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■新型コロナウイルスの真のリスクは空気感染 世界の科学者239人がWHOに警鐘 [健康ダイジェスト]

 新型コロナウイルスは2メートルをはるかに超える距離で「空気感染」する恐れがあるとして、日本を含む世界の科学者ら239人が6日、世界保健機関(WHO)などの国際機関に対策を求める公開書簡を発表しました。
 書簡は、オーストラリア・クイーンズランド工科大学のリディア・モラウスカ教授が筆頭執筆者となり、イギリス・オックスフォード大学の医学誌「臨床感染症(CID)」に掲載されました。
 新型コロナウイルスの感染経路を巡り、WHOはこれまで、感染者のせきやくしゃみ、近距離での会話といった「飛沫感染」や、ウイルスが付着した物を触った後に目・鼻・口に触れてウイルスが体内に入る「接触感染」を主な感染経路と説明。「飛沫は比較的重く、遠くに移動せず、すぐに地面に落ちる」という見解を示しています。予防法として、「せっけんと水で定期的に手を洗ったり、アルコール消毒をしたりすることが重要」と呼び掛けています。
 一方で、WHOはウイルスが空気中を漂い感染する「空気感染」について、病院内での気管挿管など特定の場合でしか発生しないとの立場を取っています。
 書簡で、科学者たちは、ウイルスが空気中で数十メートル移動できることが「合理的疑いの余地なく」示されており、これが新型コロナウイルスについても当てはまることが複数の感染事例の分析で示されたとしています。
 科学者たちは、「感染者がせきやくしゃみをすると、さまざまな大きさの飛沫が放出される。直径5〜10マイクロメートル以上の飛沫は1〜2メートルですぐに地面に落ちるが、それより小さな飛沫はエアロゾルと呼ばれる霧状の微粒子となり、はるかに長い間空気中を浮遊し、遠くまで移動する」と強調しました。
 「WHOを含む多くの公衆衛生組織は、手洗い、ソーシャルディスタンスの確保、飛沫感染の対策を重視し、空気感染を認めていない」と指摘。
 「手洗いとソーシャルディスタンスの確保は適切だが、感染者が空中に放つウイルスを含んだ微小な飛沫からの保護には不十分だ」として、WHOなどの国際機関に対し、新型コロナウイルスの空中拡散の可能性を認識し、ガイドラインに予防策を盛り込むよう求めました。
 空気感染を防ぐため、▽十分で効果的な換気。特に公共施設、職場、学校、病院、老人ホームといった多くの人が集まる場所で換気する▽高性能の空気ろ過設備の設置▽公共交通機関や公共施設での過密を避ける、といった対策を提案しています。
 公開した書簡で、「新型コロナウイルスの空気感染のリスクに対する認識と注意喚起の欠如が、重大な結果をもたらすことを懸念している。私たちの声明によって、新型コロナウイルスの空気感染が真のリスクだという認識が高まることを願っている」と訴えました。

 2020年7月7日(火)

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■新型コロナウイルスの類似ウイルスを2013年に確認か 武漢の研究所、死者は未公表 [健康ダイジェスト]

 イギリスの日刊紙「サンデー・タイムズ」は5日付で、新型コロナウイルスに非常に似たウイルスを、中国湖北省武漢市の中国科学院武漢ウイルス研究所が2013年に確認していたと報じました。この類似ウイルスが原因とみられる症状で死者が出たものの、後に公表された論文で言及されなかったとしています。
 同紙によると、中国雲南省の銅山の廃坑で2012年、コウモリのふんを片付ける作業をした6人が重い肺炎になり、同省昆明の病院に入院。うち3人が、死亡しました。研究所の検査で、このうち死者1人を含む4人から「SARS(重症急性呼吸器症候群)のウイルスのような未知のコロナウイルス」が確認されました。
 その後、研究所のウイルス専門家、石正麗氏らのチームが廃坑からコウモリのふんのサンプルを採取。2013年にかけての研究で、サンプルの約半分からコロナウイルスが検出されました。研究結果は2016年に科学論文の形で発表されましたが、3人の死者には触れていませんでした。
 石氏は今年2月、研究所が雲南省で過去にコウモリから採取したコロナウイルスと新型コロナウイルスの遺伝子の配列が96・2%同じだと学術誌に発表。サンデー・タイムズ紙は取材などから、このコロナウイルスが銅山の廃坑で確認されたものであることは「ほぼ確実だ」と伝えました。

 2020年7月6日(月)

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