方を取りまとめました。
 また、遺伝子を自在に操作できる「ゲノム編集」を医療に応用する場合について、国への届け出を行った上で国の審議会での了承を要件とする厳格な規制を行うべきだとする考え方も合わせて取りまとめました。
 これを受けて、厚労省は今後、専門家の意見を聞きながら、規制の対象となる技術の範囲や安全性の確認手続きなどについて検討を進め、法律での規制に向けた作業を進めることにしています。

 2019年12月11日(水)

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