■子宮頸がん発症１万7000人、死亡4000人増と推計 大阪大、ワクチン接種減で

　子宮頸（けい）がんの原因となるヒトパピローマウイルス（ＨＰＶ）への感染を防ぐワクチンを接種する女性が減った影響で、将来の一定期間に子宮頸がん患者が約１万7000人、死亡者が約4000人増えるとの推計を、大阪大学などの研究チームがまとめ、論文を発表しました。厚生労働省が止めているワクチン接種の積極的勧奨を早く再開すべきだとしています。
　子宮頸がんは、ＨＰＶのうち特定のタイプが細胞に感染することが主な原因になります。国の統計によると、毎年１万人以上が新たに子宮頸がんを発症し、3000人近くが亡くなっています。
　ワクチンは、特定のタイプのＨＰＶ感染を防ぐ働きがあります。2013年４月から小学６年～高校１年の女子を対象に国の定期接種となり、市町村が個別に通知して接種を呼び掛ける「積極的勧奨」になりました。しかし、全身の痛みなど副作用が疑われる健康被害を訴える人が相次ぎ、同年６月に定期接種のまま勧奨を中止しました。
　研究チームは、これまでの報告から見込めるワクチンの予防効果や、接種率などを示した厚労省のデータなどをもとに、勧奨が止まったことに伴い接種率が減った影響で子宮頸がんを発症したり、亡くなったりする人の数が、勧奨を止めなかった場合と比べてどう違うかを推計しました。
　すると、接種率が激減したまま高校１年までの対象時期を過ぎた2000年度～2003年度生まれの女性では、接種率が７割近い水準で続いていた場合と比べて、将来に子宮頸がんを発症する人が約１万7000人、亡くなる人が約4000人増える計算になったといいます。2003年度生まれの女性は今年度、高校２年になっています。
　研究チームの上田豊・大阪大講師（産科婦人科）は、「諸外国ではワクチンと検診の効果で子宮頸がんは減りつつある。積極的勧奨を一刻も早く再開するとともに、対象年齢をすぎた人にも接種の機会を提供するなどして、死亡数の増加を抑えていく必要がある」と話しています。
論文は、イギリスのオンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」で発表しました。

　２０２０年１１月４日（水）

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■世界の新型コロナウイルス感染者4737万人、死者120万人 オランダ、美術館や風俗店など２週間閉鎖へ

　アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の集計によりますと、新型コロナウイルスの感染が確認された人は、日本時間の４日午前３時の時点で、世界全体で4737万241人となりました。また、亡くなった人は、120万9172人に上っています。
　感染者が最も多い国はアメリカで930万9298人、次いでインドが826万7623人、ブラジルが555万4206人、ロシアが166万1096人、フランスが146万745人です。
　亡くなった人が最も多い国もアメリカで23万1754人、次いでブラジルが16万253人、インドが12万3097人、メキシコが９万2100人、イギリスが４万6943人となっています。
　オランダのマルク・ルッテ首相は３日、10月半ばから新型コロナウイルス感染対策として実施している「部分的ロックダウン（都市封鎖）」を強化し、美術館、映画館、風俗店を含めた施設を今後２週間閉鎖すると発表しました。
　首都アムステルダムのファン・ゴッホ美術館や、レンブラントらオランダ絵画の巨匠の作品を所蔵するアムステルダム国立美術館を含めた世界的な人気観光スポットも、閉鎖の対象となります。
　オランダは過去数カ月間、周辺諸国と比較してはるかに緩い対策を講じてきましたが、感染拡大第２波に見舞われるヨーロッパの中でも、最悪のペースで感染が広がりました。
　政府は部分的ロックダウンを10月14日から導入し、すべてのレストラン、バー、大麻を提供する「コーヒーショップ」が閉鎖され、マスク着用が義務化されました。
　これらの感染対策の効果が最近ようやく表れたとみられ、１週間当たりの感染者数が２カ月ぶりに減少に転じ、10月下旬に１日１万人以上が確認された新規感染者数は11月３日には7776人まで減少しました。
　しかし、ルッテ首相はまだ十分な進展はないと述べ、人の流れや接触を減らすため、多くの人が集まったり通ったりする屋内外の施設や場所を２週間閉鎖すると言明。これには劇場や映画館、コミュニティーセンター、美術館、動物園、遊園地のほか、風俗店も含まれるといいます。また、葬儀は30人、結婚式は20人以上の列席を禁じ、国民に外国旅行を１月中旬まで控えるよう要請しました。
　オランダでは売春は合法化されており、性交渉やソフトドラッグ（中毒性の少ない麻薬）使用にも寛容な方針を採用しています。
　一方、全国民を対象とする新型コロナウイルスの抗原検査プログラムが物議を醸しているスロバキアで、先週末に人口約545万人のうち３分の２が検査を受けたことがわかりました。当局が２日、明らかにしました。
　検査を受けた362万5000人のうち、１・06％に当たる３万8359人が抗原を持っていることが判明しました。
　スロバキアのイゴール・マトビッチ首相は記者会見で、「我々は大きな飛躍を遂げた」と語り、「だが陽性が１％だったから、もう問題ないと思ってはいけない。そんなことはない。実際には居住者の最大２％が感染ずみの可能性がある。良い状況だとは決していえない」と付け加えました。
　次の週末にも集団検査が予定されており、スロバキアは世界に先駆けて全国民に新型コロナウイルスの感染を検査する国の一つになりたいとしています。
　全員検査は、人口57万人のルクセンブルクなどの小国ではすでに完了しています。新型コロナウイルスが最初に発生したとされている武漢市など、スロバキアより人口の多い複数の中国の都市でも、実施されました。

　２０２０年１１月４日（水）

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■大阪府で156人が新型コロナウイルスに感染 150人超は２カ月半ぶり

　大阪府は３日、新たに未就学児から90歳代までの156人が、新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。
　１日当たりの感染者が150人を超えるのは、166人だった８月21日以来、約２カ月半ぶり。10月27日以降、11月２日を除いて100人超えが続いています。
　年代別の感染者数は、10歳未満５人、10〜30歳代72人、40歳代以上79人。感染経路不明者は、80人でした。
　府によると、クラスター（感染者の集団）が発生した豊中市の医療関係施設で新たに６人の感染がわかり、同施設での感染は計43人になりました。
　これで大阪府内で感染が確認された人の累計は、１万3106人となりました。
　また、大阪府は３日、新型コロナウイルスに感染していた90歳代の女性１人が死亡したと発表しました。
　これで大阪府内で新型コロナウイルスに感染して亡くなった人は、247人となりました。
　感染疑いに対するＰＣＲ検査などは2025人分実施され、陽性率は７・７％。３日時点の重症者は32人で、重症病床の確保数（206床）に対する使用率は15・５%。

　２０２０年１１月４日（水）

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